第212話 行動開始

――――――――――――――天空城


やって来た方向へ歩んでいると・・・背後から度々視線を感じると振り返り確かめるが、そこには何もいる様には見えず・・・・再び歩きながらユリハ達に話しかけると―――――


「やはりご主人様も感じておられましたか??

そうです、私たちの背後に何者かが付いてきております・・・・きっと最初見かけた機械のケモノでしょう。」

「でも、私たちの隠密状態は完全遮断状態のはずだけど・・・・・」

「だが、ユリハ・・・にはいくつか目以外のセンサーがあるとは思わないか??」

その一言にユリハは何かを閃いたかのように立ち止まり、答えた。


「あ、そうか!!!匂いとか音で見分けているんだね!!」

「そう言う事だ!!!だから、ここからはレイ、ユリハ!!!全速力で走り抜けるぞ!!!」

「了解です、ご主人様・・・ですが、あのメカワンワンも感ずいたのかモノすごいスピードで追撃してきます・・・次に振り返ればと考えて走り続けてくださいませ。」

レイの言い方に猶予がないと感じると・・・俺たちは自分たちの持てる最大速度で走り抜け、機械犬の攻撃が俺たちに届くか届かないの誤差で俺たちは次元を超えて地上へと落下していた――――――――


「きゃッ!?勢いよく飛び出しちゃったけどこれってマズくない!?」

「そうだな、だが・・・こういう場面も考えてレイを連れて来たんだ・・・

レイ、手筈てはず通りに頼む。」

「了解しました。

それでは剛腕装甲で失礼します。」

と、言って・・・レイは剛腕装甲で3人を守るように丸くガードしながら地面に激突した。


「イタタタ・・・2人とも大丈夫か??んん!?レイ!!苦しい!」

「ご主人様・・・お怪我はありませんか??計算ではもう少し軽く済む予定でしたが想定以上の衝撃で私自身も驚いております。

ユリハは大丈夫ですか??」

「あいたたた・・・ん~~何とか私は大丈夫だよ・・・ムクロ君が受け止めててくれたから。」

レイに抱き着かれてから体のあちこちにケガはないか調べられ・・・問題がないとわかると俺たちは地上に出て轟音の元にやってきたユキシロと合流してホームに戻り、天空城の作りやレヴァンの隠していた真実と言ったを事細かく伝えると・・・ファムは最後のレヴァンの言っていた言葉に涙があふれていた。


「ご、ごめん・・こんな時に・・・ちょっと懐かしさと寂しさで涙が―――――」

「いや、こういう時だからこそファムは泣いて吐き出していいんだ。

ホラ、私の部屋に行こう。」

「ミスト、ファムを頼んだ・・・」

と、言うとミストはコクリと頷いてファムを部屋に連れて行くと・・・残った俺達はこれから先に待っている天世界の連中と闘うための作戦を考えながら組織の連中にどうやってこの事を信じてもらうかを考える事となったのだが。


「ムクロ、こういうのは嘘偽りなくすべてを話すことが一番よ。

でも、天世界の情報を得た場合・・・話さなくてはいけないとも言われてないから伝えずに私たちだけで動くのも1つの手だけれど・・・ムクロはどうしたいの???」

「俺はこのことを話して協力してもらおうと思う。

国のバックアップがあれば大抵の事はできるだろうし・・・それに、今回の相手側には現実で天世界を操っているヒトがいるんだ・・・最悪の事態を考えるとどうしても大きな力が必要になるからな。」

「そうですね、私たちはこの世界から攻撃ができたとしても現実のヒト相手には何のダメージも効果もないですからね。

それに、国の連中が今回のケースを違法と認め・・・そのモノを拘束すれば大きな被害を出さずに済みますね。」

「そうじゃの・・・このグロリアで無益な戦闘はしたくないのじゃ・・・・」

「そうだね、だから皆で協力してグロリアを・・・私たちのこの世界を守ろう。」

「ユリハはいつもマジメだね・・・でも、今回は真面目に私も協力するよ。

だって、素性もわからないヤツに私がムクロにリベンジする場を奪われるわけにはいかないから・・・・な、何で皆は私の方を見てるの!?と、当然でしょ!?うぅぅ・・・・わ、わかったわよ!!みんなとの思い出があるからよ!!どう?これでいい!?」

「アヤカはハジメと違って素直じゃないのじゃ~~~慣れと言うのは怖いモノじゃのぉ~~」

「でも1つ質問なんだけど・・・天世界の話とか今回の話はある程度は理解したけど・・・私がいても大丈夫なワケ??

私は最近復帰したばかりだし・・・足手まといにならないかな?」

ヴァネッサの一言に、俺は技量を上げるための戦闘スケジュールを組むと言い・・・ヴァネッサや今のままでは不安に感じている者に手取り足取り教えると言うと、レイやユリハもスケジュールを組んで欲しいと俺にぐいぐいと迫ってきた。


「ふ、2人とも・・・落ち着いてソファーに座るのじゃ・・・そのままでは主殿が話せないのじゃ。」

「あはは・・・ごめん・・・つい―――――」

「私としたことが・・・では、ご主人様続きをどうぞ。」

「あ、あぁ・・・スケジュールは俺が即席で作って一斉に開始するから問題はない・・・・後はレイと初めて行ったのルートで天世界に行けるのか確かめる必要があると言う事だけだ。」

「そうね、私は行った事が無いのだけれど・・・砂漠を超えた先の地下にあるのだったわね・・・それじゃ、私はルートの完全な確保でもしようかしら。

あと、コレは私一人で行ってくるわ・・・ムクロはみんなの育成をお願いね。」

と、エリは言うだけ言って・・・俺の注意も適当に聞きながら装備を用意をして出かけて行った。


「ねぇ、ムクロ君・・・天世界へのルートを教えてたとしてソロでも行けるものなの??」

「そうだな・・・エリ程モブに精通したプレイヤーはいないと思うが・・・あの辺のモブは何だか異常だったから少しだけ不安だな。」

「そうですね・・・私も油断をして大変な目にあいましたが、ご主人様の熱い介抱のおかげで何とかなりましたが・・・・油断は決してしない事をオススメする場所ではありますね。」

「アタイはその地下しか知らぬのでのぉ・・・地上の砂漠付近はどうあれ地下は寒くて大小問わずの色々なモブがわんさかとお祭りの騒ぎだったのじゃ。」

レイのパワーワードにユリハがギロっと睨むが・・・今はそれどころじゃないと言う流れで、アヤカが後を追うと言ってホームから飛び出して行った。


「アヤカも行ってくれたことだ・・・コレで少しは安心だな。

何かあれば2人の場合俺に連絡が来るだろが・・・あの2人はある意味たくましいから安心だ。」

「そう・・だね、でも何かあったら心配だからチャットにちゃんと連絡をするようにだけチャットを入れておくね。」

ユリハがそう言って文字を打っている間に俺は本部に得た情報を話しに行くと言って再び本部に向かい・・・店主にキャレットを呼ぶように伝えると、奥に続く部屋が開きラボに入るとキャレットがコーヒーを飲んでいた。


「おかえり、で・・・どうだった?噂の天空城は??

何か面白い情報とかあったの???」

「あぁ・・・キャレットがにかかっているがな。」

キャレットの質問に俺は答えるように天空城での出来事やこれから起ころうとしている事を話すと・・・キャレットはコーヒーをテーブルに置いて真面目な顔をして話し始めた。


「で・・・証拠もなしに君たちの話を信じて国が動くと思う???」

「そう言うだろうと思った・・・まぁけど。

だが、情報交換した仲だから言っておきたかったんだ・・・それじゃ。

でやる。」

そう言ってラボから出ようとした時―――――――


「ちょっとお待ち・・・私たち全員は動くことができない・・・だけど少人数なら動かすことは可能よ。

私たちは君たちの味方・・・それに、情報交換した仲なんでしょ??

少しは任せてくれてもいいんじゃない??」

「あぁ、助かる・・・それじゃ、キャレットたちは現実で外部ツールを使って天世界を動かしているヤツを見つけて捕まえてくれないか???

外部ツールか特殊な器具を使ったプレイは禁止されてるから捕まえて情報を探ればすぐに何をしようとしているかわかるはずだ。

それじゃ、互いに気合入れてやろうぜ―――――」

そう言って互いにグーでガッツを入れ合い・・・俺はホームへと戻り訓練を希望する人数を聞いたのだが―――――――――――――


――――――――――――プライベートホーム

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