第178話 二人のアレ

――――――――――――温泉プール


PVPが終わり男たちの行動で辺りが騒がしくなったプールから、澄玲すみれの詳しい事情を聞くために休憩場に移動すると・・・・


「――――先ほど言った通りなのだが・・・私の所属するギルドのギルドマスターがユリハをギルドに加えたいと申していて・・・この次第なのだが・・・

ギルドには無理に加入させることは原則できないのだが・・・ギルドマスターは少し乱暴なところがあって、私がギルドで暇そうにしていたあのモノ達に指令を出したらあんなことに・・・

怖い思いをさせて本当に申し訳ない。

それと、ユリハを私たちのギルドへの勧誘行為は今後一切しないと誓おう。」

「まぁ・・・由里が無事だったし・・・今回の件は水に流す。

だが・・・グロリアで同じようなことがあれば俺は相手が誰であろうとどんなギルドであろうと倒すだけだ。」

「そうだな、何があろうと私たちは悠一から離れる気はない。

――――――――何があってもな。」

「うんうん、で・・・いつになったら私の泳ぎの練習を再開するの?」

「耀子・・・今大事な話をしている最中よ・・・」

「そうね、私もやっと水鉄砲のコツを掴んで来たのに・・・何やら騒がしい方に来てみたらPVPしてるし・・・本当に悠一はどこでも。」

彩花達の言葉は俺に向いており・・・その光景を目にした澄玲は思わず笑いだしていた。


「あっはっはっは・・・これは悠一のメンバーを勧誘するのは難しそうだ。

さて、私はもうひと泳ぎしてから帰るとしよう・・・では、グロリアで会える日を楽しみにしている。

―――――――それと、コレを渡しておく。」

「グロリアのフレンドコードか・・・何を考えてるかは知りたくないが・・・一応受け取っておく。」

「悠一君・・・澄玲さんが綺麗な人だから受け取ったってわけじゃないよね?ね?」

「悠一・・・お前・・・そういう判断基準だったのかッ!?」

「あ、悠一が逃げた~~~お~い私の泳ぎの練習がまだだってば~~~」

「今日は~いつにも増して賑やかね。」

「それじゃ、私も水鉄砲コーナーで腕を極めてくるかな。」

俺はさらに話の流れが怪しくなったと感じ、耀子と練習していたプールまで逃げると・・・後ろから耀子やジュースを運ぶ由里と姉さん達がやってきていた。

そして、これから・・・耀子の泳ぐ特訓が再び始まった。


「はい、悠一君・・・ジュース。

―――――すごい上達ぶりだね・・・」

「あぁ・・・ありがと。

――――――――ん~そうだな・・・あと少しってところだ。

よし、耀子・・・・今度はビート板を使わずに俺の手を握りながら泳ぐ練習だ。」

「え!?マジ!?それ、何て言うご褒美なの!?」

「耀子・・・これはあくまで練習だ・・・いいな?だぞ?

「私も泳ぎの練習を教われば・・・手を握ってくれるのかな・・・」

「コトハって・・・泳げないの?」

アイリスはコトハに泳げるのか尋ねると・・・コトハは黙り込み、耀子をただジッと眺めていた。


「悠一~ホラ~早く手を握って~~ね~ね~早く~~」

「ホラ、行くぞ・・・・そうだ、足を動かしながら・・・」

「くッ・・・ただの練習をしているだけだと言うのに・・・なんだ?このモヤモヤした気持ちは・・・・ぐ・・・よし、私たちも泳ぐぞ!!!」

「え、あ・・・うん!!そうだね!!私たちも泳ごう!!

―――――ほら、コトハちゃんもアイリスちゃんも泳ごうよ!!」

「うん・・・そうね・・・待ってても仕方ない・・・泳ぎましょ。」

「悠一もマジメに教えてるし・・・私も楽しもうっと・・・皆、待って~」

由里達もプールに入って泳ぎ始めると・・・耀子は由里達の姿を見て、しめしめと足をつったフリをして・・・俺に抱き着いてきた。


「おい、耀子・・・俺がおぼれる・・・・」

「いたぁ~い、悠一~~足がつっちゃった~~~えへへ・・・」

「悠一君?何してるのかな?

