第345話 真面目なコトハの言葉
――――――――――――学校
翌日・・・耀子たちといつものように学校へ向かい。
授業を受けている最中に悠一のブロッサムにメールが入り。
その中身を昼休みに開けて読むと。
「コレが入ってたんだが・・・・どう思う??」
「そうね、コレは・・・何かのメッセージのようだけれど。
文字がかすれていると言うよりも化けてて読めないわね。
耀子はこういうのを修復できたりしないのかしら??」
「ん~ここまでノイズがかかってると難しいかもだけど。
やってみる価値はありそうだよ?
ちょっとやってみるから悠一のそれを送って来てよ。」
と、耀子に言われるがままファイルを転送すると・・・耀子はカチャカチャと修復プログラムにかけ。
昼食を食べながら今日の夜は何を食べるのか話し合いになった。
「でも、今日は私たちが帰る日なのよ??
悠一は迷惑に・・・ならなければ私は構わないのだけれど。」
「俺は大丈夫だ。
どうせ、1人じゃ何も作れないだろうし・・・2人がいてくれた方が楽しいし。」
「ま、また!そうやって私たちをからかう言い方をして!?
ホントに悠一ってば・・・私たちが女の子って言う事忘れない??
それにそう言うことを本人のいる前で言うから由里たちに怒られるんだよ??わかってる??」
悠一は何をどうわかればいいのかわからず・・・ただ、2人がいてくれたら安心すると言い直すと。
耀子とコトハは恥ずかしさがこみ上げる中、これ以上言っても無駄と悟って悠一と目を合わせずに弁当を食べながらイベントの話に切り替えた。
「で、昨日見たんだけど他のプレイヤーは結構チームの別れ具合がバラバラでさ??
私たちは紅と蒼のどっちに参加する??これは悠一が決めた方でいいと思うんだけど。」
「そうだな、俺は皆の意見を聞くことが大切だと思うが。
ん~やっぱり紅かな?」
「そう、悠一は紅がいいのね?
それじゃ、そのことをみんなに伝えておくわね。
不満があれば悠一に言うように付け加えておくわ。」
と、コトハは悠一が紅チームに参加するというメールを書き。
由里たち他全員に送信すると、チャット欄にOKと言う文字が多数返って来ており。
誰も不満や文句を言う事なく悠一に付いて行くという流れであった。
「ほらね?悠一の言った言葉が私たちをつき動かすの。
でも、勘違いしないで・・・私たちも考えはするから。
悠一が間違った事をしそうになったら私たちが全力でそれは違うって言うから。
だって、それが仲間でしょ??」
「うん!!!だから今回も悠一に期待してるからさ?
―――――――――みんなでこのイベントを楽しんでやろうよ!!!」
「ありがとう、2人がそう言ってくれて本当に頼もしい限りだ。
だから、今回のイベントもやり切ろう。
最後の最後まで全力で。」
3人は弁当を食べ終えると、長くしゃべりすぎたせいか予鈴が鳴り出し。
大慌てで教室に戻り授業を受け――――――――
「それじゃ帰ろっか?
今日はどうする??帰り寄り道する??」
「そうね、いつもの喫茶店にでも行ってみるのもよさそうね。
悠一はどうする??」
「あぁ、俺も同行させてもらう。」
話は決まり、悠一たちは喫茶店に向かい・・・店内へ入って注文して待っていると。
注文していたものが並び、それらを食べながら昼間話していたイベントの件についてさらに話をすることとなり、耀子が話し始めた。
「ん~効率のいいポイント収集方法はないかな??
このイベントもあってだと思うけど情報屋の中でもその辺の情報がロックされててさ?
