第334話 エラーモンスターの製作者
レンブ達が駆け出すと・・・コボルトアーチャーにマージは指示を出すと。
コボルトアーチャーは弓矢を引き搾り・・・マージの指示と同時に一斉に斉射した。
「―――――――――ぐあぁぁぁ・・・・・」
「ぐッ・・・何のこれしき!!!!当たりそうな矢は撃ち落とすなり攻撃で相殺しろ!!!」
「あと、少し・・・・捉えた!!!!
―――――――――全て私が狩り取ってやる!!!」
「――――――――レンブさんが敵陣に侵入した!!!レンブさんに続けぇぇ!!!!」
「――――――――うぉぉぉぉおぉおおぉぉ!!!!」
「よし、レンブ達は何とか行ったみたいだな。
そんじゃ俺たちはマージの前でガードしているコボルトを引き剥がすぞ!!!
俺についてこい!!!」
「どこまでも付いて行きますよ!!!デラントさん!!!」
レンブとコボルトアーチャー達との交戦が始まったのを見ると、デラントもマージの前をガードするコボルトを倒すべく移動を開始し―――――――
「おらぁぁ!!!まず一匹!!!!」
「俺たちもコンボで行くぞ!!!
――――――――コンボ1!!!!」
「続いてコンボ2!!!!」
「おらぁぁぁ!!!コンボ3!!!!!」
「最後は任せろ!!!
――――――ラストぉぉぉ!!!!」
「さぁ・・・・コレで書き換えとウイルスの定着は完璧・・・・
これより最終チェックと行こうか!!!」
マージは黒く異質と化したアバターを起動させると・・・・大きく光る黒い柱が現れ。
その黒い光が止むと・・・ムクロたちは予想外なモノを目にしていた。
「あれは!?エラーモンスターか!!
まさか・・・アイツが・・・・アイツが作ったのか!!!」
「ムクロ落ち着いて!!!あれがもしエラーモンスターと同じなのなら危険だわ。
戦っている連中に早く知らせないと戻れなくなってしまうわ!!!
キャレットもこの通話を聞いているのだったら早く仲間たちに連絡しなさいよ!!!」
「わ、わかったわ!!!あれが例のエラーモンスター・・・・マージが生み出していたとすれば聞くことが沢山ありそうね。
通話を聞いていたのならわかると思うのだけれど。
ムクロたちが以前戦ったエラーモンスターが囮のアバターを使ってマージが錬成したわ。
だからこの時点で戦闘に参加していた部隊は後退し・・・ムクロたち率いる最終交戦部隊に対処してもらうわ。」
と、キャレットが説明している間にマージは・・・黒いアバターに雄たけびを上げていた。
「これが私が作り上げた最高傑作!!!!
人間の知とアバターとの境界を越え・・・限界を引き出した究極の生命!!!
さぁ・・・手始めに少しお前の力を見せてやるといい。」
「あれが・・・あの囮役に出て行ったアイツの慣れの果てかよ!!!
絶対に許せねぇ!!!レンブ、キャレット!!!俺の給料を引きたけりゃ勝手にしろ!!!俺はあいつに一発でも殴りを入れねぇと気が済まねぇ!!!
――――――――うぉぉぉぉおぉおぉぉ!!!!!」
「デラントさん!!!!危険です!!!戻ってください!!!!」
「やはりデラントは突っ込んだか・・・すまないが他の連中はデラントを追いかけずに退却もしくはログアウトしてくれ。
あと、無茶を言うが嫌なら断ってくれてもいいが・・・レンブ―――――――」
「いえ、私の事なら気にしないで・・・デラントを救出して離脱。
先輩の命令であれば拒否などしません・・・少し無茶をするかもしれませんが行ってきます。」
キャレットの命令と受け取ったレンブは仲間たちに退却指示を出し。
デラントが突っ込んでいったコボルトの方へ足り出すと―――――――
「・・・・・・・・!!!!!」
「な、この黒いヤツ・・・・・仲間のコボルトをバラバラにしやがった!!!
