第214話 特訓特訓特訓!!!
―――――――――――――――天空遺跡:大空洞
ミストは自分の使う剣を地面に刺していき・・・どれも使いこまれてボロボロで、一際綺麗いに使われた剣が俺の目に留まって、その剣の事について尋ねると・・・
「あぁ、この剣は・・・私にとっての思い出の剣だからな・・・アビリティも何もないからただの飾りだが、とても大切なモノなんだ。
で、ムクロ・・・私の特訓は、もっと強く、もっともっと反応とスピードを上げたいと思っているのだが、可能か??」
「ミストのステータスはこれ以上上がらないとなると・・・反応と対応を駆使してスピードに反映させる技量を鍛えるべきだな。
光速化もあるからあとはミスト自身の判断力と言うところだろう。
そうだな、実演して見せるから・・・光速して俺に攻撃を仕掛けてみてくれ。」
と、言ってミストに背を向けて攻撃を待つと・・・ミストは大剣を地面から引き抜き、光速状態から一気に加速して鋭い一撃を叩き込んだのだが――――――
「なッ!?あの状態から・・・・避けた・・・だとッ!?
は、はははは!!!見事だ!!本当にムクロにはいつもいつも驚かされっぱなしだな!!!一体何をしたんだ??スキルでも使ったのか??」
「いや、ただ・・・ミストが来るだろうなって言う・・・感じと刃が空気を裂く感覚が伝わってきたからかな???」
ミストに攻撃を避けた時に感じた事を伝えると・・・フムと言って考え、頭で整理できない事はやってみる・・・と言うミストの考えでいきなり剣での実践ではなく、その辺に転がっている石ころで感覚を鋭くさせる練習から入ることとなった。
「さぁ、ムクロ!!!この私に石ころをじゃんじゃんと投げつけてくるがいい!!!
相手は私だ!!!遠慮することなく全力で撃って来るがいい!!!」
「あ、あぁ・・・わかった。
でも、この感覚を研ぎ澄ますのは簡単じゃないから無理だと思ったら違う方法を考えような――――――」
と、言いつつ・・・石ころをミストの背中に向けて投げつけると・・・避ける暇もなくドスっと鈍い音を立ててミストの背中に強打した。
「ぐぁ・・・ぐぐぅ・・・・まさかこんなにも痛いとは思わなかった・・・・
だが、ムクロの一撃だと考えると・・・むしろ――――――」
「ミスト・・・最後の方に何か言わなかったか???」
ミストが最後の方に言った言葉を尋ねるが・・・ミストは何も言っていないと言って話そうとせず、俺は再びミストへ石ころを投げつけた。
「あいたっ!?ムクロ!!!頭を狙うのは反則だろう!!!
こ、これでも姉さんなんだぞ!?もう少し下の方を狙ってくれないか??」
「ご、ごめん・・・でもそれじゃ頭の方を狙った攻撃の対処ができないんじゃ・・・・」
そう言うとミストはできるだけ頭を狙わないようにと恥ずかしそうに言い・・・もう一度石ころをミストへ向かって投げつけた。
「見えたッ!!!!そこだッ!!!あいたッ!?
―――――も、もう一度だッ!!!!」
ミストのガッツは凄まじく・・・何度も何度も石ころを体に受けても折れることなく・・・かれこれ20発は体に石ころを浴びてミストの背が傷まみれになっていた。
「どうしてだ・・・どうして感覚が身につかないんだ・・・・」
「ミスト、少し休憩してだな――――――」
俺の提案をミストは却下し・・・再び石ころを投げるように言い付けるが、俺は石ころを投げずミストの方へ向かって傷の手当てを始めると――――――
「うおッ!?なんだこの爆裂音!?」
「ムクロ、原因はアレじゃないか???
