第183話 グレゴリとの戦闘

――――――――――――迷宮フィールド


2人と合流すると・・・2人は俺を警戒しながらジロジロ見て、どうしてあの状況で助けたのかと俺に質問してきた。


「そうだな・・・俺はミストって言うプレイヤーを探しに迷宮フィールドココに来たんだが・・・・道中で悲鳴が聞こえたから向かってみたらあの状況だったからな・・・それに、2人が困っていた様子だったから俺は助けたんだが・・・余計だったか?」

「そう・・・私たちが弱ったところを狙った追剥プレイヤーじゃないのね。

それだったら礼を言わないとね・・・あんがとね。」

「さ、先程は・・・助けてくださって・・・あ、ありがとうございます!!!

私たち・・・双子でプレイしている、私が妹のリィでこっちが姉のロロって言います・・・・その・・・ムクロさん?でいいのかな?」

リィは指を顎に当てながら俺に尋ねると・・・俺は頷き、2人がここに何をしに来たのか尋ねてみると・・・・


「その・・・お姉ちゃんはオバケとか嫌いなのに迷宮フィールドを冒険をしようって言って・・・さっきのガイコツのモンスターと出会ったとたんに泣き叫んじゃって・・・・あのように・・・」

「わ、私はべつに・・・怖く・・・ないもん。

―――――――泣いてもないもん・・・」

「あ、ロロの後ろが光っているぞ・・・・」

俺はロロが怖くないのか試すと・・・ロロは叫びながら俺の後ろに隠れ・・・リィは見えないようにクスクスと笑い、それを見たロロは俺の背中を強打した。


「いててて・・・悪かった。

――――――ロロは怖いモノが苦手なんだな。」

「苦手じゃないし・・・ちょっとキモいというか・・・アレなだけだし・・・・」

「と、言うわけで・・・私たちは特にやることもなくて・・・道に迷っていたのですが・・・良ければムクロさんの人探しをしながら出口かポータルのある場所までの間・・・協力しませんか?」

リィの提案に俺は賛成すると・・・ロロは仕方ないと言ってPTと組むと、安全地帯からさらに奥に続く道を歩き始めると、リィが話し始めた。


「ムクロさんって・・・お強いんですね。

―――――――あの、ガイコツもズババっと倒しちゃって・・・すごいです。」

「あのくらい・・・私だってやれるんだからね!!

―――――たまたま今回は戦う気がなかっただけで・・・・」

「2人とも・・・話はここまでだ・・・グレゴリヤツだ。」

俺は目の前の大きな箱に不用意に近づかないように2人に言うが、ロロは宝箱と勘違いして近づいて行ってしまい・・・グレゴリが目覚め、手や足・・・それに巨大な牙を生やし・・・大きな鳴き声を上げた。


――――――――――Guaaaaaaaaaaaaaa!!!!!


「ムクロさん・・・何アレ・・・それより、お姉ちゃん!!!危ないからそこから離れて!!!」

「あ、あわわわわ・・・・腰が抜けて、立てない・・・・助けて―――――――」

「まぁあんなの見たらそうなるか・・・よし、リィはここから俺の合図があるまで攻撃せずに待機しててくれ、それじゃ頼んだぜ!!!

――――――――クイックシフト!!!」

俺はロロを助けに駆け出すと、グレゴリはロロを標的にスペルを発動し・・・爆炎はロロに向かって放たれた・・・・


「うわぁ~~~ダメだァ~~燃えちゃう!?」

「―――――――――ロロ!!頭を下げろ!!」

爆炎がロロを襲う直前で移動が間に合い・・・ロロが頭を下げたタイミングで俺はスキルを発動して爆炎を切り裂き・・・攻撃を無事に回避した。


――――――――Guaaaaaaaaaaaaaa!?


「ふぁ・・・・あ、あんがと・・・助かったよ。」

「それはいいんだが・・・これからグレゴリコイツと戦うことになるが・・・・一緒に戦えそうか?」

俺はロロに尋ねると・・・ロロはゆっくりと頷き、武器を持って立ち上がった。


「お姉ちゃん!!!モブが動き出したよ!!!わわっ!?こっちくるなぁ!!!」

「リィ、少し待ってなさい!!!

