第382話 彩花の1人暮らしでの苦悩
―――――――――――――自宅:茶の間
悠一と彩花を囲んで耀子やコトハたちはメインの質問を問い、その質問に対して2人はしっかりとした答えを返し。
彩花はさらに深夜にあった出来事を簡略的に伝えると。
耀子や由里たちは彩花の言葉を信じると言って納得し本題の料理の話となった。
「今日は悠一君が1人でも作って食べられるように簡単にできるハンバーグとかどうかなって思うんだけど・・・どうかな?」
「私は良いと思う、他にサラダやスープが付けられたら完璧だな。」
「そうね、由里がメインなら私はスープの作り方でも教えてあげるわ。
彩花さんも覚えられるように簡単なモノにするわね。」
「助かるわ・・・本当にレパートリーに困ってたから。
それに、ハンバーグも冷凍だったから自分で何て作るのも初めてだから少し楽しみね。」
「へぇ~彩花さんって結構見た感じだと何でもできそうだけど・・・・
大学とかは学食だとして・・・家でいつもは何を食べているの?」
「それは俺も気になるな。
1人暮らしの生活ってそもそもどんな感じなんだ?」
耀子に悠一はずかずかと彩花に1人暮らしの事を尋ねると。
彩花は少し考え・・・1人暮らしでの生活を話し始めた。
「そうね、まず・・・時間は好き勝手出来るように見えて自分でやらなくちゃいけない事が多いからそこまで自由でもないし。
食事も洗濯も自分でしょ・・・それに大学に行って―――――――
で・・・こうやって外に出る機会がない場合だとアパートでコンビニ弁当か冷凍食品を食べる生活よ。
仕送りもあるけどある程度のアルバイトもして学校のお金と生活費は貯めているけど・・・毎日大変って感じよ。」
「へぇ・・・つまり、1人になればやる事も全部自分自身だから楽じゃないって事だね。
そう聞くと大学に行くのが少し怖くなってきたよ・・・毎日コンビニ弁当とか冷凍食品生活って・・・少し嫌かも・・・」
「え?耀子は大学に進学する予定だったの?
もう少し頑張らないと大学に行けるかわからないわよ?
それに・・・誰かさんと一緒の大学にもね。」
「大学かぁ・・・ん~その・・・迷惑じゃなかったら聞きたいんですが涼孤さんは大学に進学するんですか?それとも就職?」
「私か?そうだな・・・一応まだ何がやりたいかと言うのが決まってないから進学して知識を蓄えてから社会に出るのもいいと思っているが。
世間の仕事はいいモノもあればその逆もあるからちゃんと生計を立てられる職を選びたいものだな。」
と、姉さんは進学をする予定で考えているらしく。
由里たちも将来をどうするかと考えていると、難しい話や勉強の話はまた今度と言って耀子が重い空気を吹き飛ばし。
さっそく調理をすることとなった。
「そうそう、そうやってリズムに合わせてポンポンポンってして・・・
あとは少しだけヘコませて焼くだけだよ。」
「おぉ~ハンバーグは姉さんがよく作ってくれてるけどこんな感じなんだな。」
「ハンバーグなら私が教えてやったのだが・・・まぁみんなとこうやって作る方が覚えやすいのかもしれないな。
で、彩花さんはできました?」
「あ、うん・・・ちょっとベチャベチャになっちゃったけど・・・・って、何笑ってるの!!
そこは笑うところじゃないでしょ!!もう・・・・」
「彩花さんって銃のメンテナンスとか器用にしてたからこういうのも上手くやるんdなろうなって思ってたんだけど・・・ククク・・・人は見かけによらないね。」
「そう言ってる耀子も団子じゃないの・・・ほら、かして。
こうやってやるのよ?わかった?