あの壁の方で煙が上がっているが・・・・一体―――――」
急に壁が爆発と共に崩れ、その中からユリハとクーリアがケホケホと咽ながら逃げてきた。
「ムクロ君・・・何とか私流にこの剣が付けるようになったかもしれないよ・・・・ケホケホ。」
「私も考えに考えて複数のパターンを壁に試してたらすごい爆発が起こっちゃって・・・・ユリハと一緒に逃げて来たんだ・・・・ケホケホ。」
「どおりで2人とも砂ぼこりで頭が白くなっていたわけだ・・・・
でも、2人の成果を見る前に今はミストの特訓があるからまた後でだな。
よし・・・これで完璧だ。」
「あぁ・・・助かった。
―――――それじゃ、続きを頼む!!!」
ミストは再び定位置に立って・・・背を向け、その背中へと石ころを投げ込むと・・・
「フンッ!!!!どうだ!?」
「あぁ、見事に返した・・・・ケド―――――」
「うぅぅぅう~痛いよぉ・・・・うぅぅ・・・」
「く、クーリア大丈夫!?ほら、見せて・・・・」
ミストは見事に石ころを弾き返したのは良かったのだが・・・その先にクーリアがいて、見事と言うべきか・・・クーリアの頭にヒットしていた。
「その、クーリア・・・大丈夫か??
ユリハ・・・この回復薬で手当てしてやってくれ。」
「うん、わかった・・・」
「何であたしばっかり・・・・イテテ、ユリハ・・・もう少し優しく・・・」
「クーリア、本当にすまない・・・ワザとではないのだが、見えていないどこに飛ぶか不明だから離れていた方がいい。」
ミストも近づいて謝罪をしてから位置に戻り・・・今度は実際に剣で対応できるか試すこととなり、ミストの気合がさらに高まっていた。
「それじゃ、行くぞ・・・・・・・・・・
――――――――――――――ハァッ!!!!」
「まだだ・・・・まだ・・・・・
―――――――――――そこだッ!!!!」
「す、すごい・・・手で剣を掴んじゃったよ!!!」
「うん・・・ミストもどんどん強くなっていってるね。
私ももっともっと強くならなくっちゃ!!ね?クーリア。」
クーリアとミストのシラハドリを見て2人は何か胸の中で熱くなるのを感じ・・・もっと自分にできる鍛錬をしようと誓っていると――――――
「きゃぁぁぁ!?みんな~~~タスケテ~~~~~」
「のわぁぁぁぁ!?!?!?主殿ぉ~~~逃げるのじゃァ~~~」
「2人とも・・・ど、どうした・・・・なッ!?あれは・・・・」
「えぇ~~デッカぁ!?って2人ともアレどうしたの!?!?!?」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ!!!早く逃げない・・・・と!?
ミ、ミスト!?それにレイちゃんも!?何でオーバートールジャイアントに向かって・・・・危ないよッ!!!逃げて!!!」
「せっかくの・・・ムクロとの手取り足取りの邪魔をしおってからに・・・・
お前は絶対に許さんぞ!!!!」
「同感でございますミスト・・・・この後はさらに私がご主人様とくんずほぐれつ手取り足取り腰取りする予定が――――――
剛腕装甲で畳みかけます!!!」
ミストとレイは怒りを抑えきれず・・・巨大なジャイアントに対して対峙し・・・ジャイアントの巨大な腕のパンチをレイが受け止め・・・その腕を走ってミストはジャイアントの顔に重い一撃を与え、攻撃が緩んだ際にレイは剛腕装甲でリズミカルにラッシュを繰り出し――――――
トドメの一撃と・・・レイとミストのコンボで見事にオーバートールジャイアントの体力を削り切って消滅させた。
「2人ともいい動きだった。
レイもパンチにキレがあったし・・・ミストも感覚に鋭さを感じたぜ。」
「そうだろうそうだろう!!!
わっはっはっは!!!それもこれもムクロのおかげだ・・・ありがとう。」
「そうでございます。
それもこれもご主人様が私たちをここまで導いた賜物・・・さすがはご主人様でございます。」
「それにしても・・・レイレイとミストの2人であの大きなノッポを倒すとは・・・アタイたちも主殿に特訓してもらわねばのぉ~~」
「そうだね~私もこの槍をもっと使いこなしたいから・・・ちゃんとしっかりと教えてね??」
「だってさぁ~ムクロッち~モテモテだねぇ~~いよぉ~このモテ男ぉ~」
「ムクロ君・・・・で、デレデレしないの!!!まったく・・・目を放せばすぐこうなんだから―――――」
ユリハは腕を組んでプンプンしながら・・・俺の両手にぶら下がるユキシロとファムを見ていた――――――――
―――――――――――――――天空遺跡:大空洞
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