――――――で、ムクロ・・・その、自分で蒔いた種なんだけど・・・リィを助けに行くから手伝って!!」

「あぁ、わかった・・・・攻撃開始だ!!!」

ロロを助けた瞬間、グレゴリは攻撃目標をリィに変更して・・・手を器用に使いながらリィに攻撃を繰り出し、俺とロロは後ろからグレゴリを攻撃するために駆け出した。


―――――――――Guaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!


「きゃぁ!!!ムクロさ~~ん!!お姉ちゃ~~~~ん!!!早く助けて~~~」

「あと少し・・・・よし、いくぜッ!!!

―――――――――ストライクスライサーーーーー!!!」

「いい技を持ってるな!

それじゃ・・・俺も!!!

―――――――ブレイブダンス!!!!」

リィが助けを呼びながら逃げまわり、グレゴリが止まってリィに向けて攻撃を仕掛ける時を狙い背後を2人でスキルを叩き込むと・・・グレゴリの体にヒビが入り地面に崩れるように倒れた。


「―――――――や、やったのですか??」

「まだだよ!!!動かない間にこっちにきなよ!!!」

「体力バーがまだ2本ほど残っているな・・・この場合だと、が発動するかもしれないな。」

リィがこちらに移動してくると・・・地面に倒れ込んだグレゴリの上部のひび割れた箱から布に巻かれた本体が箱の中から飛び出し、襲い掛かってきた。


―――――――――――Guaaaaaaaaaa!!!!!!!


「こ、こっちにくるなぁ!!!!

―――――――――フリーズランス!!!」

「うぇ・・・全然スペルが効いていないわよ!?」

「あぁ、あの姿はあらゆるスペルに対して態勢が付与されてるんだ・・・

だから、ここからはのみで戦う必要がある!!

―――――――ハァッ!!!!」

俺はグロリアの巨大な腕から繰り出される一撃を剣で弾き・・・腕を切りつけながら腕に乗り、剣を走らせ・・・・グレゴリは残った片方の腕で俺を捕まえようと掴みかかるが、俺はその腕の攻撃も弾き返し・・・地面に戻った。


「うぉ~すっげぇ・・・・ムクロってマジ何者なんだ!?」

「ほぇ~あの巨大なモンスターと互角以上に渡り合っているのです!!」

「2人とも、もう少し後ろに下がっていてくれないか?

――――――――――そろそろ範囲攻撃が来るぞ!!!」

グレゴリの体力バーが残り黄色バーのみになった途端・・・グレゴリの体から黒い渦が巻き起こり、俺やロロ達に向け辺り一面を砕くスキルを発動してきた。


「あんなの喰らったら終わりだよ!!早く、その角に隠れるよ!!!」

「で、でも・・・ムクロさんがまだ・・・ムクロさんも早く!!!」

「俺は大丈夫だ・・・2人は隠れててくれ。」

俺はそう言うと、黒い渦に飛び込み・・・グレゴリを目指して走り抜けると、攻撃を多少受けた俺を狙ってグレゴリは巨大な腕で攻撃を繰り出していた。


――――――――――Guaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!


「ぐッ・・・だが、これでトドメだ!!!!

――――――――ブレイブダンス!!!!」

グレゴリの強烈な一撃を剣で受け止め、シフトを使用して懐に移動すると・・・無防備な胴体にスキルの連撃を放ち、体力バーを消滅させると・・・グレゴリも今度ばかりは動けずに消滅していった―――――――


「マジで勝っちまった!!!ムクロがほとんど1人でやっちゃったぜ!!!

――――――――ほら見てよ、リィ・・・って、アレ?リィ??」

「ムクロさ~~~ん、傷の手当てをします!!

だから、その・・・傷を見せてください!!」

「あ、あぁ・・・助かる。」

リィは俺の体を見て、傷があることを見抜き・・・俺は体の傷をリィに見せると、リィはそこに治癒のスペルをかけはじめた――――――――


――――――――――――迷宮フィールド

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る