第360話 謎の攻撃跡とユキシロの悲鳴
―――――――――――――――ショッピングセンター
ふてくされた由里はふれあいコーナーにいた犬を抱き抱えて触れていると。
悠一もその犬に触れるとユキシロの毛の方が少しリアルかもしれないと語り。
由里も同じように触ると悠一の意見に同意し・・・苦笑いをすると。
その犬をコーナーに戻しさっきの話に戻った。
「ん~お泊りは駄目そうだとして・・・涼子さんが認める方法って言ったら前みたいに料理をするとかかな?」
「それなら姉さんもきっと許してくれるかもしれないな。
でも、由里はどうしてそこまで泊まりにこだわるんだ?そんなに大切な事なのか?」
由里に考えも無しに尋ねると。
火が付いたかのように由里は語りだし・・・寂しそうにとても大切と言う由里を見て悠一は由里の頭をそっと撫でて謝ると。
由里は悠一の胸に顔を埋めていた。
その様子を見ていた耀子は犬の散歩用チェーンをギリギリと掴んでおり。
コトハもその光景を見るとさすがに我慢できず、悠一に似合う首輪を探して妄想に逃避していた。
「それじゃ悠一君・・・そろそろ違うお店にいこっか?」
「由里が良いのなら・・・違う店に行こう。
そう言えばこのモールにはゲームショップもあるらしい。」
「何ッ!?ゲームショップ!?」
「耀子・・・落ち着きなさい。
私たちは尾行中なのよ?そんなに前に出たら本当に見つかるわよ?」
耀子はもはや尾行していると言う感覚ではなく・・・ただのストーカーになりつつあるとコトハが感じつつ2人を尾行してゲームショップにやってきた。
「わぁ~最近のゲームってこんなのあるんだ~
コレ可愛い~」
「俺もそのキャラクターは知らないな・・・・ゲームはグロリアが一番だし。
他のゲームは大体ブロッサムとパソコンでできるものが中心だし。
こういうゲーム機が家になかったのも一つなのかもな。」
「うっわ~これ新作予約開始なの!?予約しちゃおっかな・・・・」
「耀子・・・あなたな本当に何をしに来たのかわかっているの?
他のモノに目移りしてどうするのよ・・・私たちの目的は悠一たちの尾行・・・・って、私は特に尾行したいわけじゃないのに何を言わせてるのよ。」
と、耀子はいつの間にか消えており・・・コトハが気が付くと耀子は会計をしており。
安かったからと新作のゲームの予約と数本のソフトを買ってきていた。
「本当に私、帰ってもいいかしら?
何だかこの先、耀子がバレるような気しかしないのだけど?」
「ご、ごめんってば・・・本当に欲しかったからついね・・・
で、悠一たちはどうなった??」
その質問にコトハは体験プレイコーナーで遊ぶ2人を指さし。
周りには小さな子供たちが取り囲んでいた。
「おに~ちゃんスゲぇ~」
「お姉ちゃんもすごいじょうず~」
「参ったな・・・俺達ばっかり遊んでたらあれだし。
ホラここからは君がやってくれないか?」
「いいの!?やるやる!!!」
「それじゃ私は・・・君とチェンジしよう!!」
「うん!!お姉ちゃんありがとう!!」
子供たちと体験ゲームの交代をすると・・・2人はゲームについて語りながら他にも数あるソフトを見ながら全世界で人気なグロリアの大きなポスターを見つけ・・・
「こんなに大きなポスター初めて見たよ・・・へぇ~私たちってこの星に住んでいるんだね。」
「俺も初めて見たけど・・・地球に似ているな。
で、この辺りが俺たちの日本サーバーじゃないか?」
2人はグロリアのポスターに描かれた星とマップを見ながら話し。
ゲームショップを後にして次の場所に向かうと。
「次は由里が好きな服屋さんだね。
そろそろ夏物が欲しいってチャットで言ってたからそれかな。」
「そうだと思うわよ?だって・・・悠一に色んな夏服を見せてるじゃない。」
コトハの言葉を聞いた必死に目を凝らして2人を探し出し。
見つけたと思えば悠一にどれがいいかと尋ねている様子であった。
「悠一君はこっちとこっちだと・・・・どっちがいいと思う?