でも、これで一先ずハンバーグ作りは完了ね。
それじゃ、次はスープでも作ろうかしらね。」
各自で作ったハンバーグが焼き上がると・・・今度はコトハ直伝のスープ作りが始まり。
今回はクラムチャウダーを作ることとなり。
下ごしらえまでの流れを悠一や彩花たちに見せると、その具材を使ってコトハの指示を受けながら彩花と悠一は調理を開始していると――――――――――
「こうでいいのかな?私・・・あんまり自信ないんだけど・・・・」
「俺もどうなればいい感じに火が通ってるのかわからないんだが・・・・」
「全く、2人は本当に・・・ちょっと見せて。
これだとまだ少しだけ時間がかかりそうね。」
「ニュフフ・・・でもこうやって悠一たちを見てるとなんだか二人ってお似合いって言うか?初々しいよねぇ~」
「なっ!?そ、そそそ・・・そんなことないよ!?ねぇ涼孤さん!
――――――――――ふ、2人は普通に料理をしているだけですよね!?」
「あぁ・・・2人がゴチャゴチャしている感じが何とも言えない・・・
ここは我慢だ私・・・コレは悠一と彩花さんに料理を教えるための事・・・
私がこの場を乱してはならない・・・ならないが・・・この絵は辛すぎる・・・」
姉さんは2人を見ながら苦痛な表情を浮かべて何かを我慢しており。
由里も悠一の間に入りたそうにしていたが、姉さんと同じように我慢していると・・・・
「さて、コレで完成よ。
2人ともお疲れ様、これで家でも美味しいスープが作れるんじゃないかしら?」
「ん~どうなんだろ・・・でも、ここで教わったことを生かして料理をしてみようかしら。
最初は美味しくないかもしれないけど・・・1人暮らしなんだから自炊くらいできないと由里たちに笑われちゃうわね。」
「わ、私は別に笑ったりなんて・・・1人暮らしの大変さが分かったので彩花さんがすごいなって感動したくらいですよ。」
「そうだねぇ~私も1人暮らしをする際には彩花さんを頼りにしよっかなぁ~
でも、家から離れるつもりはあんまりないからそれはないと思うんだけど。」
「耀子らしいな、それじゃ・・・できた料理をさっそく食べるか。」
悠一の言葉に由里達は返事をして料理を運び。
一斉に作り立ての料理を昼食として食べ始めた。
「ん~由里から教わったハンバーグ美味しいわね。
これを自分で簡単に作れるなんて本当に由里って言い腕をしてるわ。」
「ありがとうございます!
私の小さな趣味の1つが役になってよかったです。
で、悠一君は・・・どうかな?美味しい?」
「あぁ、すごくウマイ。
姉さんのハンバーグも好きだが・・・由里のハンバーグも俺は好きだ。
本当にウマイよ。」
「あぁ、この味付けは私のとは違って美味しいな。
それにこのスープもいい味をしている。」
「涼孤さんのお口に合ってよかったわ。
でも、これからどうするのかしら?調理はコレで終わり?」
「え、マジ!?私・・・晩ご飯も食べる気で来たから家にいらないって言ってきちゃったんだけど・・・」
耀子の言葉を聞いた由里や姉さんは残った具材で夕食を作ろうと言うと。
彩花も照れながらその調理に参加できるのかと尋ねると、姉さんたちは二つ返事で了承し。
午後から夕食を作る調理会が行われることになり。
それまでの間、耀子の買って来たアイスを食べながらグロリアの情報交換をすることになった。
「で、昨日の緊急ウェーブ戦で点数差は約100万近くあるのだけれど。
このポイント差でもまだまだ気が緩めないのもまた事実。
悠一たちはこれらから見てどう考える?」
「そうだな・・・この点数差からだと。
残りのウェーブイベントとモブの討伐数から考えて・・・・昨日と同じくらいのメンバーで当たらないと大変かもしれないな。
それにモブの討伐で得られるポイントでも相手方はそれなりの場所を確保していると思うからその辺も考慮しないとだな。」
「そうだね・・・ワザと狩場でモブを倒さずにモブを温存している可能性があるよね。
それと・・・蒼組の暗殺ギルドやキルを目的としたプレイヤーの多さに少しだけ不安があるかな・・・」
由里はスカートをぎゅっと握りしめて辛い表情を浮かべながら語ると。
悠一はそっとその手を押さえて・・・大丈夫だと語り。
再び出会うかもしれない無法集団の対策を考えることにした――――――――
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