第373話 調理実習の材料調達へ

――――――――――――――中級層:オアシス拠点


ジャイアントワームの一件を終えたアヤカたちはオアシスのある拠点に戻って来ると。

体中が砂だらけと言う事で水浴びをしようと言い出し。

オアシスの周りに外部から見えなくする遮断アイテムを設置してからムクロに目隠しをしてテントの中に放り込むと。

下着同然の格好をした3人はオアシスで水の掛け合いをして遊び始めていた。


「きゃぁッ!ヴァニスたちやったわね!!

これでも喰らいなさい!!!」

「わぶばぁ・・・水鉄砲何て卑怯だよ!!

でも、負けないよ!!!それそれ!!」

「ん~夜のオアシスをこんな形で満喫できるなんて・・・・洞窟にいた頃じゃ考えもしなかったわ。

これも私洞窟城から連れ出してくれたムクロのおかげね。

それにしても本当に気持ちいわね~~」

ヴァニス達は水を掛け合い疲れたのか、岩場に座りながら遠くにいるユリハ達に状況の写真を撮って送ると。

そこにムクロがいないかと言う状況確認が返って来ており。

アヤカは冗談のつもりで着替えを見られたとユリハたちに返信すると。

ユリハ達からメールが返ってくることなく、地雷を踏んでしまったと感じたアヤカたちは自分たちの責任じゃないと言って服を着替えてからムクロの目隠しを取り。

3人は内容を話すことなく謝りだし、ムクロは訳が分からないままこれからどうするのか尋ねた。


「そうね・・・今日はそろそろお開きにしましょ。

明日も色々とやる事が多いから・・・」

「そうだね、それじゃ私はお先に失礼するわね。

それじゃ、また今度。」

「うん、お休み~

私はここで見張りをしながらお肉でも食べて寝るよふわぁぁ~~」

「あぁ、それじゃ・・・またな。」

ムクロたちはそう言ってログアウトすると・・・急に部屋を姉さんがノックをせずに入って来た。


「ど、どういうことだ!?アヤカから聞いたぞ!!

その・・・裸を・・・着替え中のアヤカたちを覗くとはどういうことだ!!!」

「ん?俺・・・そんなことして覚えないんだが・・・・本当に俺か?

間違った情報じゃないのか?」

悠一は眠そうな顔をしながら姉さんに語ると、証拠として先ほどまでのやり取りをメモしており。

その内容を読むと、アヤカたちの着替え中に自分が間違って乱入したという事が書かれており。

その内容を読んでからも悠一は必死に否定し・・・自分のされていた状況を説明すると。

姉さんはそう言うのならと彩花にメールを入れると言ってメールを送ると。

ちょっとした悪戯だったことが分かり、姉さんはがくがくと震えながら悠一に謝罪し始めた。


「ごめんね・・・悠ちゃん!?わ、私・・・その・・・本当にその・・・あの・・・」

「別にいいよ、そう言うトラブルがなかったわけでもないし。

間違いは誰にでもあるから。

それよりも・・・そろそろ寝てもいいか?すごく眠いんだが・・・・」

悠一のあくびに姉さんは最後にもう一度だけ謝罪をしてから部屋を出て行くと。

やっと静かになったと目を閉じて寝ようとした時、ブロッサムにメールが届き。

その送り主は彩花で、悪戯の度が過ぎたと謝罪のメールが来ており。

姉さんをあまりからかわないで欲しいとだけ言ってメールを送り返し悠一は眠りについた。


そして、翌日・・・由里達と学校へ向かい。

いつものように午前中の勉学を終え、昼休みとなり。

耀子たちに連れられて屋上へ向かうと・・・由里と姉さんが先に来て待っていた。


「昨日のアレは彩花さんの悪戯だったんだね・・・私もてっきり悠一君が本当にしたんじゃないかって不安だったんだけど。

あれから涼孤さんから来たメールで納得したからいいけど・・・・

悠一君、一応言って置くけど・・・私たちの目がないからって羽目を外しすぎちゃだめだよ?戦闘面でも同じことだよ?わかった?」

「アハハ・・・考慮するよ・・・できる限り。」

「でも、悠一の方のメンバーってファムとアヤカにヴァニスでしょ?

想像しただけでも無茶しそうなメンツだと思うんだけど・・・・

意外と昨日の夜にモブ達との戦闘で無茶とかしたんじゃない?」

「で、どうなの悠一。

無茶したの?それとも普通にやってたの?」

「ん?悠一のこの反応は・・・・無茶をしたそうだ・・・

姉の私だからわかる・・・そこそこに無茶をしたな?

はぁ・・・全く悠一は本当に手のかかる弟だな。」

姉さんの前ではウソが付けず、悠一は昨日のモブとの戦闘について語ると。

耀子はレアモブに目をキラキラとさせ・・・コトハと由里はため息をついて呆れており。

悠一が無茶をするのなら自分たちも多少無茶をすると言って悠一を困らせた所で昼食を食べ始め。

昨日のあれから由里達が何をしていたのか気になった悠一は由里達に尋ねてみると・・・・


「ヴッ・・・え、急にどうしたの?べ、別に何もなかったよ?ねぇ?」

「ニシシ・・・そうだねぇ、特に何もなかったよねぇ~コトハ?」

「そうね、少し女子トークに花を咲かせて色々と話をしてただけよ。

しかも秘密のトークだから簡単には教えられないの。」

「そう言う事だ、だからそこまで心配することない。

で、明日の休みに家に来るのだろ?いつぐらいに来る予定なんだ?」

悠一はうまく話が聞けずに少しだけモヤモヤしながら姉さんの言う話に耳を傾けると。

由里は彩花と合流してから家に来るらしく。

耀子とコトハは先に悠一の家に向かうと言う事が決まると。

アイリスは家の事情でいけないと連絡があったらしく、次があるのであれば是非とも参加したいと言ってと聞くと。


「つまり明日は由里とコトハに耀子・・・彩花に姉さんの5人か。

みんな料理がうまいから俺も何か覚えられたらいいんだが・・・・作りやすいモノで頼む。」

「も、モチロンだよ!!任せといて悠一君!!

それに、耀子もコトハちゃんも悠一君に何か簡単に作れるものがあったら教えて上げて見たらどうかな?」

「ん~そうだね・・・卵焼きとかどう?」

「あれは絶妙な火加減とテクニックが必要だから悠一にやらせたらきっとスクランブルエッグになるわよ?

そうね・・・でも、たまには悠一に教えてあげるのもいいかもしれないわね。

昔のグロリアをしていた頃のようにね。」

「わ、私も・・・その・・・悠一が良ければいつでも教えてやるんだが・・・

いいタイミングでいつもいなかったり私がバイトだったりするからな。

それに最近、2人で過ごす時間がそこまでできてないから私は少しだけ寂しいな。」

シュンとする姉さんに悠一は明日は一緒にいられると笑いながら語りかけると。

姉さんはグッと握りこぶしを作り、何かに燃えだし。

今日の放課後は明日使う調理用の具材の買い出しに決まると。

すぐに弁当を食べて計画を練ってから解散し・・・そのまま時が流れ放課後となった。


「で、デパートの食品売り場に来たのはいいけど・・・私と悠一を置いて由里たちは飛び出して消えちゃったし。

これからどうする?そこのアイスコーナーで何か適当に買って食べて待ってる?」

「そうだな・・・今日も暑かったしそうするか。」

悠一は耀子の意見に賛成すると、耀子は自分の食べたいアイスをもって悠一にコレが良いと言って差し出すと・・・悠一は何も言わずに受け取って会計を済ませ。

2人は椅子に座って由里達の帰りを待っていた。


「いやぁ~悪いねぇ~悠一にアイスを奢らせちゃってさ~あはは。

ん~~~冷たくておいしぃ~~」

「コレくらいなら安くていいんだがな。

それにしてもみんな遅いな。

ん?どうした?」

悠一はアイスを食べながら由里達がいないか探していると・・・耀子はアイスを乗せたスプーンを口元に差し出しており。

耀子がアーンと言っておりこれはマズイだろと悠一は頑なに拒否をするが。

拒否をすればするほど耀子の攻撃が激しくなり、悠一は仕方なくパクリと一口食べた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る