第184話 第3のルート
――――――――――――迷宮フィールド
リィの回復スペルで傷の回復をし終えると・・・ロロもついでと傷を見せると、リィはロロの傷にも治癒のスペルをかけて回復させると、俺は辺りを見渡し・・・・クエストのクリア条件のモブがグレゴリと言う事でミストが近くにいないかと探したが、近くにミストの気配も影もなく・・・またミスト探しの手掛かりが無くなってしまい、さらに奥へと進むことになった。
「ムクロさんの探している方って、ムクロさんのフレンドか何かですか?
あ、その・・・話せなかったらいいんですけど、気になっちゃって。」
「リィってば・・・ずっとこの調子でさ~少し話してやってくれないかな!?
―――――リィ!?やめて、痛い!!」
「あはは・・・2人は本当に仲がいいな。
さっきの質問だが・・・そうだな、ミストは俺の仲間だ・・・大切な・・・・でも、この状を作ったのは俺で、ちょっとした不注意でこうなったわけだから・・・ちゃんと話がしたくて探しているんだ。」
2人は俺の話を真剣に聞くと・・・ロロは俺がした不注意について質問し始めた。
「ムクロのした不注意って・・・その、ミストが隠してたプリンでも食べたりしたの?それとも何かマズイ秘密を知っちゃったとか?」
「お姉ちゃん・・・そんな聞き方をしたらダメだよ。
―――――――ごめんなさい、ムクロさん・・・お姉ちゃんが変なこと聞いちゃって。」
「いや構わない、それに・・・内容が気になるのもわかるから・・・だが、この内容は話すことはできないんだ――――――すまない・・・だが、これだけは言える・・・俺が悪かった・・・ただそれだけだ。」
俺の完璧な答えのない返答にロロは「ふ~ん」と言いながら歩き始め・・・分かれ道をどっちに進むかと尋ねてきた。
「この先からはミストの気配は感じられないな・・・きっと隠密系のスキルを使って行動しているんだと思うが・・・ここから先は隠密だとしても見破るイービルストーカーが出るからミストが狙われてなかったら良いんだが・・・」
「へぇ~そんなモブなんているんだ~~私たち
「でも、ムクロさんと一緒なら心強いです!!
何が来ても戦えそうで・・・あと、この別れ道はどちらに進みますか?」
俺は多数決で移動する道を決めることにして・・・決をとると、結果は右の道になり・・・俺たちは右の通路を進みながら雑魚のモブを倒して先へと向かい・・・
「あ、あの・・・そろそろ休憩にでもしませんか?
あの大きなグレゴリと戦ってから休憩なしでしたから・・・・
あと・・・私、お茶を水筒に入れてきているので・・・よかったらどうですか?」
「あ~そうだね、私もそろそろ疲れちったから・・・休もうかな。
ムクロも、少しは休憩した方がいいよ?人探しも出口探しもなるようになるし・・・ね?」
「それもそうだな、2人の好意に甘えるとするかな。」
リィの提案で俺たちは安全そうな場所にシートを敷いて、お茶を飲み始めた・・・・
「ズズズ~~~ぷはぁ~~お茶が体に染みるぅ~~~」
「お姉ちゃん・・・まだまだ若いんだからそんな飲み方しないでよ~~」
「あはは・・・だが、本当に美味しいな・・・このお茶・・・この味は初めてだが・・・グロリアのお茶なのか?」
俺はリィにお茶の事について尋ねると・・・リィはこのお茶を自分でブレンドしたと言って・・・お茶の原料である茶葉を見せてくれた。
「この葉とこの葉を混ぜて作ったのが、今飲んでるお茶で・・・相性がすごく良くて何杯でも飲めちゃうんですよ~
――――――ムクロさん、おかわりはいかがですか?」
「私は欲しいからちょうだい!」
「へぇ・・・お茶って、こんな作り方もあったんだな・・・勉強になった。
――――――ん~それじゃ、俺ももう1杯いただくとするかな。」
俺はリィにステンレス製のコップを渡すと・・・リィはニコニコしながらお茶を淹れ・・・俺に手渡してマップを見始めた。
「はい、どうぞ―――――で・・・・これからムクロさんはどっちのルートで進むのですか?