悠一の言っていたあのポイント以外にどこか探しておく方がいいんじゃない?って思ったんだよ。
悠一と同じようにあの場所を知ってるプレイヤーがいるかもしれないし。」
「そうだな、その確率は0ではないことは確かだ。
2つ目とオマケに3つ目の狩場を見つけておくのもよさそうだな。
取り合いになったら移動ができるのは大きなアドバンテージになるし。
イベント期間中のPVP外戦闘も避けられるしな。」
「でも、悠一の言っていた場所以外にそう言った定期的にモブがリスポーンしている場所を見つけるのは大変な行為よ??
時間のズレで位置がズレるケースが多いから。
それとは別にボスモブを倒して稼ぐ方法もあると思うけれど・・・時間がかかりすぎて効率が悪いともいえるわね。
そう考えると悠一の見つけたポイントは本当に奇跡のような場所ね。」
と、3人はもしもの場合を考え・・・ポイントをある程度の頻度で回収できる場所はないかとブロッサムで情報収集していると。
公式サイトに大きく広告が載っており、特定の時間毎にモブが大量発生するウェーブイベントが各巨大拠点となる都や街に発生すると書かれており。
その中には始まりの都も含まれており。
悠一たちはそのウェーブ戦をうまく利用しつつ点数を稼ぐことを一つの手として考え、由里たちに情報を伝達すると。
更に他の方法を考えることになった。
「で、何かいい作戦できた??
私は情報とにらめっこしてるけど全然いいのが出てこないかなぁ・・・・
イベントクエストでよくあるコロシアムも今回のイベントがあるからって追加されてないしさ。
本当に熟練したプレイヤーの知識がカギになるって感じだよ。」
「私は考えたのだけれど・・・リスポーンを狙うんじゃなくて。
モブをおびき寄せて狩ることはできないかしら??
調合アイテムにモブの好きな臭いを発生させるフェロモン爆弾があったと思うのだけれど。
その作戦はどうかしら??」
「コトハにしては面白そうな作戦だな。
もっと堅い作戦を考えてくるかと思っていたけど・・・そうだな、その作戦だとモブがリスポーンする場所を探すよりも比較的に効率がいいな。
よし、そうと決まれば家に帰ったらモブが集まりやすい場所のマッピング作業だ。」
家に戻ってからやる事を決めると、3人は喫茶店を出て行き。
悠一の家に行く前にスーパーに寄り買い物を済ませてから家に帰ると。
耀子はグロリアにログインしようとした2人に宿題と言うと・・・2人はリビングで宿題をすることとなった。
「どうしてこうなった・・・・さっきのノリは3人でログインしてフィールドとかダンジョンに潜る勢いじゃなかった??」
「あはは・・・でも、コトハは真面目だから言い返すと怖いんだよな。」
「誰がどう怖いって??悠一??人がいないのをいい事に何を言ってたのかしら??」
宿題をしていた2人の後方からコトハがやってくるとコトハも宿題に参加すると言って夕食の下準備だけして来ていた。
「で、私の噂をしていたようだけれど・・・何か??」
「何にも言ってない・・・よな??耀子??」
「悠一がコトハの事を真面目で堅いって言ってた・・・・悠一ごめん!だって言わないとコトハのあの目が怖いんだもん!」
耀子はさらっと悠一の言っていた事を話すと・・・コトハは何も聞かず。
静かに宿題を始めていたがその姿勢に対して2人は違和感しかなく・・・・
「え、えっと・・・コトハ??その・・・気にしてたりしてない??
その・・・言わない方がよかったかな??」
「そうね、私はどう言われようと気にしないわ。
でも・・・私はそんなに真面目で堅いかしら??
悠一たちのようにラフに言っているのだけれど。」
「あはは・・・コトハってたまに堅い表現するけど。
俺はそう言う言い方をするコトハも好きだな。
真面目に考えるところとかさ??ん?どうした??」
耀子はアチャーと手を顔に当て、悠一は何が起こったのかわからないまま。
コトハに何か悪いことを言ってしまったかと謝ると。
コトハはバカと小さく呟き宿題に集中するように言いながら自分も顔を赤くして集中して宿題に取り組みだした――――――――――
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