第383話 調理会の終わり

―――――――――――――――自宅


由里の言葉からキルや妨害行為を目的とした集団たちと出会った場合の話し合いが始まり。

負傷しているプレイヤーがいた場合を除き、先に手を出す行為を控えようと決まり事を作り・・・相手側がこちらを攻撃してきた場合も話し合いができるのであれば言葉で収拾を行い。

話し合いでは通じないということであれば・・・戦闘に踏み出すと言う流れでいいかと尋ねると――――――


「うん、私はそれでいいよ。

戦いが起こらないのなら私はそれが一番だと思うから。

話し合いで解決できるのであればそうしたいよね。」

「まぁ~こういった連中は話ができるとは考えない方がいいけどね。

何せ名前が真っ赤っかとか論外だよ?

「キルをするためにグロリアに来てます!!」って言ってるようなものだから油断は禁物だね。

私も何度か戦いに巻き込まれそうになって怖い思いをした時があるよ。」

「おかしいわ・・・耀子を襲う利点はどこにもないと思うのだけれど・・・

相当なウサ耳フェチかレアなモブと間違えたんじゃないのかしら?」

「でも、耀子のアバターの耳は珍しいからレアモブと間違われてもおかしくないのだが・・・名前の色と体力バーを見たらプレイヤーだと一目瞭然とも言えるし。

やはりキル目的で狙ったのかもしれないが・・・どうやってそう言う場合を凌いできたんだ?」

姉さんの問いに耀子は今までにあったプレイヤーキラーたちからの逃げ方や対処の方法を聞くと・・・どれも巧みな話術と情報の提供で極力戦闘を回避していたらしく、その流した情報はどれも嘘だと笑いながら語ると。

悠一たちはこのウソをつかれたプレイヤーがいつか自分たちの前に現れないか少し心配にすると。

耀子はみんなの空気の変化を感じ取ったのか・・・そのプレイヤー達が今後現れた際には助けてと可愛い仕草を取って頼んできており。

悠一はその場合は全員で対処するしかないと由里達にどうするか尋ね。

由里達も耀子と関わった時点で無視もできないと言う事で・・・今後、そのプレイヤーたちが耀子や由里たちの前に現れた際には力を貸することが決まると、耀子は肩の荷が下りたかのように安堵していた。


「にしても耀子は本当に色々なプレイヤー達と関わっているな。

他にも色々とかかわりのあるプレイヤーは良そうだが・・・余り詮索しないでおくとして。

イベントの話に戻そうか・・・今の所2か所の狩場でモブを狩ってポイントを集めるのはいいんだが。

そろそろモブが見飽きたから場所移動を行ってもいいだろうかというものなのだが・・・どうだろう。」

「そう言えば姉さんたちはあの森奥から移動して無かったんだったな。

わかった、そう言う事ならこれからは好きな方に行ききできるようにしよう。

だが俺と由里は現状を固定にしておきたいんだが・・・由里はそれで大丈夫か?」

「え、う・・・うん・・・大丈夫だよ・・・ちょっぴり寂しいけど我慢するよ。

だって私だけわがまま言ってらないもん。

それに悠一君に負けないように頑張りたいし・・・えへへ。」

「なんだろ・・・この距離間・・・近いようで遠いのに余裕があるって言うのかな?コトハはどう思う?コレが由里の現状彼女としての余裕ってヤツ?」

「そうなんでしょ・・・でも、コレで狩場の行き来が自由になったのだから。

思う存モブをからしてもらおうかしらね。

彩花さんたちのいるモブもある程度の強さだと思うから・・・今からでも少し楽しみね。」

「まぁ森奥にいたムシ系モブからゴブリン系まで色々でるから見飽きたらこっちに来たらいいんじゃないのかしら。

それとオアシスもあるからができて気持ちいいわよ。」

彩花の水浴びと言うワードに耀子たちは悠一に水浴びを一緒にどうかと誘い出すと。

流石に黙っておられず・・・由里がそれは駄目と強く言うと。

耀子はコトハにアイコンタクトを送ると、コトハも仕方なく耀子の言葉に乗って悠一はどうなのかと尋ねてきた。


「いや、彩花達が水浴びをしてる時の決まり事で・・・俺はテントの中で待ってないといけないからさ。

2人で水浴びを楽しんでくれると助かるかな。

その・・・由里の目が怖いしさ?アハハ・・・・」

「もう!!2人とも私が動けないのを知ってて悠一君と遊ぼうとするなんてズルイよ~~」

「えぇ~~だってぇ~せっかく行き来が自由になったらさ?オアシス付きの方にも顔を出したいって思うじゃん?

