第274話 行方の分からいまま・・・・

――――――――――――――プライベートホーム


急いでユリハ達とホームに戻ると・・・ヴァニスがレイとお茶をして待っており、ソファーに座ってチャットで言っていたクエストの件について話しを聞こうとした時・・・・


「お帰りなさいませご主人様、ユリハ達も・・・先ほどヴァニスから聞いた話は少し時間がかかりそうなのでお茶を淹れてまいります。」

「あぁ・・ありがとう。

で、ヴァニス・・・チャットの件について話しを聞きたいんだが。」

「その前に、私は高貴にお茶を楽しんでいるの・・・ちょっとだけでいいから香りと味を楽しませてくれないかしら??」

「ヴァニスの高貴モード全開中だね・・・こりゃ、長いよ??

ん~その間に私は・・・レアドロップをBOXに預けてくるね~」

クーリアが部屋に戻ると・・・ユキシロやユリハ達も部屋に戻って素材の整理をすると言って戻り、ムクロも部屋に戻って整理をするためにヴァニスの後ろを通り過ぎる際にヴァニスはカップから口を離してニコッと笑っていた。


「よし・・・これでいいだろう。

――――――――みんな、待たせたな・・・って、ん?達は??」

「ご主人様・・・お茶を淹れて参りました。」

ムクロが部屋からリビングに戻ってくると、台所からレイが現れただけで・・・ユキシロやファムたちの賑やかな声もユリハやミストの声もなく。

呼び出した本人であるヴァニスも部屋におらずどこかに消えてしまっていた。


「おかしいですね・・・ユリハ達の部屋を調べてきましたがどこにもいませんでした。」

「ん~でも、ユリハやミストが一緒にいるんだ・・・チャットが来ないって事は無事な印なのかもしれないな。

よし、皆が戻ってくるまで俺はここで待つとしようかな・・・

久々にレイのお茶を楽しみながら・・・そうだ、久々にルミ子も呼んでみるか。

―――――――――お~い、ルミ子~一緒にお茶をしないか~~」

ムクロはどこかで聞いているであろうルミ子に語り掛けると・・・ルミ子は次元の穴から現れ、ムクロの頭上に乗っかっていた。


「変態マスター、レイのお茶がなければ無視していたのですが・・・

今回は特別にかまってあげます。」

「人の頭に乗っかっておいて随分な言い様だな。

レイ、すまないがルミ子の分のお茶を用意できるか??」

「ご主人様と姉さんの頼みは断れません。

しばしお待ちください。」

レイが台所にお茶を淹れに向かうと・・・ルミ子はレイがいなくなったことを確かめてからムクロの耳元で小さく話し始めた。


「変態マスターの脳とリンクし、質問から調べた結果をお伝えします。

現在ユリハ、ミスト、ファム、ユキシロ、場所でモブと戦闘を繰り返しております。」

「その場所を言わないって事は・・・重要な部分なんだろうな。

それにしても、皆が俺を誘わなかったわけ・・・ついに嫌われたか??」

いつもとは違う不意な考えにルミ子はくすくすと笑い・・・ムクロの頭に再び乗っかりながら頭をなでなでしながらこう話した。


「大丈夫ですよ変態マスター。

変態マスターはユリハ達に嫌われたりするはずが絶対にないです。

それに、クエスト先や内容等を伏せたのは・・・とても意味のある言葉や内容が含まれているためです。」

「そうか、ルミ子が言うんだったら本当なんだろうな。

わかった・・・ルミ子を信じて待つことにするよ。」

「何を2人で楽しそうに話しているんですか??

私も話に混ぜてください。」

レイはお茶を淹れてやって来ると・・・ルミ子用のカップを渡すと―――――


「ん~レイの淹れるお茶は本当に美味しい。

ありがとう・・・レイ。」

「どういたしまして、ご主人様や姉さんに喜んでもらえるのが私の生き甲斐ですから。

あと、これもどうぞ・・・先ほどご主人様たちが持って帰ってきたお菓子です。

お口に合うかわかりませんが。」

「ホラ、ルミ子・・・あ~んだ。」

ムクロはリスにエサを与えるように、ルミ子に焼き菓子を食べさせると・・・レイは羨ましそうにジッーーーーと見つめていた。


「変態マスター・・・私は小動物でもなければ誰かから餌をもらわないと生きていけない可哀そうな生き物ではありませんのでこれから先は大丈夫ですので。

そこで変態マスターの「あ~ん」を待っているレイにでもしてあげてはいかがです?」

「え?この太い麩菓子を口にか??大丈夫か??」

「大丈夫です!それくらい太いお菓子なら私の口で充分食べれます!!!

