第331話 マージ捕縛作戦会議
―――――――――――――自宅
話し合いの結果・・・毎回このやり取りをするのが面倒と言われこれからは悠一が先にお風呂に入ることが話の流れで決まり。
悠一は一番静かでゆったりできるところがお風呂場とトイレだけじゃないかと考えながら風呂から上がり。
2人に風呂が開いたことを知らせると・・・2人はササっとお風呂に入り、悠一はブロッサムに数件のメールが来ていたのに気が付くと。
その中身を読んだのだが―――――――――
「あはは・・・これだけ通知来てて返信してなかったらそりゃ怒るよな・・・
えぇっと・・・色々あって送れなかった・・・ゴメンっと・・・送信。」
悠一はこの流れから通話が来ることを予想しており。
そのまま部屋に戻ると・・・予想通りに由里から電話が掛かってきた。
「はい、もしも・・・・・・」
「悠一君!!!!!何回も何回もメールしたのにどうして返してくれないかな!!!
で、話で聞くマージと白騎士の件はどうなったの??悠一君はケガとかしてない??キャレット・・・如水さんから話を聞いて・・・すっごく不安だったんだから・・・・それに涼孤さんもすごく心配してたよ??」
由里からの通話はやはり叫ぶような声から始まり・・・途中から寂しさを感じた悠一は。
ただただ由里にゴメンお謝る事しかできず・・・こちらの話しお一通りすると。
ハワイについての話を由里に尋ねた。
「えっとね・・・さっきの写メを送ったから・・・見てくれると嬉しいかな?
――――――――エヘヘ・・・・ちょっと恥ずかしいけど。」
「お、コレ・・・か・・・」
悠一は写真を開くと姉さんと由里の水着写真で・・・綺麗なハワイのビーチよりも大きく2人が写真に写っていた。
「えぇっと・・・ハワイの海よりも二人がよく見えるな・・・・あはは。」
「ん?それだけ??他に何か言う事あると思うんだけど・・・・」
由里の恥ずかしそうな声が聞こえ・・・悠一は素直に楽しそうで良かったと答えると。
由里の期待する返答とは少し違っていたが、ありがとうと返し。
ハワイのお土産屋に売っている物の話や姉さんと共に回った店の話を楽しく由里が話していると。
最後に・・・
「ごめんね悠一君・・・今、大変な事態なのに私たちはハワイで遊んでて・・・・
こんなことになるんだったら私たち・・・残ればよかったかもって思っちゃうんだ。」
「そりゃ由里達がいてくれたらもっと事態がいい方向に進んだかもしれないが。
こういう時だからこそ2人は羽根を伸ばして楽しんで欲しい。
それに・・・こっちには頼れる情報通の耀子に頭の切れるコトハがいるし。
如水さんの力があればある程度の事も可能だ。
だから・・・心配しないでくれって言えないけど。
―――――――――――そうだな・・・安心して帰ってきて欲しいって言えばいいのかな??」
悠一の思いがけない言葉にクスクスと笑いながら由里は・・・電話を切る前に「無茶せずに頑張ってね」と言って通話を切り。
ベッドに横になると―――――――――――
「いやぁ~2人のラブラブな通話は身に沁みますなぁ~コトハ殿??」
「そうね・・・でも今夜は悠一が了承した添い寝ならぬ同じ部屋でお泊りよ。
―――――――――さぁ覚悟はいいかしら??」
と、2人は布団を悠一のベッド下に敷き詰め・・・陣取ると。
ベッドに転がりながら夜のグロリアにレッツゴーと耀子が掛け声とともにログインし・・・コトハも仕方ないと言って追いかけるようにログインすると。
この流れからして待っているだろうと踏んだ悠一もグロリアにログインし。
プライベートホームに向かうと・・・・・・
「遅いよムクロッち~早くこっちにきて作戦会議をしようよ!!
レイも情報の洗い出しが完了したって言ってたし。
ヴァニスに他のみんなも待ってるよ!!」
「私はガンフィールドからの帰りだけど・・・作戦会議なら参加するわ。
それにしてもお腹がぺこぺこよ・・・さっさと終わらせて食事して寝よっと。」
「アヤカは少しお疲れと言う感じじゃの??
