第182話 ミストを追いかけクエストヘ
―――――――――――家具屋
家具屋に着くと・・・さっそく俺たちは中に入って家具を見て回っていると・・・
ユリハに手を引かれて椅子やテーブルのコーナーにやって来た。
「ムクロ君って・・・どんな感じの家具が欲しいの?」
「ん~そうだな・・・俺は落ち着いた感じの家具がいいな。
――――――――これ何ていいな。」
俺が座った椅子とテーブルのセットをユリハが見ると・・・ユリハは少し暗いと言いながらカーソルを操作してカラーチェンジ後のセットを俺に見せてきた。
「これなんてムクロ君にすっごく似合ってると思うよ!!」
「ちょっと俺には明るすぎないか?
――――――こっちなんてどうだ?」
俺はさらにカラーを変えてユリハに見せると・・・ユリハはグーと手でサインし、次の家具を見に移動した。
「悠一君、このスタンドなんてどう?」
「それもいいな・・・それなら、それとそれも買ってと・・・よし、今回はこんなものだな――――――――」
ユリハとあらかたの家具を見て揃えると・・・俺は会計を済ませてユリハとホームへ帰えると・・・さっそく家具の配置を行い、ユリハ達に見せると・・・・
「へぇ~~ムクロ君って、割としっかり家具の配置できるんだね。
―――――――もっとごちゃごちゃしてるのかと思ったけど見直しちゃった。」
「それはどういう意味だ?俺にだって美的センスはあると思うんだが?」
「そうですね・・・私も少し不安でしたが・・・さすがはご主人様と言ったところでしょうか。」
俺は部屋を見せると、2人にからかわれながら褒められ・・・嬉しいような悲しいような気持ちのまま、リビングのソファーに座り・・・ミストやアヤカを待っていると、奥の部屋からファムとユキシロがやってきたのだが・・・・
「ふわぁぁ~~~主殿おはようなのじゃ~~ふわぁ~~むにゃむにゃ・・・」
「んん~~ユリハにムクロ~~~今日ね~私たちすっごく楽しかったんだよぉ~~~えへへ~~~」
「・・・・・っちょ!?2人とも!?ちゃんと服を着ないと!?
―――――――ム・・ムクロ君は見ちゃダメぇ!!!!」
「――――――え・・・・ぐはッ!?」
「ナイスです、ユリハ・・・いい
それでは私はご主人様を部屋まで運びますので・・・ユリハは2人の着替えを頼みます。」
俺はユリハの一撃に倒れ・・・レイの剛腕に持ち上げられながら自分の部屋のベッドにそっと寝かされた・・・だけだと思っていたのだが・・・・
「それではご主人様、失礼します。」
「レイ、何で俺の隣に潜り込んでくるんだ?
――――――それにしても、あいたたたた・・・すごいパンチだった・・・クリティカル出てたんじゃないのか?」
俺が寝ているすき間からレイはさっと入り込み・・・俺に抱き着くと、扉をユリハがノックして入ってきた。
「その・・・2人とも何をしているのかな?」
「ユリハ、その・・・顔が笑ってないんだが・・・」
「これはその・・・ご主人様が・・・夜の奉仕を命令されましたので・・・・」
レイはユリハに悪戯感覚でウソを話すと・・・ユリハは涙目になりながら俺に近づいてくると、俺は殴られるかそれ以上の事を考えて目を閉じると・・・ユリハも俺の隣に入ってきていた。
「レイちゃんにだけそんなことさせて・・・私には何にもないなんてズルイよ・・・」
「ユリハ・・・・別にそう言うんじゃないけど・・・お~い、寝たフリしてるレイ~ユリハにちゃんと謝ってくれよ・・・コレはさすがにやりすぎだ。」
「そうですね、私も意地が悪かったです・・・これは私のジョーク。
メイドジョークと言うモノで、ユリハがいつもご主人様に向けて飛ばしている・・・すさまじい愛に私も張り合ってみたのですが・・・まぁまぁ、コレは見事にご主人様一筋のユリハに驚き仰天です・・・・では、お2人とも・・・ごゆっくり。
――――――――いい夜を。」
レイはベッドから降りて部屋から出ていくと・・・外のソファーで待っているファムとユキシロの相手をする声が聞こえていた。
「―――――ねぇ・・・ムクロ君・・・ここでならいいのかな?」
「えっと・・・その・・・このコトなかったことにして・・・俺たちも外に出てレイのお茶を飲まないか―――――」
俺は話を変えようとしたのだが・・・ユリハは俺の服を力強く掴んでいた。
「えっと・・・ユリハ?
