第275話 フィールドでのいざこざ
―――――――――――――――プライベートホーム
アヤカはいつもいるユキシロやファムがいない事とユリハ達と喧嘩でもしたのかと不思議そうな顔をしながら尋ね・・・ムクロはどうしていなくなったのか不明であることと今どこにいるのかも不明であることをアヤカに話すと・・・
「それは困ったわね。
でも、あれだけ腕の立つ3人とユキシロにファムがいるんだから大丈夫でしょ。
それに、いざとなったらファムかユキシロがどんな手段を使ってでも戻って危険を知らせに帰るはずだしね。
――――――――――そうそう、こんな感じで・・・・って!?えぇぇ!?ユキシロ?」
「アヤカ!?ぬぅ・・・それよりも主殿は・・・あ!!主殿ォ~~良かったのじゃ~~これにはちょっと色々あってのぉ・・・その、話せば長いのじゃが。
要件を言うとじゃな、ボスを倒した後に現れたプレイヤーとひと悶着起りそうなのじゃ!!はぁはぁ・・・」
「わかった・・・俺が止めに行けばいいんだな。
アヤカは俺が出かけることをレイに伝えてくれ。
あと俺が帰って来なかったらキャレットに俺のいる場所を探すように伝えてくれ。」
アヤカに言伝を頼み、ユキシロに道を案内してもらいながらとあるフィールドに向かうと・・・
「おいおい、だからそれは俺たちが狩ろうとしてたボスだぜ?
勝手に狩りやがって・・・お前たちギルドに所属してんのか??
してなくてもこの落とし前はどうつけてくれるんだ??あぁん??」
「そんなことを言われても。
私たちは私たちのプレイで倒しました。
貴方達にとやかく言われることではないと思います。」
「何だと!?この女プレイヤー・・・言わせておけばいい気になりやがって・・・」
「ボコっちゃいましょうぜ?リーダー・・・
こういう女はしつけねぇとな。
先輩プレイヤーとして教えれるところは教えておかねぇと・・・・」
「ユリハに触るな!!相手ならば私がしよう・・・何人でもかかって来るがいい。」
「ミスト、この状況でキルはマズイ。
正式なPVPで決着を付けないとムクロみたいに街に戻れなくなるわ。
それに、私たちは街に戻る必要がある・・・だからこんなヤツらに構ってる時間も惜しいのよ。」
「なんだとぉ!?こいつら言わせておけば・・・・もぅ我慢ならねぇ!
お前達を全員ぶっ倒してやんゼ!!!」
「主殿ぉ~相当揉めているようなのじゃ!!
早く収集して欲しいのじゃ!!!」
「あぁ・・・・ユリハ、それにみんな・・・話は後でゆっくり聞かせてもらう。
だが、その前にお前たちはどこの誰なんだ??」
ムクロがユリハ達の前に現れ、仲裁に入ると・・・男の1人がムクロの胸倉を掴んで怒鳴り始めた。
「あぁん!?出しゃばってんじゃねぇよガキ!!お前、ここはゲームだからカッコつけても大丈夫とか思ってるバカだろ??
お前みたいなガキはすぐにPKされて消えるのがオチだ・・・さっさと帰んな。」
「街に戻って上級者に寄生してクエストに行ってればいいんだよ!!
お前みたいなガキはな!!!ぎゃはははは。」
「くッ・・・・もぅ我慢できない!!!
――――――――――ムクロ君ッ!?どいてよ!!私、もぅ我慢できないよ!!!あんなに好きなこと言わせといていいの!?」
「大丈夫だ、ユリハ。
俺に任せて下がっていてくれ。
――――――――俺がお前たち全員と戦って勝ったらどうする??