一体全体どうなってやがんだ!?」
「この黒いアバターのベースはプレイヤーである人なのだ。
つまり、私の指示以外で攻撃する対象と言えば。
そう・・・・目の前のモブであるコボルト達だ。」
「ムクロ!!!お前たちの力を貸して欲しい。
一刻も早くデラントとレンブの援護と救出を――――――――」
「えっと・・・ムクロッちならさっき飛び出してったよ。
あんなに怖い顔したムクロッちを見るなんて初めてだよ・・・・大丈夫かな??」
「きっと大丈夫じゃないわね・・・あのマージが私たち数十名のプレイヤーを未帰還にした張本人なのかもしれないのなら。
ムクロはその答えを吐き出すまで手を緩めることはないわね。」
「ですが、この状況だとマージ捕縛作戦が行えないのも確かです。
私たちはご主人様が危険な状態になるか指示があるまで待機しておきましょう。」
「うむ・・・主殿ぉ・・・自分を見失わず戦うのじゃ・・・・
そうしなければただのケモノやモブと変わりないのじゃ―――――――」
飛び出して行ったムクロを見送りながらクーリアたちは後退する連中の保護とポータルまでの誘導を開始した。
「さぁ、コボルトは片付いた・・・目の前の男を狩り取れ!!!
アレは敵だ・・・目の前に立ちはだかるプレイヤーは敵だ!!!」
「テ・・・・キ・・・・・テキテキテキテキテキ!!!!!!!
―――――――――――――テキッ!!!!!!」
「ぐあぁ!このッ!!!!
くそ・・・攻撃が全然カスりもしねぇ・・・こりゃ・・・マズったか・・・・
あの野郎をぶん殴りたかったんだけどよぉ・・・悪いな――――――」
「おい、勝手なことをしておいて勝手に散り急ぐとは。
お前はそれでも本部の人間なのか??
剣をとったのなら散るまで相手の動きを見続けろ。
それができないのなら剣をとるな。」
黒いアバターの攻撃に対してレンブがガードに回り込むと・・・デラントはレンブの言葉を受け取ると。
目に闘志が戻り、黒いアバターの不意に仕掛けた攻撃の合間を縫ってデラントが打撃を叩き込んで弾き飛ばした。
「悪い悪い・・・ついよそ見しちまった。
で、これで貸し借り0だよな??」
「フンッ・・・少しはマシになったか・・・ならば0にしといてやる。」
「くッ・・・・試験体023!お前の本気をこの者たちに見せてやるといい。」
「だが、先にお前は拘束させてもらうがな――――――――」
マージの不意を突いたムクロはマージの腕に拘束具を付け、デラントとレンブにマージを連れて交代するように言うが。
「いや、俺たちも一緒に戦う方が効率がいいだろ!!!
それに・・・俺はまだまだ殴り足りねぇんだ。
コイツにも頭に来てるが―――――――」
「ムクロの力量は知っている。
だが、この状況で獲物の横取りはどういうつもりだ?
他に何か理由があれば別だが??」
「おい、マージとかいうエラーモンスターをグロリアに放った男。
この黒いアバターにキルされたらどうなる??」
「その名前・・・そうか・・・お前はあの出来損ないの処理をしてくれたものか?
いや、助かった・・・・そのエラーモンスターは実験中に施設から逃げ出してしまってな。
表では事件にならなかったのが幸いだっ―――――――グガッ!!!」
ムクロはマージの言葉に怒りが限度を超え、仮面が砕ける威力で顔を強打し・・・襟首をつかんで再び同じ問いをすると。
「そうだ、お前の想像通りの結果が起こるだろう。
だが、今回は未帰還なのではない・・・・ウイルスに侵され、適応できなければ脳が体が魂が消失するだろう。
逆に・・・適応できれば進化の道が開かれるのだ!」
「そうか・・・・わかった。
レンブ達はこのマージをキャレットの元に・・・・一緒に戦えない理由はそいつが言った事全部が理由だ。」
「そうか、なら・・・ここは退却するぞデラント。」
「はぁ!?ここまで着といて何を言って・・・・ッ!?
クソッ・・・あぁ、わかった。
――――――――その代わりムクロ・・・絶対に勝って戻って来いよ!!!」
デラントはムクロの表情から言葉が通じない顔をしていると察すると・・・レンブと共にマージを連れてキャレットの元に連行すると。
ムクロと黒いアバター試験体023との戦いが始まろうとしていた―――――――――
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