分かれ道があって、どちらが安全なルートなのかわからないので・・・
それとも、また多数決で進むのですか??」
「いや、ここから先の分かれ道は両方が罠に通じるルートなんだ。」
「え?それなら・・・どこに正しいルートが???私たちここでオワリなわけ??」
俺のルートの説明にロロはどうするのかと俺に尋ねると・・・俺は2人にマップを見せて、どこを進むのか指をさすと・・・
「ムクロさん・・・そこって、道がないのですが・・・」
「それってそれって・・・隠しルートが存在するって事なの??そうなのよね!?」
「よくわかったな。
そう、ロロが言った通り・・・この分かれ道の間には目には見えない隠し通路があって、ここからのルートを進むとモブは出現するが・・・モブの質が比較的に低い特別なルートと言ってもいい。」
俺はルートの説明をすると・・・リィとロロはそのルートを通って行くことに賛成し・・・お茶のセットを片付けて、さっそく出発した。
「ムクロさん、これが言っていた分かれ道の真ん中の場所ですよね?
ここを攻撃すれば道が開くんですよね?」
「あぁ・・・ここを攻撃すると道が開いて第3のルートが出現する。
だが・・・最近の噂ではここに現れる幽霊のモブが出るっていう噂なんだ・・・・」
「そ・・・そんな怖い・・・ううん、怖くはないけど・・・なんで初めに言ってくれないんだよ~で、でも・・・リィにもムクロにもこれ以上私の恥を見せる訳にもいかないし・・・ぬぅぅ・・・えぇい!!!仕方ない!!こうなったらヤケだ!!!えいやぁッ!!!」
ロロは変な汗をかきながら壁に向かって攻撃すると・・・壁は大きく崩れ落ち、巨大な入り口が現れ・・・奥へと続く道は不思議な雰囲気を漂わせていた。
そして、俺たちは巨大な入り口の中に入り・・・移動を開始した。
「本当にムクロさんの言った通りでしたね、ね?お姉ちゃん。」
「そうだけど・・・なんだかこの道・・・本当に薄気味悪いわね・・・」
「だが、巨大なモブと出会う確率が低いからどのルートよりも安全なのは確かだ。」
ロロは不安な顔をしながら最後尾を歩いていると・・・天井からの水滴が当たったのか・・・ロロが驚きながら騒いでいた。
「さっき天井から・・・べちょって何か・・・気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!!!
早くここを抜け出そ!!!」
「あ、お姉ちゃん・・・待って、そんなに早く行くと転んで擦りむいちゃうよ!!」
「おいおい・・・天井の水滴って・・・コイツか・・・・
――――――リィ、ロロ!!頭上に注意するんだ!!天井にスレイバッドがいるぞ!!」
俺が注意をすると同時に天井にいたスレイバッドが飛び出し・・・ロロに向かって攻撃を繰り出していた。
「ぐッ!!このッ!!!
―――――――このコウモリ・・・すっごく早い!!
リィ!!行動制限のスペルをよろしく!!」
「う、うん!!!
―――――――――スピードディレイ!!」
「いいぞ・・・このままみんなで畳みかけるぞ!!」
俺たちは地上に落ちたスレイバッドに向けて連携攻撃を始め・・・なんとかスレイバッドを消滅させ・・・さらに奥へと歩いて行くと・・・奥に何か光るものを見つけた。
「ムクロさん!!この光るキノコは何ですか?」
「それはライトマッシュだな・・・手に持つとライト代わりになるキノコで、ダンジョンや暗闇の深い場所でも重宝するキノコだ。」
「へぇ~~便利なのはいいんだけどさぁ・・・コレ喰えんの?」
ロロは光るキノコを匂いながら俺に質問をしてきたが・・・このキノコはどう見ても食用ではない事から俺は食べれないと言うと・・・ロロは少し考えてからひと口だけライトマッシュを食べた―――――――――――――
―――――――――――――迷宮フィールド
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます