第332話 マージ捕縛作戦当日の朝
――――――――――――プライベートホーム
作戦の内容が決まり、グロリアにログインしているユリハたちにチャットで作戦内容等の連絡をすると。
ユリハとミストから返事とハワイサーバーの様子の画像が送られてきた。
「へぇ・・・あっちにはやっぱり海とかあるんだな・・・・」
「何、見てんの??ムクロッち~~~あ!!ユリハとミストじゃん!!!
2人とも楽しそうに水着で遊んでるね!!」
部屋でユリハ達のチャットを見ていたムクロの背後からクーリアが現れ。
仲良く水の掛け合いをする2人の写真を見て羨ましがっていた。
「いいよねぇ~ハワイ・・・私も水着で思いっ切り泳ぎたいなぁ~~」
「と、言ってもこの前に温泉プールで泳いだと思うんだが・・・
でも、本当に2人が楽しそうでよかった。」
と、ユリハ達に軽く返事を書いて送ると・・・クーリアがここに来たワケを聞いた。
「うん、用意するのは大切なんだけど・・・キャレットから連絡があってさ?
マージがリスポン予定の中級層のフィールドを本人にバレないよう隔離して。
キャレットの組織の中から囮役を使って誘きよせる作戦を明日の10時辺りに決行するとかで・・・・それまで何も起こらないと思うし今日は早めにログアウトして体力を温存しようかなって・・・・」
「そう言う事か・・・野良のプレイヤーを身内で演じるって言う事か。
キャレットらしい作戦だな。
よし、わかった・・・今日はログアウトして明日に備えよう。
――――――――――で、この事は皆は知っているのか??」
ムクロがクーリアに尋ねると、すでにアヤカたちはログアウトしてファムもユキシロも部屋に入って眠りについたと言い。
ムクロたちもログアウトして眠ることにした。
「それじゃ、また明日な・・・2人ともお休み。」
「えぇ、任せておきなさい・・・お休み悠一。」
「アレ?私にはお休みナシ??
でも、明日かぁ~~大丈夫かな・・・ドキドキして眠れないかも・・・」
と、言いつつ耀子はものの数分で眠りにつき。
悠一は由里と姉さんに眠る前のメールを送ってから目を閉じると。
何やら悠一の寝ているベッドがごそごそと動き・・・
「―――――――――ちょっと・・・耀子・・・あまり引っ付きすぎたらダメよ?
悠一が起きちゃうじゃない!!」
「え?だってこういう時くらい密着しないと損だよ損!!」
「2人とも・・・ここで何をしているんだ??」
悠一は目を閉じながら声の聞こえた張本人たちに尋ねると2人はもっと近くで寝たかったとぼそぼそと答え。
悠一は何も見てない内に自分の布団に戻った方がいいと言うと・・・2人は怒らない悠一を良い事にそのまま隣に寝転がり、朝を迎えた――――――――
「おはおは~悠一朝だよ~~」
「んん??耀子??結局戻らなかったのか??
まぁ・・・姉さんがたまに寝ぼけるからいいけど・・・コトハは??」
「私ならここよ。
ちょうど朝食の用意が済んだから台所で食べましょ。
耀子もいつまでそんな格好しているのかしら??」
朝からコトハのお叱りを受けた耀子はブーブーと言いながら着替えに降り。
悠一も支度をして台所で待っていると・・・
「お待たせ、ごみんに~耀子ちゃん支度には少し時間かかっちゃうタイプなんだよね~」
「それはいい事ね・・・でも小奇麗な耀子ちゃんいいかしら??
早く食べないとキャレットの作戦開始前に行動できないのだけれど??
ハァ・・・・本当に昨日までの緊張感はどこに行ったのかしら?」
「あはは・・・でも、時間はまだ余裕があるし大丈夫だろ。
それじゃ・・・コトハお手製の朝食をいただくとするかな。」
悠一の挨拶と共に朝食がスタートし・・・食べていると由里達から朝のメールが届き。
あちらでは夜の時刻で送られてきた画像は夕方を思わせる暗さであった。
「ん?どったの??由里たちから??何て来たの??ねぇねぇ??」
「こら、プライベートを詮索するのはマナーが悪いわよ??
