第260話 捜査完了後の一撃

――――――――――――――廃墟エリア:廃墟街


複数人の男たちは一斉にムクロを狙って攻撃を繰り出したが・・・プレイの差と言うべきか熟練度の違いというべきか・・・ちょっと量の多い程度のプレイヤー達では歯が立たず、数分も撃ち合う事が出来ないまま全滅していた。


「なんとまぁ・・・改造アイテムを売ったはいいが、ザコとバカに売っても価値はやはりないな。

どうだ?お前達・・・俺の元に来る気はないか???お前たちにならタダでやってもいいんだが・・・どうだ??」

「結構だ・・・・そんなを使っても自分の強さにはつながらない。

ただ、自分をよく見せようとする裸の王様となんら変わらないぜ?」

「フン、さっきまで人の尻を触っていた人が良く言う・・・・でも、私もその通りだと数ミリくらいは同情してあげる。

それじゃ・・・ケリをつけましょ??」

そう言うと・・・レンブは目を閉じて剣を鞘にしまい、無防備な状態になっていた。

この状態のレンブを見ると、スキだらけで攻撃がどこからでも入ると思えるが・・・ムクロから見れば、死角がほぼゼロという絶対の領域を作り出していた。

そんなこともおかまいなしに男は剣を両手に握ってレンブの綺麗な頭と首筋を狙って剣を振るうが・・・・


「遅い・・・1ザン・・・2ザン・・・3閃斬ゼンギり!!!」

「ぐ・・・・あぁぁ・・・間合いは・・・俺の方が・・・早かったハズ・・・バカ・・・な―――――――」

「スゲェ早斬りだな・・・・――――――――で、何のつもりだ??これは?」

男達が落とした改造アイテムを回収していると、レンブは剣をムクロの頬に当てて・・・一撃の勝負をしないかと提案してきた。


「勝負は簡単だ・・・どちらかに攻撃を一撃入れたものが勝利だ。

あと、そうだな・・・私に勝てたら今日のお前がした無礼を水に流そう・・・どうだ?」

「嫌だと言っても襲い掛かられそうだし・・・いいぜ、その提案に乗ってやる。」

話が決まると・・・互いに間合いを取って剣を構えるが、レンブは先ほどの剣を鞘にしまった状態で受け身の構えを取っており・・・ムクロはどこから仕掛けるか迷いながら覚悟を決めて攻撃に出た。


「やはり・・・先ほどのヤツらよりも早い・・・だけど、私の剣の前では無力!!!お前の負けだァ!!!!!」

「――――――――――ハイ、残念・・・斬ったと思ってるソレはさっきのだ。

斬ることにばっかり集中してるから本物かどうか相手を見失うんだ・・・要注意だな。

それじゃ、俺の勝ちって言う事で・・・本部に帰ろうぜ?なぁ??おいどうした?」

レンブは見事なまでにムクロだと思い込んでスーツを斬り裂き、その後はレンブの背後をムクロが取り・・・ムクロはレンブの綺麗な首元に剣を突き付けたがを入れるのではなく頭をポンポンと叩くのを一撃とカウントしたのか、勝負はレンブの惨敗となったのだが・・・・


「この戦いは真剣勝負だぞ!!!一撃をあのような軽いモノとは私が女だからとか舐めているのか!?それとも私の逆恨みが怖いからあえてそうしたのかどっちなんだ貴様!!!答えろ!!!さぁ、早く!!!」

「わかったから剣を下ろせよ・・・・そうだな、だと・・・・話す間もなく勝負は終わっていたって言ったらどうする??」

ムクロの発言にレンブはそこまでの技量差があるとは思わないと言う口ぶりで話し・・・ムクロは仕方ないと、もう一度だけ再戦をすることにした。


「よし、死なない程度にやるから・・・・レンブのタイミングで仕掛けてきてくれ。」

「フン、本当にやれるもんならやって見なさい・・・返り討ちにしてコイのエサにしてあげるわ――――――

それじゃ、お言葉通りに行かせてもら―――――――――――イヅッ!?あがッ!?!?なッ!?何が起こっ!?!?」

レンブが加速してムクロに向かった瞬間・・・クイックシフトでレンブの足に腕、首筋と斬り落とさずにかすり傷程度に切り裂いていた。


「これでレンブは腕と足、首が無くなってるが状態なわけだが・・・まだ足りないか??」

「お前は一体・・・チートをしているわけでも改造も何も・・・なのにどうしてこんなにも強いんだ・・・」

レンブは体の傷跡をなぞりながら的確に急所を外している所を見て、目の前のムクロの強さが本物と確信すると・・・負けを認め、今日の件を水に流し・・・改造アイテムを回収して本部に戻った。


「ただいま戻りました・・・先輩、これが例の回収したステルススーツですが・・・戦闘によって切り裂かれておりますが気にしないでください。」

「そうかい・・・で、どうだった??????

