第190話 初めての鍋パーティー
――――――――――――――森林フィールド
そして、ハシャとの戦闘で荒れた場所を避け・・・木の実集めのクエストを再開すると・・・夜の暗さが増し、木の実が見え辛くなってきたことで・・・クエストをクリアして、今度は湖で釣りをして魚を納品するサブクエストに挑戦することとなったのだが・・・・
「もう・・・全然釣れないじゃないの!高貴な私をこんなところで釣りをさせるムクロもどうかしてるわよ!?
魚なんて買ってきて納品すればいいじゃない!!!」
「それはなんかクエスト的に違う気が・・・ねぇ、ムクロ君?」
「木の実取りでもそうだが・・・こういったクエストは待つ時間を楽しむクエストなんだ。
ヴァニスは・・・釣りとか嫌いか?」
俺の質問に対して、ヴァニスは唸り声を上げながら首を横に振って釣りを再開すると・・・・
「あ、ねぇねぇ!!ムクロ君!!ちょっと!!なんかヒットしたみたいなんだけど!?コレどうすればいいの!?」
「ユリハの竿がすごくしなってる!!!きっとすっごい大物よ!!!
私も負けられないわ!!!」
「ユリハ落ち着いてリールを回すんだ・・・
―――――――そうそう、いい調子・・・」
俺はユリハの竿を持ちながら一緒にリールを回すと・・・糸の先にいる獲物が見えると・・・大きく飛び跳ねた。
「うわぁ~~すっごい・・・で・・・何なの?あの魚?」
「私もよくわからなかったけど・・・・ムクロ君はあの魚知ってる?」
「いや、俺もあまり釣りはしてないからどんな魚かまでは釣りあげてみないとわからないな。」
俺とユリハは糸を切らないように注意しながら魚を引き寄せ・・・網で魚をすくい上げると・・・
「これってリアルにいる深海魚のアレよね??」
「あぁ・・・間違いなくアレだな・・・図鑑にもそう書いてあるし・・・」
「うん・・・でも、どうして海水でもない湖に巨大なアンコウが・・・・」
俺たちは網の中で暴れまわるアンコウを見ながら考えていると・・・
「フムフム、これは珍しい・・・・まさしくアンコウですね。
それもこんなに脂の乗ったアンコウは珍しいですよ、変態マスター」
「ルミ子か・・・来てくれたついでにと言ったら何だが・・・どうしてこの湖にアンコウがいるのか情報あるか?」
「ルミ子ちゃん久しぶりだね、元気にしてた?」
「ムクロって・・・妖精に何て呼ばれてたの?
―――――ヘンタイとか聞こえたのだけれど・・・・」
ヴァニスたちに軽く挨拶を済ませたルミ子は、なぜアンコウが湖に生息しているのかという質問に対して回答し始めた。
「コホン、ではまず湖に住む魚の説明から・・・この湖に生息する魚は海水から淡水・・・と、ありとあらゆる水に住まう魚が生息する摩訶不思議な湖です。
なぜ、すべての魚が共存できているのかは不明ですが・・・魚釣りの好きな女神でもいたのでしょうか・・・きっと思い付きで作った釣り堀と言っても問題ないでしょう。
で、このアンコウはいかがなさいましょうか?」
「そうだな・・・ユリハ、コレって食べたら美味しい魚なのか?」
「うん、とっても美味しい魚だよ。
これだけ大きいアンコウだと・・・ん~皆でお鍋とかどうかな?」
「お、お鍋料理!?私の家では鍋で食べる料理なんて出てこなかったからすごく気になるわ!!!アンコウは食べたことあるけど・・・・」
俺はユリハ達の意見を聞き・・・アンコウを持ち帰って、みんなで鍋を食べることになったのだが・・・・
「では、私はこのアンコウを持ち帰り、レイに鍋の準備をするよう・・・秘密裏に行いますので―――――――あぷッ!?」
「あ・・・・ルミ子がアンコウに食べられちゃったよ!?」
「丸のみになったけど・・・ムクロ君これ、助けないとマズいんじゃ・・・」
「そうだな、でも・・・もう少しだけ様子を見てみよう。」
そう言うと、アンコウの口がくぱぁと開き・・・中からべとべとになったルミ子が息を切らしながら這い出してきた・・・
「変態マスター・・・このアンコウはすごく生きがいいので今回は不覚を取りましたが・・・・私は平気ですので安心して――――――わぷッ!?」
「その、なんだ・・・ルミ子・・・任せたから―――――」
「え、ちょっと・・・ムクロ君!?いいの・・・かな?」
「その・・・ルミ子・・・ガンバッテ!!あなたの高貴なオーラに期待してるから!!」
俺たちはアンコウをルミ子に任せ、釣り道具をしまい・・・サブクエストをキャンセルしてホームへと戻ることにした。
そして、手土産のアンコウが無事に届くことを祈りながらポータルで都に移動し、鍋の具材をユリハ達と食材コーナーで買い揃えてホームに帰ると・・・・
「やっと帰ってきたな・・・ヴァニスまで巻き込んで・・・まったく・・・」
「えっと、その・・・ただいまぁ~~あはは・・・」
「そ、そんな事より今日はいいモノが手に入ったんだ!!!
