第211話 真の計画と正体
――――――――――――――――爆心地の花園
休憩を始めて数分後・・・・ユキシロの尻尾がビンッと反応し、雨宿りしている場所から駆け出して天空城が見えそうな位置を探していると――――――
「あ、主殿ぉ!!!あった!!!天空城があったのじゃぁ!!!!」
「これが・・・ユキシロの言ってた天空城・・・か―――――」
「これは・・・グロリアの外壁(次元)が一時的に崩れた部分から見えた
「うん・・・でも、どうやってあそこまで移動するの???
――――――――え?ムクロ君!?レイちゃん!?剛腕装甲で何をする気な・・・って!?まさか!?!?」
空には次元の穴から写り込む天空城があり・・・距離は通常では届くはずのない距離であったが、レイの剛腕装甲の力があれば造作もない事であった。
そして、まず・・・俺が剛腕装甲に掴まれ、城に向かって投げ込まれると・・・
次元の穴を超えて天空城の内部に入ることができた。
その事を確認したうえで剛腕装甲に乗ってユリハとレイも同じように飛んで同じポイントに落ちてきた。
「わぁ!?ムクロ君危ない!?」
「え!?ぐはぁ・・・・」
「ご主人様~あぶな~~い・・・ふんッ。」
声が聞こえ、聞こえた方向を見ると俺はユリハに押しつぶされ・・・次にレイの声が聞こえたと思えばレイは強烈な踏みつけを俺に捻じ込んだ。
「ご主人様・・・つい反射的にヒールの部分で踏んでしまいましたがお怪我などはありませんか??」
「えっと、その・・・ムクロ君大丈夫!?」
「いいから、2人とも・・・・そこからどいてくれ・・・さすがに2人に乗られていると重い―――――」
お約束な状態に2人はさっと立ち上がり、2人は俺の腕を取って立ち上がらせ・・・天空城の中を見ると人の気配やモブの気配などが感じられず無人のような気がしたのだが・・・・・
「2人とも、静かに・・・・何だアレ??」
「なッ!?あれって・・・機械獣??」
「そう考えるのが妥当なメカメカしいフォルムですね・・・・それに牙や目の配置を考えますと攻撃的なモデルだと考えられます。」
レイの詳しい説明を聞きながらそのメカメカしい機械犬が立ち去るのを見てから隠密状態になるスキルを発動して内部の調査を開始した。
「なんだかグロリアと違った作りの建物だね。
それに、壁には読めない文字が書いてあったり・・・・何だろ・・コレ。」
「この文字は私のデータにもヒットしないところから考えますと・・・他の世界の文字、または造文字・・・それともただの模様に過ぎないのでしょうか??
ですが、この文字の配列から推察すると何かしらの魔法陣と考えるのが一番納得する形ですね・・・・何せ光って丸い円を描く書き方なので――――――」
「そうだな、建物の作りもあの場所の感じがする・・・それにこの文字・・・何だか奇妙だな―――――」
そっと謎の文字に触れた瞬間・・・・壁の文字が光り輝き奥に通じる道が開いた。
「ご主人様・・・コレは一体??」
「ムクロ君一体何をしたの!?」
「いや、ただ触っただけで・・・もしかして、
俺はレヴァンから受け取った遺品を取り出すと・・・形状が変わっており、四角いキューブ上になり・・・青く輝いていた。
そして、そのキューブが俺たちをどこかへ案内するように奥へ奥へと案内し・・・・部屋の前の扉の
「すごい・・・これ全部・・・何かの書物って感じだけど―――――」
「そうですね、ですがやはりこの文字はどれも解読できないものばかり・・・・何か少しでも手掛かりがあればいいのですが――――――
こうしていても仕方ないので手分けして探しましょう。」
「そうだな・・・俺は隣の部屋を探してみるからユリハは誰かが入ってこないか注意して、レイはこの部屋をくまなく探してくれ。」
そう言って役割を決めて行動し・・・ユリハが扉の側から外に意識を飛ばしながら集中し、レイは剛腕装甲を器用に使って隠し通路がないか本棚を動かして確認し・・・・俺は隣の部屋に入り、先ず目に映ったのはファムとレヴァンの写った写真が飾ってあり・・・・他を調べてみると、古いレコーダーらしきものを見つけユリハ達を呼んで再生してみると――――――
「ザザ・・・・―――――――これを再生していると言う事は私の身に何かが起こったか緊急事態・・・または天世界の異変が起こっていると言うこと――――
この声を聴いている君たちに創造主の真実を伝えよう・・・・
この天世界を作り、隔離し、研究し、探求し、捻じ曲げたモノが創造主・・・つまりニンゲンだ・・・・私は創造主の間で直に話を聞いたがこのことを話せば天世界は大きく乱れると知った私は公表せず自らの心の中にしまっておこうと決意したのだが―――――――
最近私は創造主の行動に疑念を抱き、我が身1つで忠誠するフリをして行動を探るとある真実が見えてきた・・・その真実とは、この天世界の作られた目的が他の世界への侵攻を行いスベテを奪取するというもの・・・・
即ち、現実と仮想の世界すべてのありとあらゆる権限を得ると言う事であった。
ただ、これを聞いている君たちに私が協力できるのはここまでだ・・・だからここから先は君たちが選んだ正しい道を決断して行動して欲しい――――――
そして、もし・・・私の最愛の妹・・・ファムに出会う事があればこう伝えて欲しい。
――――――――――お前の翼は自由の元にある!そして、その槍はファムと共に全てを導く光となる・・・・・と。
―――――――――――――――――――――ザザ・・・・・・・・・」
「こんなこと・・・こんなことがこの天世界で行われようとしてたなんて・・・・」
「そして、私たちは真の計画を知ってしまった・・・ここまで聞いて引き下がる事なんてできますでしょうか??」
「そうだな・・・俺達には想像もつかない事が起こっているのは事実だ・・・
だが、ここで真実を残したレヴァンの為にも俺たちがこの計画を阻止する必要があるな・・・・だから――――――」
この大規模な計画を知った俺は・・・2人に協力を頼もうとした瞬間・・・・
「いいよ・・・私はいつだってムクロ君に協力するよ!!!
だって、こんなにも楽しい世界をそんなことのために使われるのは許せないから。」
「私はいつでもどこでもご主人様のお傍に・・・
と、言っても私はこの腕で相手をひねり潰すことくらいしかできませんが、ご主人様が「ついて来い」と命令するのであれば私は地獄だろうと天世界だろうとどこへでもご主人様の腕となり足となり翼となりましょう。」
「はは、2人とも頼もしいな・・・・そんじゃ、これ持ってホームでまた作戦会議だな。」
と、レコーダーをもって部屋から出ようとするが・・・
「アレ??ちょっと2人とも待ってくれないか???」
「どうしたのムクロ君??」
「どうしてそこから出てこないのですか??
早くホームに・・・・もしかして、安全装置が働いているのではないでしょうか?」
と、レイに説明を聞き・・・レコーダーを元の位置に戻すと部屋から出ることができた。
「きっと情報の漏洩を防ぐために仕掛けてあった装置でしょう。
だからこの真実を誰も未だに知らず、伝えるための証拠がない事で真実を受け入れるモノは本当に信頼できる者のみと言う事になるのでしょうね。」
「その点、私たち3人が情報の共有をしたからきっと大丈夫だよね・・・・」
「あぁ、それにファムだったら最後の言葉を伝えると信じてくれると思う。」
こうして、証拠品の持ち出しができなかったが・・・真実をファムたちに伝えるため、やってきた場所まで戻っていると・・・背後からあの視線を感じた―――――
――――――――――――――天空城
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