第317話 戦いの心得

――――――――――――――街外れの草原


クーリアの発動した氷塊は・・・ムクロを目掛けて落下しており。

ムクロは一歩も退くことを考えずに攻撃タイミングを探る中。

クーリアは安全そうな場所に移動して、身を低くして衝撃と無敵化が切れて際による破片のダメージを回避する行動に出ていた――――――


「ムクロッちは本当に無茶苦茶だよ!!!

私がこうやって逃げて様子を見ているって言うのに・・・マジでどうする気なのよ全く!!」

「どうするもこうするも・・・・・・・・・・

―――――――――――全力で叩き割るッ!!!!!

――――――――――ゼイヤァァァアアァァァァッ!!!!!」

ムクロは直撃するギリギリの所を渾身の一撃を氷塊に入れると・・・・

氷塊は綺麗に半分に斬れ、ムクロを避けるようにして地面に落下し。

そして、片方の斬り落ちた巨大な氷の塊はクーリアを襲うように落ちていた。


「本当に切り落として見せたわね。

私もアレを習得してみようかしら?」

「ですが、あの領域まで到達しようとするのであれば相当な練度が必要かと・・・

それに・・・クーリアは自身の氷塊に潰されて体力が――――――」

「うん・・・見事に自滅してるわね・・・・

はぁ~しょうがない・・・最後は私が決めないといけなさそうね!!!

ムクロとのPVPは久々で怖いけど・・・やるだけやるわ!!!」

「ぬぐぅへぇ~~~誰か助けてェ・・・・・氷が重いよぉ~~~

まさか・・・自分の出したスペルに潰されてヤラれるとは思わなかった・・・」

PVPはクーリアの自爆と言う形で終わり。

スペルが時間で消えるのを待ち・・・クーリアを助けると交代するかのようにヴァニスが前に立っていた。


「久々のPVPだけど・・・ま、負けないから覚悟してよ!!!

ほ、本気でやっちゃうからね!!!」

「この流れだと・・・ムクロは手を抜いて戦うわね・・・・

ヴァニスの足がガクガクしてるもの。」

「これは早くも勝負ありといった所でしょうか。

さて・・・帰る支度でもしますか――――――」

「ん~もっとムクロッちと戦いたかったけど・・・まさか自分のスペルでやられるとは・・・今度はもう少しスペルに工夫して・・・ぶつぶつ――――――」

「ヴァニスとのPVPは久々だな・・・あれからどれだけ強くなったか俺に見せてくれ!!!

さぁて、ラストPVPの開始だ!!!」

ヴァニスが承認ボタンを押すと、PVPの開始アナウンスが始まり・・・ヴァニスが先に動いてムクロにスキルを発動した。


「ぐぐぅ・・・やっぱり私のスキルじゃ通らない・・・だったら・・・・これならどうだ!!!!

―――――――――――フラッシュボム!!!」

「目くらましか・・・・状況に応じて戦闘パターンを変える・・・ヴァニスは進歩したな。」

「本当にムクロは戦っているわね。

ヴァニスの魔法もそれどほ効いていないって言うのに演技までして・・・・

どこまでヴァニスで遊ぶつもりなのかしら。」

「これもご主人様のお考えでしょう・・・ヴァニスを倒すことは簡単です。

ですが、ただ倒すだけではヴァニスが成長しないと言うご主人様なりのお考えなのかもしれません。

私も負けたことによってご主人様の伝えたかったメッセージというモノが伝わりました。」

「ん?ムクロッちからのメッセージ?私は特に感じなかったけどレイは何を感じ取ったの??」

クーリアはレイにどんなメッセージを受け取ったのかを尋ねると・・・レイはムクロを見つめながら語り始めた――――――――


「それは・・・ご主人様は私の事を愛しておられると言う事です!!

ここまで私の大切なメイド服をズタズタにして・・・私の肌を剥き出しにさせようとした行為・・・そう!!つまりこれはご主人様の愛です!!!

私の白い肌を欲しがったご主人様の熱い――――――――」

「あ~もういいよ??聞いた私が馬鹿だった・・・・

でも・・・演技してる割にはいい戦いをしてなくない??」

「バカね・・・ヴァニスを見てみなさい。

あんなに撃ち込んで必死な顔をして・・・・攻撃が当たらないから焦っているのだと思うわ。

その一方でムクロは余裕な顔を浮かべながら回避と受け流しを決めてるなら猶の事ヴァニスは焦るでしょうね――――――――」

「はぁはぁ・・・どうして攻撃が全く当たらないの!?

それにあのムクロの顔・・・・どうにかして歪めれないかしら・・・・」

「どうしたんだ??攻撃はおしまいか??

だったら・・・次はこっちの番だ!!!ハァッ!!!!」

ムクロは考え込むヴァニスに突撃し、連続攻撃を繰り出して考える間も与えないようにしていた。


「あの様子だと、ご主人様がヴァニスを下すまで時間の問題でしょう。

が、ご主人様はいつまで演技をするおつもりなのでしょうか?

すぐにトドメを付けるべきだと思うのですが・・・・」

「きっと、攻撃のスキを突く練習とでも言うと思うわ。

本人は本気のPVPとか言いながらヴァニスの稽古をしている感じよね。」

「あ、ヴァニスが反撃をし始めたよ!!!

意外とヴァニスってガッツはあるよね~~ムクロッちと少しだけトレーニングしてたからかな??」

「さぁヴァニス・・・そっからどう反撃リベンジするんだ??」

「そ、そんなの・・・・一気にトドメに入ってやるだけよ!!!

―――――――――ブレイブスラッシュ!!!!」

ヴァニスはムクロの問いにスキルに力を込めて放つと・・・・ムクロの体にヒットし体力バーが少し減ったことに喜ぶが―――――――


「ど、どんなものよ!?私にだってやればでき・・・る・・・の・・・アレ??

私の体力が・・・減って―――――――」

「さっきの一閃したスキルの瞬間に・・・俺もスキルを発動したんだ。

そのダメージの入り方じゃ・・・ヴァニスはリタイア―――――――」

ムクロはヴァニスに勝負がついた風に話していると・・・ヴァニスは立てないはずの体を無理矢理立たせ・・・剣を握り直して呼吸を整えると。

ムクロに向かって最後の・・・勝負が終わる最後の最後までの時間を無駄にしないよう攻撃を続け――――――――


「まだ、私は完全に負けてないんだからね!!!!

―――――――――はぁぁぁぁ!!!!!」

「―――――――ぐぅッ・・・・あぁ・・・そうだな。

でも、コレで決着だ・・・本当に強くなったな・・・ヴァニス。」

「ムクロッちの体にヴァニスの剣がぶっ刺さっちゃるよ!?

アレって大丈夫なの!?すごい勢いでムクロッちの体力が減っちゃってるけど・・・・」

「えぇ、だって・・・ヴァニスの体力はすでに尽きているわ―――――

最後の最後まで戦い抜く様はムクロと同じモノを感じたわ・・・・

それに、諦めの悪さと粘り強さはムクロから完璧に引き継いでるわね。」

「そうですね・・・私もあそこまで粘れるかわかりませんが。

今回のヴァニスはすごく輝いていました。

まるで・・・ご主人様が2人いるように見えたほどです。」

レイ達は勝負に決着がついたのを確認すると・・・2人の元に集まり。

いい戦いだったと話し・・・ヴァニスはごろんと寝転がっていた。


「はぁ・・・最初から最後までずっと遊ばれていたような感じだったわ・・・

でも、どうしてムクロは私を瞬殺で倒さなかったの?

あの動きなら・・・私なんて一瞬だったでしょ?」

「そうだな・・・そうかもしれない。

ただ・・・俺は一方的な楽しくない戦いは好きじゃない。

ヴァニスと戦っていた最中に俺が手を抜いていたように見えていたのは・・・ヴァニスが力を発揮していない風に見えていたからだ。

だから俺もそのレベルに手を抜いたんだが・・・最後の最後でヴァニスの粘り強さとが見れて良かった。」

「あのがむしゃらな戦い方は紛れもなくムクロそ教えた諦めの悪さそのものだったものね。

それに・・・最後の散り際の方がイキイキしていたわよ?」

と、ムクロとのPVP4連戦は無事に終わり・・・ムクロも満足した所でホームに戻って休憩することになった―――――――――――

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