どうして2人は抱き合ってるのかなぁ??」

近くにいた由里が俺の真後ろから出てくると・・・俺の背中にくっ付き・・・さらに泳ぎにくくなり・・・・


「おい、由里!耀子!・・・早く離れ・・・おぼぼぼ・・・」

「ふぅ~仕方ない・・・この辺で勘弁しておいてあげるかな。

――――――はい、悠一・・・練習・・・ちょっと由里・・・抱きしめすぎ!!!」

「あ、悠一君!?大丈夫!?」

俺は2人から解放されると・・・急いでプールから上がり、ジュースを飲んで休憩した。


「あ~~死ぬかと思った・・・・」

「あはは・・・ごめんね、悠一君・・・ついつい羽目を外しちゃって。」

いつもは冷静な由里が羽目を外して遊ぶことはいい事なのだが・・・

そして、由里は指をツンツンつしながらお昼について聞いてきた。


「そろそろ、お昼だけど・・・どうする?」

「そうだな・・・彩花と合流して休憩場に食べに行くか。」

俺は姉さんや耀子達にお昼を食べに行くと伝えると・・・プールから上がり、近くに集まってきた。

そして俺は由里達を先に休憩場に向かわせると・・・俺は彩花を探しに水鉄砲のあるゾーンまで探しに来ると・・・彩花はすごく楽しそうに撃って遊んでいた。


「彩花~~昼だから食べに行くぞ~~~皆も待ってる。」

「あ~コレが終わったら行くから、先に席取ってて。

――――――――おっと、危ない・・・」

俺は彩花を置いて休憩場に戻ると、由里達は席について俺たちを待っていた。


「悠一~こっちだよ~~アレ?彩花は?」

「その彩花は・・・水鉄砲に夢中で今プレイしてるゲームが終わったらここに来るらしい。」

「そうか・・・それはそうと・・・悠一・・・急で悪いんだが私たちの中で好みの水着はあるのか?ん?どうなんだ?」

「ちょっと、涼孤さん・・・何て言う事を聞くんですか!?私びっくりして心臓が飛び出しちゃうかと・・・・」

「アイリス・・・どうしてそんなに恥ずかしい顔をするの?」

「悠一君・・・私の水着・・・似合ってるかな?」

皆は姉さんの発言で急に恥ずかしそうにしたり俺をチラチラと見たりと意識し始め・・・アイリスに限っては恥ずかしさが爆発して、顔が真っ赤になっていた。


「姉さん・・・・急に何言ってるんだよ・・・」

「急も何も・・・悠一~水着の私たちを前にして評価もなしはダメだろ?

それに・・・由里さんは少し気合入っている様子だったからな~ホラホラ評価してやるがいい。」

「え!?私!?そうかな・・・気合何て・・あはは―――――でも、悠一君に褒めてもらえるように選んだのを着てるのは事実だけどね。」

「また、始まったよ・・・・由里のアピールタイム・・・」

「いつもの事ね、私たちは私たちでアピールするしかないのだけれど・・・」

と、言いつつ・・・コトハは耀子の水着の紐をするするっと引っ張ると・・・耀子の水着が取れ落ち、ソレを見ると・・・由里のビンタが俺に炸裂した。


「悠一君・・・耀子の・・・えぇっと・・・その・・・裸を見た?」

「ちょっと、ちょっと!!!コトハ!?何してくれちゃってんの!?

――――――――私の体は清いんだよ!?うわぁ~ん悠一に見られた~~~もう悠一のお嫁になるしかないよ~~~」

「お嫁までは言い過ぎ・・・大丈夫・・・私はウォータースライダーで悠一に水着を取られたから。」

「なッ!?何て言う大胆な行動を・・・・悠一、その話は本当なの!?」

「その件はだな・・・悠一本人が事故と言っているのだが・・・何とも言えんのだ。」

「――――――うぅ・・・それより、由里・・・顔が痛い・・・」

俺は由里のビンタを顔面で受けたため・・・赤くなった部分を手で押さえている状態であった。


「ご、ごめん・・・ちょっと力入れすぎちゃった・・・見せてみて――――」

「あぁ・・・まだヒリヒリするんだが・・・」

「見事に由里の手形が押されているな。」

「ん~それよりも・・あれのことなんだけど・・・涼孤さんのアレ・・・テーブルに載ってるけど、どんだけあるのかな?」

「そうね・・・私には想像もつかない質量ね・・・由里も割と持ってるし・・・・(忌々しい)」

「2人は何をこそこそ話しているの?」

耀子とコトハは姉さんと由里のたわわに実ったモノを凝視しながら自分のと比べてため息をついていた・・・・


「私もあともうちょっとすれば由里が泣いて謝るくらいの体に・・・・」

「耀子・・・あなたはまだある方じゃない・・・私なんて・・・いつ実やら・・・」

「2人は何か園芸か何かをしてるの?」

「アイリス・・・それ以上は触れてやるな・・・

―――――私のも・・・肩が凝るのと、男どもからの変な視線がここに集まって面倒なのだがな?」

「私の周りには人があまり寄ってこないから・・・そう言ったことはないかな~

でも、皆がいるから全然平気だよ!!」

「由里・・・あぁ、そうだな・・・俺じゃ足しになるかわからないけど・・・俺もいるから・・・」

俺がそう言うと・・・由里は全力で―――――――


「そんなことない!!!悠一君は・・・すごく私の支えになってくれてるよ!」

「そうか・・・それならよかった・・・あはは―――――」

「あの~由里?悪いんだけど・・・悠一をなぜ抱きしめてるの?それは2人の時にしてもらえるかな?」

冷静に耀子がそう言うと・・・由里は顔を赤く染めながら席に着き・・・俺たちは彩花を待ちながら、この後の予定を話し始めた――――――――――


―――――――――――――休憩場

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