それに私は水着があるかた見られても全然平気だよ?

それに彩花さんたちも水着を買えばいいんじゃない?」

「それもそうね・・・水着があれば悠一をテントに押し込む必要もないものね。

それじゃ今日は水着を買ってからオアシス前の拠点に集合と言う事で。」

「ふむ、ならば私は由里のいる方で共にモブを狩ろうかな。

ユキシロもきっと退屈して待っているだろうし。

それにあそこに出る巨大ボスモブを少人数で戦って勝てるのか試してみたいからな。」

可愛い反応をする由里を姉さんがあやすように語ると。

耀子たち3人は水着のラインナップをブロッサムで見始め、悠一も同じようにブロッサムで情報収集をしていると―――――――


「よし、それじゃそろそろ夕食でも作るとするか。

さぁ悠一に彩花さん・・・これから私と由里が教える番だから覚悟してくれ。」

「あはは・・・その、お手柔らかに頼む。

あと難しい料理はなるべくナシの方向で。」

「それは同感ね。

シンプルで飽きないモノがいいわね・・・でも、この残りで何ができるのかしら?」

「ひき肉の残りとか野菜があるのなら・・・カレーなんてどうですか?」

由里の提案に涼孤も賛成し、カレーのルーを取り出し。

涼孤と由里は2人にキーマカレーを作ると言うと、先程と同じように調理の仕方を教えられながら2人は手際よく調理し・・・何とかキーマカレーとサラダが完成すると。

すっかり外は夕方になっており、さっそく出来立てのキーマカレーをみんなで食べることになった。


「はむはむ・・・んん!?コレは・・・悠一味がする!?」

「しないだろ・・・それに俺だけで作ったわけじゃないからな。

それを言うのなら彩花の味もするだろ?」

「ちょっと・・・ヘンなこと言うのを止めてよ・・・

何かが混入したみたいなニュアンスにしか聞こえないわよ?

それに一生懸命に作ったのだから少しはゆっくり食べさせて。」

「でも、本当に教えられたとおりに作ったにしては美味しくできてるわね。」

「うむ、私の弟なのだからやる気さえあれば何でもできるのは当然の事。

ただそれがグロリアとか興味のあるもの以外に向かないのが私に悩みでもあるのだが・・・ハハハ。」

「涼孤さん元気を出してください。

えぇっと・・・その・・・私でよければできるだけ協力するので何かあれば言ってください!!

それに・・・悠一君の為なら私・・・全然苦になりませんから・・・えへへ。」

由里を好き勝手にさせてはいけないと・・・耀子やコトハも手伝える事があれば協力すると語ると。

姉さんはみんなの手と手を握り合って感謝をしてカレーを食べ進め。

夕食が終わると全員で皿洗いと掃除を行い解散することになり―――――――


「それじゃ、悠一君またグロリアで。」

「そんじゃね~2人ともバイバ~イ。」

「悠一に涼孤さんまた後で、今日は御馳走様。

今度またご馳走してくれるのを楽しみにしてるわね。」

「私もこれで帰るわ。

今日2人に教えてもらったレシピを今後使えるように家で実践してみるわ。

それじゃ、今日はその・・・ありがと。」

「あぁ、また遊びに来てくれ。

いつでも歓迎するからさ。」

「みんな気をつけて帰るんだぞ、またグロリアでな。」

由里達とグロリアでまた会おうと別れると。

悠一はそのまま風呂に入り・・・準備を済ませてからグロリアにログインし。

ホームに顔を出しに向かった――――――――――――

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