じゃが、アタイたちはアタイたちで色々と情報を集めて来たのじゃ。」
「うんうん!!!それにこの流れはいよいよって感じの流れだよね??
私、こういうぐだぐだした探り合いって好きじゃないから早く戦いにならないかな!!!」
「血の気が多い天使はこれでも食べて落ち着きなさい。
で、レイの情報はこれかしら??
へぇ・・・この短時間で良くここまで整理したものね。」
「お褒めいただき光栄です。
クーリアの情報と私の情報を照らし合わせて再計算し・・・ダミー情報とアバターの周波数を何度も計算しましたので間違いはないかと。
間違いがあるとすれば・・・マージは私たちを敵に回してしまったと言う事でしょうか??」
レイはキリっとした表情で言うと・・・クーリアたちがコクコクと頷き。
エリからレイの作った精密な情報に目を通し・・・ユキシロとファムたちが集めた情報も参考用に聞くと。
ムクロは少し考え・・・マージを捕まえるための作戦プランを構築し始めた。
「ムクロッち・・・すごい考えてる・・・こんなに真剣なムクロッちは見た事ないよ。」
「そうね、それだけ今回の相手が厄介って言う事でしょ?
それに・・・ムクロの事だから今回で決着を付けようとしているんじゃないかしら。」
「でも・・・相手はアバターを改造する違法者なんでしょ??
少しのイレギュラーが大きな事態になり得るから考え物よね。
だけど私はムクロの指示通りに動くだけよ・・・作戦を立てるよりも私は動く側の方が性に合ってるし。」
「アタイもどちらかと言うとアヤカと同じタイプなのじゃ~~
頭で考えるよりはまず行動なのじゃ!!」
「ユキシロと一緒って・・・何かアヤカが野蛮に見えてくるのだけれど??
でも・・・これだけ重要な任務に私が一緒でいいの??私・・・全然みんなの役に建てる気がしないのだけれど・・・・」
「大丈夫ですよヴァニス、ご主人様なら私たちの力がフルに発揮できる配置を考えてくださいます。
それにこの様子だともう少しだけ時間がかかりそうですしお茶をお持ちいたします。」
「あ、私も手伝うよ!!!」
そう言ってレイとファムは台所に消え、お茶を持って戻って来ると・・・ムクロは「よし」とひと言つぶやき。
作戦ができたことを伝えると・・・お茶を飲みながら話すこととなった。
「で、ムクロはどういう作戦で行くつもりなのかしら??
正面突破??それともちまちま作戦かしら??」
「いや、今回はバックにクーリア・アヤカ・エリを配置しつつ。
リスポーン地点に現れたマージを360度囲いながら行動を制限しつつ攻撃し最後にコレで捕縛する。」
「それって・・・キャレットから受け取ってたアイテムだよね??
――――――――どれどれ・・・・うぇ!?
これに拘束されるとログアウト不可能になる!?すごい滅茶苦茶効果アイテムじゃん・・・コレが組織の手ってなると悪いことはしたくないね・・・」
「でも・・・さっき聞いた話の流れだと私たちが来るって言う事を計算に入れてると思うから。
状態異常とか無駄な工作は意味をなさないかもしれないからダメージ特化で行くわね。
――――――――はぁ~改造アバターの相手って・・・前までやってたFPSゲーム以来ね、でも・・・ムクロの頼みだしやってあげるわ。」
「アタイたちは前衛でドンパチなのじゃ!!!腕が鳴る鳴るなのじゃ!!!のう?ファム!」
「そうだね!!!やっと私たちらしくなってきたって感じだね!!」
「みんなの足を引っ張らないようにするから・・・ううん・・・わ、私は高貴なんだから皆、ちゃんと私に付いてきてよね!?」
「それは見ものです・・・・ではその作戦の件についてファイルにまとめてキャレットに送信いたします。」
レイはそういってファイルを作成し、キャレット宛てに送ると。
キャレットからの返事が返り・・・状況が動き次第その作戦で頼むとだけ書いてあり。
それまでの間、各自の装備やアイテムの調整に入るようにと言って解散した。
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