で・・・悠一・・・由里からの連絡よね???あっちの2人は元気にしているのかしら??」
「あぁ、ハワイは日本と違って時差で夜らしくて・・・ほら。
あっちじゃこれくらい暗いらしい。
それにしても同じ地球上でこれだけ違うんだな。
あと、由里たちはこれから寝るそうだ・・・・」
2人に画像を見せると・・・こっちも何か送ろうと耀子が言い出し。
コトハも耀子の悪乗りに便乗し、悠一を囲んで朝食の写真を撮り・・・由里に送信すると。
予想通りと言うべきか・・・由里は姉さんにも送ったらしく、姉さんからも怒り心頭なメールが来るや。
手に負えない状態を放置して2人はクスクスニヤニヤしながら朝食を食べていた。
「やっと落ち着いてくれた・・・・元気そうだったけど。
さっきのは火に油って言うか――――――――」
「そうね、悠一と由里の辛みを生々しく見た私たちは毎回その状態よ??
良い体験ができてよかったわね??
ハイ、済んだお皿はこっちに持って来て。」
「ほいほ~い・・・悠一~早く食べないとダメだぜ?
もうすぐキャレットの作戦だよ??」
と、耀子が時計を指さしながら伝えると、悠一はガツガツと朝食を食べ終え。
コトハと皿を洗って部屋に入り・・・グロリアにログインすると。
まずはホームへと向かい・・・・
「主殿~おはようなのじゃ~~~あふぅ~~」
「ムクロ、おはよう。
そろそろ作戦開始時刻前だと思うけど・・・・急がなくて大丈夫かな??」
「ご主人様おはようございます・・・早速ですが、お茶はいかがでしょうか?」
「ふわぁぁ・・・ムクロ??やば・・・寝落ちしてた・・・・ホラ、ヴァニス・・・起きなって。
ムクロに寝顔をスクショされるわよ??」
「スクショ!?それは駄目よ!?私の寝顔を待ち受けにするのは駄目!!
でも?どうしてもって言うのなら・・・って、違うわよ!?」
「朝からヴァニスは良いノリだねぇ~~~オスオッス!!みんなのアイドルクーリアちゃんと御一考お待たせ!!!」
「アイドルグループになった覚えはないわよ。
で、コレで全員揃ったのよね??
それじゃ・・・本格的に装備の点検とアイテムの確認をした後に・・・・って。
それもできたって顔をしてくれるのはいいのだけれど。
一応確認してくれると助かるのだけれど??」
「み、みんな・・・エリの言う通りに一応見て確認してやってくれ。
こう見えてエリも少しカチカチだと思うからさ、頼む。」
ムクロに言われたらとクーリアたちはアイテムの確認をし、エリはエリで図星を突かれたことに対してムクロの足を蹴りつけて表現してから自分もアイテムの確認に入った。
「コホン・・・で、これからキャレットたちによる誘導作戦が始まるけど。
最初は予定通りに観察よ。
そして、マージが動き次第にレンブにデラントが動き。
それでも対応できない場合・・・私たちがムクロの考えた作戦を決行すると言う流れになるわ。
ここまでで何か質問はあるかしら??」
「のじゃ~おやつは持って行ってもいいのかのぉ??」
「ユキシロ・・・今回はピクニックじゃないから普通のクエストの時だけだよ?」
「いえ、普通のクエストの時も極力お菓子類は持ち込まないでしょう。」
「そう堅くならなくてもいいんじゃないかしら??
だって私たちにはこのムクロ様がいるから大丈夫よ。
どんなピンチでも覆すとっておきのエースがね。」
「おい、そんなに過大評価しないでくれ・・・・俺は平凡だ。
そこまで期待されるとやり辛いんだけどな。」
「ムクロが平凡なわけないじゃない!?
ムクロが平凡だったら私たちなんてゴミッカスのクズクズよ!?」
「ヴァニス・・・それは私たちを過小評価し過ぎだから・・・ね?とりあえず少しだけ落ち着こ?」
エリの作戦説明を再度手順通りに聞いたムクロたちは、キャレットたちが作戦を開始しようとする隔離されたフィールドに特別移動用ポータルで移動し、作戦の位置に付いて待っていると―――――――――――
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