この件を水に流してくれるのか??」
「あぁん!?誰にモノ言ってんだ??そんなのお前の提案できる立場だと・・・・・」
「あぁ・・・お前が俺たち全員と戦って勝てなのならこの件は無かったことにしてやるよ。
だが、お前が負けりゃ・・・そこの女は俺たちが好きなようにさせてもらうぜ??いいな??」
連中のリーダーが指定してきた提案に乗ると・・・6人を相手にPVPの設定をすると、すぐに戦いが始まろうとしていた。
「主殿ぉ・・・面倒なことに巻き込んで本当に申し訳ないのじゃ・・・・アタイたちがもっとしっかりしていたら――――――」
「いや、ユキシロたちはただクエストをプレイしていただけなのなら何も恥じることはない・・・
それに、コレに勝てば問題ないんだ。
だから安心して待っていてくれ。」
「元はと言えば私が・・・私がみんなを誘わなければ・・・・」
「ううん、ヴァニスちゃんのせいじゃないよ・・・私たちが・・・ムクロ君に黙ってきちゃったからこんなことに・・・本当にごめんなさい。」
「ユリハだけが謝る事じゃないわ・・・
それにヴァニスも悪くないわ・・・最終的に強行したのは私なの。
だから、ムクロ・・・怒るのなら私にしていいから、ユリハ達を怒ったり注意しないであげてくれないかしら。」
「それなら私も罪を共に償おう・・・いや、エリ・・・皆で償おう。
私たちはヴァニスや誰か1人だけに背負わせたりはしない。」
「そうだよ!それに・・・ムクロがこれからあの悪い人たちを払いのけてくれるんでしょ??だったら・・・私たちはムクロを応援しないとだよ?」
ファムがそう言うと・・・男たちは笑いながらムクロを囲みだし。
6人を同時に相手にするとどうなるかを見せつけるかのように一斉に剣をムクロに突き刺した。
「コイツ・・・どうして逃げなかったんだ!?
6人分の攻撃だぞ!?それにダメージがあまり入って・・・・・・」
「グハッ!・・・・・な、何が起こって・・・・
なッ!?俺の腕がぁぁぁあぁぁぁ!?!?」
「ぐあぁぁぁぁ足をやられたぁぁぁ!!!あのクソガキ!!!!」
「おい・・・・あのガキはどこだ!!!探せ!!!見つけ次第、ブッコロセ!!!」
男達はムクロに剣を突き刺し、致命傷を与えたはずが・・・6人のうち2人は両腕と足を失って戦闘続行不能になり、さらにムクロの姿がどこかしらに消えていた。
「あのクソガキ・・・まさか、隠密が使えるのか??
おい、お前ら、俺を囲んで陣形をと――――――――――」
「ぐあぁぁぁあぁぁぁ!!!!」
「な、何が起こってやがる!?たかがガキの一匹に何を苦戦して・・・・ぐはッ!?一体どこから・・・・ぐあぁ・・・ぐふッ!?こんのぉぉぉぉふざけやがって!!!!
―――――――――デュアルブレイク!!!!」
「勘はいいみたいだな・・・・だが、既に残りは3人・・・お前たちに勝機はあるのか??」
「そういうヤツから消えるって・・・俺は言っただろ??
チェックだ・・・・・」
ムクロの隠密が解けた瞬間・・・背後から相手リーダーの不意打ちによる攻撃がヒットしようとした瞬間、ムクロは剣で攻撃を弾くと。
リーダーはスっと姿を消していた。
「お前はリーダの能力には絶対に勝てねぇんだよ!!!
そこで大人しく消えてればいいものの・・・・
これからはもっと苦しくなるぞ!!!ぎゃはははは!!!!がはッ!?
なんだ・・・コレ!?
―――――――――ダガーだと!?ぐはッ・・・・・」
「悪いが、アンタは先に消えていてくれないか???
―――――――――うるさいんだ・・・・」
「ヒュークールにダガーでよく狙えるな・・・だが、俺の攻撃を見切ることはできんぞ・・・・」
「お前なんぞ俺がキルしてやる・・・・ぜ・・・・ガハッ・・・・・」
切りかかってくる男の攻撃を回避しながら連続で切りつけ・・・体力バーを消滅させると。
残るは姿の見えないリーダーの1人だけとなっていた。
「ほぅ・・・ガキの割には良くやる・・・あの血の気の多いあいつらよりも使えそうだ・・・おい、ガキ。
お前・・・俺の右腕にならねぇか???
右腕になれば、そこの女どもなんぞどうだっていいんだ・・・
ただ、お前のように強いヤツが欲しいだけだ・・・どうだ??」
「アンタのような自分勝手に好き放題するヤツを何人も見てきたが・・・アンタも含めて全員大したことないな。」
ムクロの言葉にカチンと来たのか・・・リーダーの男は怒りに身を任せて大声でムクロの背後を狙って剣を振るが――――――――
「そう来ると思っていた・・・俺の目の前に出る勇気もないだろうってな。
だから・・・アンタは大したことないんだ――――――
―――――――――――――ブレイブダンス!!!」
「ぐあぁぁ・・・・ぐ・・・ぐはッ・・・・ぐはは・・・クソが・・・こんなガキに・・・6人全員やられたのか・・・クソが―――――――」
リーダーの体力バーは消滅し・・・体も消滅すると、PVPモードが終わり。
リーダと相手側6名からアイテムが選べる権利を得たが。
すべてキャンセルし・・・ユリハ達の元に向かって行った。
―――――――――――――クリムゾンケイブ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます