第181話 イベント日和・・・
――――――――――――バス停前
耀子の告げ口を聞いてから由里は少し速足で移動している様子を見て・・・姉さんに引き留められ、由里の様子が少し変だと言われて俺は由里を家まで無事に届けるために付いて行くことにした。
「由里、大丈夫か?
体調が悪いとか・・・何かあったら呼んでくれよ?いいな?」
「あ、うん・・・ありがと。
―――――少し遊び疲れちゃったのかな・・・あはは。」
「きっとそうだよ、私も少しだけ疲れちゃったから・・・それに、これなら今日はいつもより眠れそうだね。」
「そうかしら?耀子はいつでもどこでもよく寝れそうだけれど?」
「さてさて、悠一・・・ここから分かれ道だから私は先に帰っているが、悠一は由里を無事に届けてから帰ってくるんだぞ?いいな?」
俺は姉さんの言う通りに、由里を家まで届けると言うと・・・姉さんは家に向かって歩き出し、俺たちも由里の家に向かって歩きはじめると・・・・
「それじゃ、私たちはこっちだから。
――――――悠一ィ~由里がこんなんだからって悪いコトしちゃだめだからね?」
「そうよ、しっかりと届けてあげなさいよ。」
「大丈夫だ何もしない、それじゃ耀子、コトハ・・・またな。」
「バイバイ、耀子にコトハちゃん・・・・それじゃ悠一君・・・行こっか。」
俺たちは耀子たちと別れ、由里の家に向かって歩いているのだが・・・互いに話すことなく無言のまま歩いていると、すぐに由里の家に到着し・・・由里を玄関まで見送ると・・・・
「悠一君、ありがと・・・シャワーを浴びたら目が覚めると思うから・・・・
その、悠一君・・・あと――――――」
「ん?・・・・・・どうし―――――――」
俺は由里に引き留められて振り返ると不意に由里はそっとキスをして・・・由里は顔を赤くしながら離れ、手を小さく振って・・・「バイバイ」と言いつつ家に入っていった。
そして、俺は急な出来事に頭が真っ白になりながら自分の家に帰って行った。
それから数分後、俺はなんとか家に辿り着き・・・
「ただいま~あぁ~疲れた・・・」
「悠ちゃんお帰り~ご飯できてるから、お風呂を先に入ってきたら?」
俺は姉さんに言われた通りに風呂に入りシャワーを浴びて台所に向かうと・・・姉さんはブロッサムで誰かとチャットをしながら待っていた。
「姉さんお待たせ・・・・」
「うん、それじゃ・・・ご飯、食べよっか。」
俺と姉さんは手を合わせながら挨拶をすると・・・並べられた料理に手を付け始めた。
「そう言えば悠ちゃんは由里さんと2人っきりで何をしてたの?
私、ちょっとその辺に興味があるのだけれど?」
「ん?その・・・グロリアの話をしてたり・・・マッサージを互いにしたりだな。
あとは色々と風呂巡りをしていたくらいかな?」
姉さんは俺の話を聞くと・・・手に持つ箸をメシメシと握りしめ、手や体をふるふると震わせて・・・机をバンと叩きつけた。
「2人っきりにしたのは私と耀子だけど――――――そこまで羨まし・・・ううん、そんなコトまでするなんて私は聞いてないよ!?」
「あ・・・その・・・ごめん。
だけど、俺は・・・由里の要望を聞いただけなんだけどな・・・」
姉さんはプンプンと怒りながら皿の料理をパクパクと食べ始め・・・それはいわゆる「やけ食い」というモノだった。
「姉さん、はい・・・水・・・あと、そんなにたくさん食べたらいくら姉さんでも太る――――――――」
「ねぇ悠ちゃん・・・さっき、ナニか言ったかしら?」
姉さんは「太る」と言う単語に過敏な反応を示しながら・・・引きつった顔で俺を見て・・・俺は首を横に振ると・・・姉さんは再びもくもくと料理を食べ始めた。
「それじゃ、姉さん・・・えっと・・・また後で・・・その、ごめん・・・」
「ううん、私こそ急に騒いでごめんね・・・それじゃ、また後でね―――――」
夕食を先に食べ終えた俺は姉さんに一言謝り・・・自分の部屋に戻ると、すぐさまグロリアにログインしてホームに向かうと・・・
「お帰りなさいませ、ご主人様。
――――――本日はクーリアとエリが先に来てソファーで寛いでいます。
ユキシロとファムは飲み過ぎと食べ過ぎで寝込んでいます。
ですが、心配には及びません。」
「あぁ、わかった・・・それじゃ、俺も入るとするかな。」
俺はレイと中に入ると、俺を見つけたクーリアとエリが話しかけてきた。
「あ、遅かったねぇ~ムクロッち~~ヒック・・・何かいいコトでもあったのぉ??
――――――顔がニヤニヤしてるけどぉ??」
「そうね、この顔だと私たちが帰ってから2人でたっぷりと楽しんだのよ・・・きっと・・・」
「そうなんですか?ご主人様?ついに大人の階段をのぼ――――――んむ」
「上ってないから・・・それに2人も・・・果実酒飲むのはいいけど・・・何本目だ?」
俺はレイの口を塞ぎながら2人の飲み散らかした果実酒のビンの数を数えると・・・少なくとも5本は飲んでおり・・・クーリアは少しフラフラとしていた。
「あたしたちこれでもまだまだ飲み足りない・・・ヒック・・・・ねぇ?エリエリ・・・エリが2人に見えるろぉ~~~」
「ふふふ・・・おかしなことを言うわね、私はいつでも1人だけよ?それと・・・・クーリアはどうしてそんなに細くなったの?」
「エリ・・・話しかけてるのはホウキですが・・・2人とも大丈夫ですか?」
「いや、大丈夫じゃないだろ・・・ホウキに話しかけるのはさすがにマズいだろ?
だから2人で手分けしてやろう・・・俺はクーリアをベッドに寝かせるからレイはエリを頼む。」
レイはコクリと頷き・・・エリを抱えてベッドに運ぶと、俺はクーリアの手を握ってふら付きながらクーリアの部屋に向かい・・・クーリアをベッドに運んだのだが・・・・・
「ムクロッちぃ~~そんなに焦らなくても大丈夫らからぁ~~~ほらほら、一緒に寝ようよ~~」
「って・・・おい・・・・やめろ・・・」
俺はクーリアをベッドに寝かせた所までは良かったのだが・・・クーリアは俺の手を放そうとせず、逆にすごい力で引き寄せ・・・俺はクーリアに覆いかぶさる状態になっていた――――――――
「ムクロッち~~ほら~いつでもどうぞ~~~んん~~~」
「おい、酔っ払い!!・・・こんな状況を誰かに見られてでもしたら・・・・」
「―――――――ハイ、すごくマズいでしょうね・・・すごくすごくマズいと思いますよ?
特にユリハに見つかれば・・・問答無用で切り捨てられること間違いなし・・・デス。」
扉の隙間からレイが呟くと・・・俺はベッドから飛び出て、クーリアに毛布をかけて部屋から出ると・・・玄関の方から噂していたユリハの声が聞こえてきた。
「―――――――ただいまぁ・・・って・・・どうしたの?ムクロ君?」
「いえ、これには少し事情がありましてクーリアとご主人様が――――――――んん」
「いや、何でもないんだ・・・な?レイ?何もないよな?」
レイはやれやれとした顔で台所に向かって行くと・・・ユリハは床に転がった果実酒のビンを拾い俺に尋ねてきた。
「ムクロ君・・・コレ何?果実酒のビンのようだけど・・・それにこんなに沢山・・・・」
「それはだな・・・話せば長いんだが、俺が
で、2人はフラフラでレイと協力してベッドに運んでたってわけだ。」
「そうです、ご主人様には少し美味しいイベントがありましたが・・・・どうぞ、紅茶を淹れてきました。」
説明して丸く収まったと思いきや・・・レイは紅茶を渡しながら由里が気になるような言い方をしていると・・・・
「ねぇ、ムクロ君・・・私に何か隠してる??」
「イ、イヤ・・・何も隠してなんか・・・そうだ!家具を一緒に見に行く約束だったな!今から・・・行かないか?」
俺は話を逸らすために家具屋にユリハを誘うと・・・ユリハは少し腑に落ちないと言う顔をしながら素直にOKし、2人で例の家具屋に向かった―――――――――
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