第248話 アップデート完了!!

――――――――――――――商店街


メールの差出人は彩花で、今回のアップデートによって追加されるロシアサーバーの上位PVPプレイヤーに彩花の知り合いがいるとかで・・・個人的に会いに行くと言って今日はOFFでよろしくという内容であった。


「へぇ~彩花さんにそんなプレイヤーがいたんだ・・・・でも、それってつまり・・・ロシアの人ってことかな??」

「それは安直すぎるだろうな・・・何せ、移住した場合もその地に合わせたサービスを受けるのがグロリアのプレイ条件だ・・・つまり、日本人だが父か母の出張で移住してあちらでプレイしていたという考えがしっくりくる答えだろう。

だが、彩花さんのこともあるからこれ以上の詮索は良そう。」

「そうだね・・・あと、悠一君ごめんね・・・なんだか問い詰めるようなことしちゃって・・・」

由里は手をチョンチョンとさせながら謝り、秘密にしてくれればと言って許し・・・彩花に対して単純に「了解」と、だけ書いてメールを返すと・・・今日は由里達もグロリアを徹底的に楽しむと言って用事を済ませるといい商店街で解散した。


そして、姉さんと家に帰ると・・・俺はすぐに自分の部屋のPCからロシアサーバーのモブの出現ポイントや日本サーバーにいないモブの検索を時間のある限り調べ上げて頭に叩き込んでいると――――――――


「悠ちゃん~お風呂ができたから入っちゃって~~」

「あいよ・・・・よし、データもあらかた見覚えたし風呂にでも入るか。」

ロシアの情報をあらかた覚えると、すぐに風呂に入ったのはいいがロシアサーバーについて考えていると・・・いつもより長い風呂になってしまい、風呂から上がると台所でお風呂のセットをもって待っていた姉さんがいた。


「長いお風呂だったわね・・・ん~悠ちゃん考え事しながらお風呂入ってたでしょ?こういう長いお風呂の時はだいたいそうだから・・・・」

「あぁ・・ごめん、ついついロシアサーバの事とかアップデートの事を考えててだな・・・・」

理由を話すと、姉さんはクスクスと笑い。

最後に注意だけして風呂場に向かって行った。


姉さんを見送り、部屋の戻ると・・・アップデートが来ていないか更新を行うと予想が的中してアップデートパッチの更新が始まり、耀子達とのチャットに更新ができる連絡を送ると・・・耀子はすでに更新完了済みとチャットが返り、由里たちはこれからすると言ってチャット返ってきた。


「ん~今回のアップデート完了後のサーバー解放は18時を予定か・・・まぁそうだよなぁ・・・きっちりいくアップデートはそうそうないよな。

ここは、ゴロゴロして待っておくか・・・・」

と、ブロッサムに表示しているグロリアの更新バーを見ながら公式ホームページを読み漁っていると・・・公式内のプレイヤー掲示板にロシアについての記事が大量に書き込まれており、その中で目を引く記事を見つけ・・・記事を読むと――――


「―――――独特な攻撃方法とどんな武器でも両手に持つ戦闘スタイル・・・・

ロシアにはこんなプレイヤーもいるのか!!本当に日本とは違っていて面白そうだな・・・・あぁ~手合わせしたいもんだ――――――」

「悠ちゃん、晩御飯ができたから一緒に食べない?」

トントンと部屋をノックしてやってきた姉さんは晩御飯ができたことを知らせ、俺は断ることなく姉さんと夕食を食べながらさっきまで読んでいた記事のプレイヤーについて話すと・・・姉さんも興味を持ったのかワクワクした顔をしていた。


「日本のプレイヤーと違ったセンス?というモノかしら?

あちらにはあちらにしかないものがあるというのかしら・・・でも、そういうプレイヤーたちと戦えるのは新しい自分を見つけられると思うから私もぜひ戦ってみたいわね。」

「あぁ、でもプレイヤー名も写真もないから出会えたらって感じだな。

ん~それにしても姉さんのご飯は美味しいな・・・・」

そして、夕食を済ませると・・・俺は部屋に戻り時計を見てみると17時56分を指しており、もうすぐでグロリアにログインができると思うと・・・グロリアが始まった時のようにワクワクしていた。