デザイン的にはこっちだけど色がちょっと・・・」
「由里でキャラデザしている風に考えるなら。
そっちの明るいカラーが似合ってるな。
俺の意見は当てにならないかもしれないけど・・・あはは。」
そう言った悠一に対して由里は悠一の選んだ明るいカラーの服に決め。
会計を済ませて店を出ると、最後にショッピングセンターにあるカフェで休憩することとなり。
コーヒーを2人で飲みながら今日出来事を振り返っていた。
「今日は悠一君と一緒に色々なものが見られて本当に楽しかったよ。
また・・・一緒にこうやってぶらぶらするのに付き合ってくれたら・・・うれしいかな?エヘヘ。」
「もちろん付き合うさ。
由里は俺の大切なヒトだからな・・・それに俺も今日は由里とこうして遊べて楽しかった。」
「ぐぅぅ・・・あんなこと言っちゃってぇ・・・・・ぐあぁぁ。」
「少しは落ち着きなさい。
今夜のポイント集めの際に数発攻撃をあててスッキリすればいい事でしょ。
でも・・・少しキツいわね。」
と、由里と悠一は互いに寄り添い・・・2人はコーヒーを飲み終えると解散することとなり。
帰り道を夕日を背に歩いていると――――――――
「ねぇ、悠一君・・・私が悠一君に個人ポイントで勝てたら何かご褒美くれない?」
「つまり・・・俺達だけのミニゲームか。
いいぜ!!由里のその案に乗った!!
ん~そうだな俺にポイントで勝てたら由里が喜ぶことをしてやるよ。」
「またあんな約束までしちゃって・・・・悠一のバカ・・・
本当に私たちの気持ちも知らないで勝手にし過ぎだよ。」
「そうね、でも・・・・こればっかりあの2人の中でのゲームだから。
私たちがとやかく言う理由はないわ。
それに・・・今こうしている私たちの方が負けているのかもしれないわね。
さぁ・・・今後の為にも帰ってポイント集めるわよ。」
2人の約束を聞いたコトハは何かを抱えながら耀子と遠回りする道で帰り。
由里と悠一もそれからグロリアの話で盛り上がりながら分かれ道で今日の夜に会う約束をしてから別れて帰っていった。
そして、家に戻ると・・・悠一はやる事を済ませ。
明日の学校の準備をしてからグロリアにログインし、野営地に向かった。
「ただいまって・・・アヤカだけか?」
「だけってどういう意味よ?私だけって!!
そりゃ彼女のユリハがいなくて残念だろうけど。
今は私を独り占めできちゃうのよ??」
アヤカが照れ臭そうにムクロに語るとムクロは両手で謝るポーズをしながら謝ると。
アヤカはため息をついて再び銃の整備をし始め・・・この辺りの様子を説明し始めた。
「今さっきユキシロとファムが偵察に出かけて私はここの見張りをしてるのだけど。
拠点には踏み込んだ形跡はないのだけれど・・・・数時間前に誰かがこの先のブロックでモブを倒した形跡を見つけたってユキシロたちが言ってたの。
でも1人を番にさせて1人が探索は危険と踏んだ2人は私をここに見張りとして置いて探しに行っているって言うわけよ。
でもってその形跡はこれよ・・・どう思う??」
「俺が見た感じと戦ってきた武器の形跡から考えたら。
剣だな・・・・それも普通の剣でショートソード系のものだ。」
地面にあった形跡からムクロは武器の特徴まで細かく分析すると。
アヤカは剣であるのは間違いないとだけ語り、それらのことから誰がここにやって来てモブを倒したのかと言う事と。
害があるのかないのかが気になっていた。
「それと・・・地面にある形跡からしてソロプレイヤーだな。
チームで来てるのならもっと派手にダメージが残っていると思うし。
モブの攻撃した跡がないから・・・・攻撃させる前に不意打ちで倒したんだろうな。」
「言われてみれば地面にモブの攻撃跡がないわね・・・・
と、言う事はこのプレイヤーかNPCは相当腕の立つプレイヤーって言う事よね。」
アヤカがそう語ると・・・森の方からユキシロの叫び声が聞こえ。
ムクロはアヤカに鳴き声の咆哮をスコープで探るように伝え。
自分は木から飛び出して鳴き声の聞こえた方へと飛び出した――――――――
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