その・・・俺、何か悪いことをしたか?」
「うん・・・でも、ムクロ君が白を切るなら私にも考えがあるよ・・・」
「―――――――そうかそうか・・・ムクロが部屋の家具を揃え・・・・・」
ミストが俺の部屋にやって来ると・・・ユリハと2人でベッドに入っている光景を目の当たりにして、ミストは言葉にならない声で吠え・・・・その光景を見てユリハはベッドから出ると・・・あたふたとしながら説明を始めたのだが・・・
「ふ、2人とも!?こんなベッドでだ・・だだ・・・抱き合って何をしていると言うんだ!?」
「ち、違うの!?コレには深いワケがあって・・ねぇ?ムクロ君!?ねぇ?」
「あ、あぁ・・・色々あって、こういう状況になっただけで何にもないから・・・ミストならわかってくれるだろ?」
俺は姉さんの目に訴えかけるように言うと・・・姉さんはクエストに行ってくると言い・・・掲示板の方へと向かって行った。
「ご、ごめんなさい・・・私が調子に乗って・・・あんなことをしちゃったから・・・」
「いや、ユリハに責任は多分ない・・・それよりも、俺は姉さんの後を追うから・・・ユリハはヴァニス達が来るのを待っててやってくれ。」
「私もこちらで待機しておきます。
―――――――命令があれば何なりと・・・では、行ってらっしゃいませ。」
レイが頭を下げると・・・俺はミストの向かって行ったクエスト掲示板方面に走っていくと・・・ミストを見つけてPT申請を出すが・・・もちろん却下されたが・・・どのクエストに行くかがわかり、俺もそのクエストを受けて後を追う形でポータルで移動した。
「さて・・・ミストはどこに向かった―――――グレゴリとか今のミストには早すぎるモブだろ・・・早く見つける必要があるな――――――」
ミストの後を追ってやってきたフィールドは上級層の迷宮フィールドで・・・時間によりフィールドの形が変わる魔境として難易度が付けられない程に危険で、今回のクエストはそこの迷宮にしか出てこないモブである・・・グレゴリと言う箱に手足が付いたモブを倒すのが目的なのだが・・・ここでは勘や運と言ったモノも試される非常に厄介な場所でもあった。
そして、この迷宮フィールドは入り口が2つあり・・・この時点でミストと出会える可能性がかなり低い事を現していたが・・・俺は絶対に見つけて帰ると誓い・・・右の入り口に走って入って行った―――――――
――――――――Gurooooooooo・・・・
「くそ・・・こんな時に限って・・・グリーバーがいるな・・・・
――――――――奴に見つかると10体のオマケが付いてくるな。」
グリーバーは攻撃を与えたり、標的を見つけると叫び声をあげて仲間を呼ぶ習性があり、俺は面倒事を避けるために身を潜め・・・グリーバーが過ぎ去るのを待っていると・・・遠くから女性の悲鳴が聞こえ、それはミストのモノか判断がつかなかったが俺は気になってグリーバーに気付かれないように走り抜け・・・悲鳴が聞こえた場所まで来ると、そこにはミストではなく・・・見知らぬプレイヤー達がモブに囲まれていた。
「こ、こっちにくるなぁ~~~アッチいけ~~~」
「あ、あくあ・・・あくあく・・・・
――――――――――アクアランス!!!」
「くそ・・・グリーバーに攻撃しやがった!
―――――早くこの場から逃げるかここにいるヤツらを全て倒し切らないとまずいな・・・・」
襲われていたプレイヤーの1人がグリーバーにスペルで攻撃すると・・・グリーバーの目が光り・・・口を大きく開いて咆哮し、迷宮フィールド内に声が反響して遠くからもグリーバーの声が聞こえだした。
そして、俺はこの状況を見過ごすこともできず・・・グリーバーの1体を切り倒した・・・・
「そこのプレイヤー!!ここにいたらマズイ、早くココから逃げるぞ!!こっちだ!!!」
「あ~~~もう、今日はツイてない~~~~」
「う、うん・・・待って~~~」
俺はさらに道を塞いでいるグリーバーを数体倒し、2人を先に逃がして俺も後を追うように移動して安全地点にいた2人に近づいた―――――――――――――
――――――――――――迷宮フィールド
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