「ここから、また・・・大きな始まりリベンジだな・・・」

「決めているところ申し訳ありません・・・・」

と、しみじみ黄昏ながら口走った言葉をルミ子に聞かれており・・・・少し恥ずかしく思いながらルミ子にどうかしたのかと尋ねると――――――


「いえ、私からではなく女神様からの言伝です。

―――――――今回のアップデートによって移動領域が書拡張され、ロシアサーバーに移動が可能と言う事は知っていると思うのですが・・・このロシアサーバーにもいくつかの不具合と謎のエラーモンスターが現れると言った事例があると言う事を先に伝えておきます。

不具合と謎のエラーモンスターについての所在と原因は掴めていませんがエラーモンスターによってキルされたプレイヤーは日本のモノとは違い、いつものようにゲームオーバーになると特に問題は出ていないという報告ですが、そのエラーモンスターに対して攻撃等やスペルでの一切のダメージ判定と状態異常にならないという不思議な守りに護られているという情報があるだけです。

不具合というのはサーバー側の問題なのか故意に行われている問題なのかは別として、の空間への移動やの空間に移動といった原因不明の対処ができていない不具合の存在があると言う事。

この上記の問題がいつ起こるかわからないと言う事を肝に銘じてロシアで楽しんでください。

――――――――――とのことです・・・・女神様本人が話す方が手っ取り早いと思うのですが文句は言えないのが天使の定めです。

あと、最後にこんなことも言っていました・・・・

それらのを解決するかしないかは自由です・・・と。

長い話をしましたが・・・女神に伝えることなどありますですか?

あと、たまには私も外に出してくれるとありがたいのですが??」

「あぁ、それは悪かったな・・・ずっと情報検索にしか使ってなかったしな・・・・悪い。

女神にはこう伝えてくれないか・・・「直面すれば対処する・・・」ってな。」

ルミ子は頭をぺこりと下げて次元の穴へと消え・・・時計を見ると18時を過ぎており、長い話にやられたと思いながら急いでログインした。


グロリアにログインすると・・・・ロシアのプレイヤーらしき格好のプレイヤーから近くでPVPをしているモノ好きまでが始まりの都に集まっており、まずはユリハ達と約束した通りにホームに移動して待つことにしたのだが―――――


「お帰りなさいませご主人様・・・ご主人様お1人ですか?」

「ん?クーリアたちは来ていないのか?おかしいな・・・あのクーリアがスタートダッシュに乗り遅れるはずがないと思うんだが――――――」

「ん?主殿、クーリアならアイテム屋の競売に参加していたのじゃ。」

「うんうん、でね・・・はい!!!ロシアの名物らしいシベリアとかいう食べ物が出店で売ってたから買って来たよ!!!はむはむ・・・甘い!!」

レイと玄関先で話しているとユキシロとレイがクーリアの情報と共にシベリアやら食べ物を買って帰ってくると・・・リビングで戻ってくるのを待っていると・・・


「あら、ムクロだけのようだけど・・・クーリアがいないのね・・・珍しい。」

「よう、クーリアはだ・・・何でもアイテムの競売に参加しているとかで・・・・あはは・・・」

「それにしても、ロシアプレイヤーとでも簡単に話せるようになるこの世界はとても便利ですね。

言葉の壁が無いとは――――――」

レイが不思議そうに感じるのも無理もなく、グロリアは全世界対応の言語プログラムが組み込まれており・・・相手側の会話の言語から自分の国の言語に自動翻訳し、声も相手の声のまま自国の言語で再生され・・・話ができるという大変便利な機能をブロッサムが出た時期と同じように組み込まれていると言う事を長々とレイ達に話すと・・・レイは理解できていたが、途中からわからないと投げだしたユキシロとファムはシベリアをハムハムと食べていた。


「それにしてもロシアからの客が多いのもあるけど・・・そんなに珍しいモノがこの日本にあるのかしら?」

「そうだな・・・きっとこれがじゃないか?

ロシアと日本の記念スタンプラリーとかいうイベントが開かれているらしい。」

「運営側は何でもイベントにしますね。

どうぞ、お茶が入りました――――――」

「アタイたちは寒い場所にも慣れておるから行くのであれば重宝すると思うのじゃ!!!と、言うよりも主殿・・・散歩も日課に組み込んでくれるとありがたいのじゃ~~」

「それじゃ、私がユキシロを散歩してあげ―――――――――――」

ファムが代わりに散歩をするというと・・・ユキシロは耳をシュンとさせながら拒否し、ファムはお山座りをして寂しさをアピールしていると、ユリハやミストたちがホームにやってきた。


―――――――――――――――プライベートホーム

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