――――――で・・・その良いモノは現在ルミ子が輸送中だ・・・・」
「そうね、その良いモノも私の高貴なオーラに導かれたこと・・・あぁ・・高貴な私の・・・つ・・み・・・・」
「ほら、3人とも玄関でカカシみたいに突っ立ってないで中に入ったらどうなの?」
中に入るとレイはルミ子から話を聞いているのか・・・テーブルを出して宴会用に片付けていた。
「レイ、ルミ子から何をやるか話は聞いているか?」
「存じ上げております。
ですが、肝心の姉が帰ってきてないのですが・・・・」
と、レイが心配していると・・・インターホンが鳴り、ユリハが出ると・・・そこにはべっとりとしたルミ子が飛んでいた。
「運ぶのがやや面倒だったので次元の穴に押し込んで持ってきました・・・・
――――――――あれから数回・・・あんな目に合うとは思いもしませんでした・・・」
「あはは・・・ルミ子ちゃんお疲れ様、それじゃ・・・べたべただし一緒にお風呂に入ろっか。」
そう言って、ユリハはヴァニスの腕も引っ張っり・・・3人でお風呂場に向かって行くと・・・・
「ご主人様、どうして姉さんがぬめぬめのべとべとになっているのでしょうか?
もしや、ユリハとヴァニス・・・それに姉さんと3人であんなことやこんなことをしたのでしょうか?」
「レイ、それはミストたちの前で言うんじゃないぞ?
大体の原因はレイの発言がトリガーになってる場合が多いんだからな・・・・
その、そう言う事を言わないって約束できるなら・・・新しい本をまた買ってくるんだが・・・どうだ?」
俺がそう提案すると、レイは真面目な顔にして2つ返事で即答し・・・俺たちの買ってきた鍋の具材の盛り付けに台所に向かっていくと・・・俺は宴会用のコタツテーブルに座ると・・・
「ねぇねぇ・・・ムクロッちィ~今ぁ~ユリハ達はお風呂だけど覗きに行ったりしないのぉ??
――――――きっと3人ともすべすべな肌で・・・髪が濡れて・・・・あいたッ!?」
「おい、ムクロに変な妄想を吹き込むんじゃない!!!
まったく・・・目を話すとすぐにこうだ・・・」
「何をしておるのじゃ~それにしても今回は鍋とは・・・風流じゃのぉ~~」
「ふうりゅう?えぇっと・・・風の
「ファム、そうじゃないわ・・・でも、鍋をみんなで囲んで食べるのは面白い事ね。
私もグロリアをプレイしてこんな体験をしたのは初めてよ。」
「私なんて未だに初心者マークついてるって言うのに・・・早く取れないかなぁ~このマーク・・・まるで運転免許をとって間もない気分よ。」
と、アヤカたちもぞろぞろと俺の周りに集まり・・・コタツに入ってぬくぬくしていると、ユリハ達がお風呂から上がり・・・私服に着替えてやってきたのだが・・・・・
「ね、ねぇ・・・ユリハ、この服・・・なんだかその・・・一部分がスースーするのだけれど・・・これってユリハの私服なのよね?」
「そうだけど・・・気に入らなかった・・・かな?」
「変態マスター・・・私は少しくたびれたので少し休憩がてら戻りますので・・・」
ルミ子は例のアイテムを台所に運ぶと次元の穴に消えて行き・・・ヴァニスの発言によりユリハは指をチョンチョンとさせてしょんぼりしており、それを見たヴァニスはやけくそに言い放った。
「あぁ~もぅ!!わかったから!!えっと・・・このデザインも好きだからこれでいいわよ!まったく・・・」
「そう?・・・それなら、よかったよ。」
「あ~2人もそんなところにいないでこっちに来いよ・・・あったかいぞ。」
2人はコタツに入ると・・・台所からレイが綺麗に盛り付けた皿をドンッとテーブルに並べ、果実酒やお酒も出揃い・・・最後に主役である例のモノが来るのを待つばかりとなっていた―――――――――
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