さぁどうぞ!!!あ~~ん」

レイはひな鳥のように口を開いて待っており・・・ムクロはルミ子に言われたお菓子を例の口に「あ~ん」をしてやると。

モシャモシャと勢いよく食べきって見せた。


「どうですかご主人様?私の口はアレくらいのお菓子は余裕なのです!!!」

「あはは・・・俺なら口に入らないと思うが。」

「えぇ、私も無理です・・・

この細長いのを必死に食べるのが精一杯です・・・もしゃもしゃもしゃ。」

両手で持ってモシャモシャとお菓子を食べるルミ子の姿にレイはニコッと笑い・・・お返しにとレイは皿からお菓子を手に取ってムクロの口元へと「あ~ん」をしようと近づけるが、大丈夫と断るムクロに対して拒否を拒否して食べるまで手をどけないという目で見つめるレイに仕方なくひと口かじると・・・レイは満足してニコニコとしていた。


「あとは、自分で食べれるから・・・あはは。」

「そうですか??最後まで食べさせたかったのですが・・・・ひと口でもあ~んができたので良しとしましょう。」

「そう、それは良かったわね。

それじゃ、私はこれで戻るとするわ・・・まだやる事が沢山あるから。

ではではごゆっくり~変態マスターと可愛いレイ。」

やる事があると言ってルミ子は次元の穴へと入って行き・・・レイとムクロの2人っきりの空間になり、無言のままお茶を飲んでいると――――――


「それにしても、レイの淹れたお茶は本当に美味しいな。

何杯でも飲めそうだ。」

「ありがとうございます・・・ご主人様。

私は元々メイドとしての能力はなかったのですが・・・ここまで喜んでもらえたのなら頑張って覚えた甲斐がありました。

料理はまだまだ知識は浅いですが・・・ユキシロやファムに味見をしてもらいながら日々練習もしていますので、後日・・・私の腕によりをかけた料理をご主人様に振舞いますのでお楽しみにしててください。」

レイにお茶を淹れてもらいながら色々と話し、ユリハ達の帰りを待っていると。

玄関から誰かが入ってくる音が聞こえ・・・リビングに現れたのは――――――


「ん?アレ??ムクロにレイ・・・珍しい組み合わせでお留守番??

で、ユリハ達はどこにいったの??」

「なんだ、か・・・そう言えばガンフィールドに行くって言ったきりだったな。

そういうアヤカはガンフィールドで何か収穫はあったのか??」

「珍しい組み合わせも何も・・・最高の組み合わせだと思いますが?」

アヤカはレイの発言に適当に返し、ガンフィールドであった出来事を話しだした・・・・


「でさ・・・私は新しいマガジンのテストをしてて・・・ついにコレが完成したのよ!!!その名も陽光充填機ソルエーテルマガジンよ。

これは完成と言ってもまだまだ改良の余地があるテストタイプの意味での完成よ。

で、テスターが欲しいから複製したこれをムクロにも1つ貸してあげるわ。

でも、いい??これは絶対に無くさない事と・・・他の誰にも言わないことが条件よ?イイ?約束できる??」

「あぁ・・・テスターの大体は口外しないテイでするものだからな。

アヤカの言った決まりを守って使わせてもらう。」

「これが光を吸ってエネルギーに変換して射出するのですか・・・・

アヤカの銃への愛が伝わる逸品でございますね。

もちろん私もこの件については口外も何も致しません。

ご安心くださいませ――――――」

レイはアヤカが注意する前に心得たていると言い聞かせ、アヤカの分のお茶を淹れてくると言ってそっとソファーから立ち上がって台所へと消えて行った―――――


―――――――――――――――プライベートホーム

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