ムクロ君、鬼のように強かったでしょ???まぁ、鬼と言ってもいいよね~あの強さなら。」

「俺は別に・・・ただこのゲームを結構遊んでいるだけであって・・・・ただの平凡な人間だ。

と・・・それじゃ、俺はこのままホームに帰らせてもらうが・・・大丈夫だろ?」

2人に帰ってもいいかと尋ねると・・・レンブとキャレットはコクリと頷くと、ムクロは駆け出してホームに帰って行った。


「私が体感したの感じは・・・もはやとの対戦では敵なしと言ってもいいのではないかというレベルでした。

それに・・・自分の未熟さも痛感しました・・・・」

「そっか・・・レンブにそこまで言わせるなんてねぇ~~本格的に私たちのココに入れちゃうとかどうかな???」

キャレットの提案にレンブは少し苦い顔を浮かべ・・・2人はラボに消えて行き、ムクロはと言うと帰るはずだった時刻から大幅に遅れ・・・やっとの思いでホームに帰ると―――――――


「た、ただいまぁ・・・・・アハハ・・・みんな・・・すごい顔だけど大丈夫か??」

「お帰りなさいませご主人様。

私は断じて怒ってはおりません・・・ただ、寂しさを感じていましたが。」

「主殿・・・少しだけしか離れておらなんだだけじゃがレイレイはそれはもぉ大変だったのじゃ・・・」

「そうだよ・・・だからレイにはちゃんと謝った方がいいよ??私たちはその後でいいから・・・・あと、怖いのがそこに3人いるけど・・・・」

「行けって言ったのは私たちだけどさぁ???ムクロッち??ねぇ??ちゃんと連絡入れてくれないと困るじゃん???すっごく退屈だったんだからね!?ねぇ、聞いてる???」

「そうだぞ・・・ムクロ、私たちの忍耐力もそこまでいいものではない・・・・つまりだ、私たちも銃をもって突入しようかと思っていたくらいだ!!!」

「アハハ・・・でも、無事に帰って来てくれてよかった・・・で、どうだった?アヤカの様子と銃を使った感想はは?」

1人が口を開けばユリハやミストたちも雪崩のように話だし・・・いつものホームに戻ってきたという感じでソファーに座ってみんなの話を聞きながらゆっくりとお茶を飲みながらガンフィールドで起こった事や体験したことを話していると・・・・


「ただいまぁ~~ん~久々の我が家って感じね。」

「アヤカ!!お帰り!!!ムクロ君も帰ってきてて・・・ガンフィールドであったことを話してくれてたんだよ。」

「うむうむ、ガンフィールドのホットドッグにバーガーとは・・・すごく興味があるのじゃ。」

「だね!!すっごく美味しそうな匂いがするよね!!」

「2人はまた食べる事ですか???本当に食い意地のはった天使と駄犬ですね。

どうぞ、ご主人様にアヤカ、お茶が入りました。」

「で・・・2人にはのか??ん??

隠し事に秘密にしている事とか。」

「ちょこっと怪しさがあるよねぇ~2人も微妙に距離が近くなったって言う感じだし??それに・・・2人でいた時間が長かったからね!!!だって私たち・・・帰りの寄り道の際でもムクロッちは先に帰っちゃうし・・・・本当に何もなかったの!?ねぇ!?」

「だ、大丈夫だって・・・俺を信じられないのか?俺は今まで・・・そうだな・・・そこまで酷いウソをついた覚えはないと思うんだが・・・ユリハはどう思う??」

ユリハに尋ねるが、ユリハはう~んと考え込み・・・少しだけならと信じてくれてのだが、クーリアやミストたちは未だに信じていないと言ったジト目でムクロを見ていると・・・遅れてログインして来たのかエリエントが玄関からやってきた。


―――――――――――――プライベートホーム

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