第372話 ジャイアントデザートワーム
―――――――――――――――中級層:オアシス前拠点
テントを建て終えると、アヤカたちはさっそくムクロを囲んでオアシスをバックに写真を撮って送りつけると。
ユリハやミストたちは予想通りの反応を示して羨ましがっており。
悪戯はその辺にしておいて、ユリハに。
互いに無理なく安全にポイントを集める事に努めようと語り。
ムクロたち4人はさっそくモブのいるフィールドに向かって行った。
「そう言えばここは前までいた森とは違って夜になっても月明かりでモブが狩れるのね。
その点を考えただけでもすごくいいわ。」
「でも・・・私、モブが強そうに見えて少し不安なんだけど。
あれって戦ったも大丈夫な系?それともダメな系?」
「私が見た感じだと・・・全然平気だよ?
それに・・・危なそうって考えたら。
ホラ、あそこにいる大きなトカゲみたいなモブがいるでしょ?
あのモブの方がよっぽど危険な感じがするよ?」
「あれはデザートバルチャーだな。
夜はああやって月の光を浴びて日光浴ならぬ月光浴をしているんだ。
だから夜は大人しいんだが昼間はそこそこに活発に行動するのと。
夜と昼とで動きが違うから注意してくれ。
他に気になる事はあるか?」
ムクロは他に質問はないかと尋ねるが、アヤカたちは今聞いてもわからないからと、戦闘をしながら簡単に説明してくれればいいとだけ言うと。
ムクロたちは小さなグループを作っている。
小型のムシを叩くことにした。
「エイエイエイエーイ!!!
やった!!これなら私1人でも倒せる!!!
獲得ポイント・・・・1体2点・・・・」
「それだけ弱いモブだとそうなるわね・・・・
あの出デザートバルチャーを倒せばもう少しは点数が付くと思うけど。
ヴァニスは1人でアレと戦える?」
「戦うのなら私も手伝うよ?
何だか面白そうなモブだし・・・やってみる?」
「よし・・・ここのモブはあらかた倒し切ったな。
それじゃ次のモブを狙いに・・・って、あれ?
2人はどこに行ったんだ?」
ムクロはアヤカに尋ねると、2人が向かって言った方向を指で指し示すと。
2人はバルチャーにそろりと近づいて後方から―――――――――――
「さぁ・・・ヴァニス・・・覚悟は決まった?
ここまで来たって事は決まったって事だよね?」
「こ、今回はファムが手伝ってくれるって言ったから来ただけなんだからね!?
それじゃ・・・やるよ・・・・
―――――――――――――スティールスラッシュ!!!!」
「ググググ??」
ヴァニスのスキル攻撃がヒットしたのだが、そこまでのダメージが入っておらず。
バルチャーはヴァニスとファムに攻撃を仕掛け・・・
「ッッ!!!!!!!」
「きゃぁッ!!!この大きいトカゲそこそこ強い・・・ファム!!援護はまだ!?」
「それが・・・粘液飛ばしが邪魔で中々近づけないの・・・・クッ・・・・」
「あの2人・・・手こずってるな。
そろそろ助けに――――――」
「待って、今回の戦いはヴァニスたちの成長を見るのにいいと思うわよ?
そこまで苦戦している様には見えないから今のところは見守っておいて。
私たちはコッチのモブを叩きましょ。」
そう言ってアヤカに連れられて移動し・・・違うモブのグループを狩り始めると。
ヴァニス達の方に動きがあった。
「くぅ・・・せっかく洞窟の中から出たんだから頑張れ私!!!
ファム!!!次の攻撃のスキを突いて一気に叩くから力を貸して!!」
「うん!!了解!!!」
「グアァッッッ!!!!!!!!」
バルチャーのチャージ技が放たれた瞬間、その爆風に乗って2人は飛び出し。
息の合った攻撃でダメージを与え。
バルチャーに対して至近距離戦に持ち込み・・・・翻弄して勝利した。
「ハァハァハァ・・・・本当に何とかなった・・・・アハハ・・・私ってばやればできるじゃない!!!アハハ・・・本当に怖かったぁ・・・・」
「ヴァニスお疲れ様~そうは言うけどいい動きしてたよ?
それにムクロたちもあそこで戦ってるし・・・・私たちも参加しようよ!!」
ヴァニスはヘトヘトな状態に対し、ピンピンしているファムに少し羨ましさを感じながらヴァニスはファムと共にムクロたちが狩っている場所に走って行くと・・・・
「ゼイァァアァァァッ!!!!」
「そこよ!!!
――――――――ファイヤッ!!!!」
「横から失礼っと!!!」
「ムクロ!!私たち何とかあれを倒したよ!
あ・・・コホン・・・高貴な私とファムがいれば余裕よ余裕!!!」
ヴァニスの上から目線なトークにムクロは苦笑いしながらお疲れと言うと。
2人を追加して更に近くにいたモブ達のグループに攻撃を仕掛けて回り。
ある程度のモブを倒したところで地面が揺れ――――――――――
「とうとう出やがったな・・・・ジャイアントデザートワーム・・・・」
「何アレ・・・メチャクチャ気持ち悪いんだけど・・・
もしかして今からあれと戦うの?」
「どうやらそうらしいわね・・・それにボスモブ判定でドクロマークがついてるから相当な強さよ。」
「うん・・・それに少し大きくない?
私たちくらいなら簡単に丸呑みできそうなくらい・・・・」
ムクロたちは巨大なワームのボスモブを見ると、気付かれていない内に先制攻撃を仕掛けに飛び出すと。
ジャイアントワームが地面に潜り、ムクロたちの下から飛び出してきた。
「みんな!!!ワームに剣を突き刺して振り落とされないようにしろ!!!」
「って、私ナイフとか持ってないわよ!!!」
「クッ・・・私じゃ間に合わない・・・・」
「ぐぅぅぅぅ・・・砂で目が明けられない・・・・でもさっき誰かが飛び出して行ったような・・・」
アヤカの手をギリギリで掴んだのはムクロで、ジャイアントワームが態勢を整える衝撃でムクロたちはワームの体に飛ばされて着地すると。
アヤカはムクロの腕に抱かれている状況になっていた。
「大丈夫か?まさかワームがこんな動きをするなんて予想外だった。
ん?アヤカ?」
「あ、ありがと・・・・で、ムクロはいつまで私を抱いてるわけ?」
「アヤカさんゴメン・・・すぐに助けられなくて・・・・」
「アヤカ大丈夫だった?それにここってワームの?」
話は後と言ってムクロは剣を掴むと、攻撃をワームの体に叩きつけ。
アヤカたちにも攻撃をするように言うと。
アヤカたちも一斉に攻撃を繰り出し・・・・体力が半分程度まで削れた辺りでムクロたちは体から弾き飛ばされて地上に降ろされると。
前にジャイアントワームが姿を現し、体中に赤いオーラを纏った。
「マズイぞ・・・・サンドブレスだ!!!
左右に分かれてからサンドワームにトドメをいれるんだ!!!
俺は左に行くからファムたちは右を頼む。
「えぇ、わかったわ!!!さぁ行くわよ2人とも!!!」
「う、うん!!!こうなったら勢いでやるだけ!!!
高貴な私でも少しくらい無茶をしてもいいよね!!!」
「あはは、ヴァニスもムクロみたいなこと言ってるよ?
でも・・・今はそのくらいの方が頼もしいかも。」
先ほどのムクロの指示通りに分かれると・・・サンドワームは始めから誰を狙うのか決まっていたかのように左のムクロに向けてブレスを放っており。
アヤカたちはムクロなら大丈夫と言い聞かせながら突撃してサンドワームに止めをさせて消滅させると、左側には何も立ってはいなかった―――――――――――
「う、うそ・・・でしょ?ムクロが・・・ムクロが消滅するなんて・・・・あるわけないよね??」
「でも・・・いないって事は・・・消滅したって言う・・・・コトじゃないの?」
「本当に・・・私たちを生かすために自分だけ犠牲になるとか馬鹿よ!!大馬鹿よ!!!本当に・・・無茶し過ぎよ・・・ムクロの・・・バカ・・・・」
「ぶはぁッ!?
ん?どうした?俺を呼んだような気がしたんだが・・・・・」
アヤカたちの悲しみの言葉を聞いていたのか・・・ムクロは地中から顔と手だけ覗かせており。
サンドブレスに巻き込まれて地面に埋もれてしまったと語ると。
悲しんだことを後悔しながらヴァニス達はムクロの前に集まり・・・誤解させたことについて謝罪をさせてていた―――――――――――
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