第151話 ジャカルゥハンターとの野戦

―――――――――ジャカルゥ牧場


一方その頃、俺は白いジャカルゥが要求するままビー玉状のエサを上げながら・・・俺も持参したカタパンをかじりながら一緒に食事をしていると・・・・


―――――――クエークエクエー


「これか?これは駄目だ、ヒルミが他の食べ物は上げないでくれって言われてるんだ。

すまないな、ホラ・・・こっちのエサで我慢してくれ。」

俺はパンを口に詰め込んで食べながらジャカルゥにエサを与えながら体をモフモフと触っていると――――――


「気持ちいいでしょ?

そのふわふわモフモフにどれだけの金持ちや密猟者がこのキュートなジャカルゥを狙ったか知ってる?

ざっと2万頭・・・・グロリアの世界でだけど、それでも私はお金で買ったり密猟でこんなにカワイイジャカルゥを手に入れるなんて許せないの。

だから、ムクロさん・・・この白いジャカルゥのお友達・・・ううん、契約者パートナーになってあげて欲しいの。

きっと、ムクロさんなら・・・この子と仲良くやっていけると思うの。

それに、この子も・・・ずっと1人は寂しいと思う・・・だから・・・・」

「そうだな、でも・・・お断りだ。

俺はこのジャカルゥが気に入ってはいるが、ヒルミのその言い回しは好きじゃない。

それに、このジャカルゥが俺との契約を認めてくれて・・・初めて契約ができるんだと思うしな―――――――

あと、さっきのヒルミの言い方だと・・・なんかこの白いジャカルゥを追い出そうとしている風に聞こたんだ―――――えぇっと・・・その、言い過ぎた・・・・・怒らせたなら謝る・・・すまない。」

俺はヒルミに謝罪すると、急にヒルミが笑いだし・・・ジャカルゥのモフモフへと顔をうずめ・・・


「あははは―――――ううん平気だよ、うん・・・やっぱりムクロさんってが言ってた通りの人だった・・・・それに、やっぱり不思議な人だ・・・ね~ジャカルゥ~」

ヒルミはジャカルゥのくちばしを撫でながら地面に置いてあるエサの入っていたカゴを取り、施設へと帰っていった。


―――――――クエクエクエ~~~~


「言い過ぎたかな・・・お前は俺と契約したいか?

って言っても・・・言葉は伝わらないか~~~ははは。」

案の定、ジャカルゥは俺が何を言ったのかわからず・・・首をかしげ、くちばしで毛繕けづくろいをしていた。


「ムクロく~ん、ついさっきジャカルゥ達のエサの時間が終わったんだけど・・・・すごい食べっぷりだったよ。」

「ムクロッちはヒルミと何か話してたように見えたけど・・・何かあったの?

それとも、抜け駆けして契約を!?」

「いや、それより・・・ユキシロとミストは?」

「あの2人だったら・・・あそこに・・・・」

エリが指さす方にはユキシロとミストが再度写真を撮ろうとチャレンジしていた。


「ミストミスト~エサを食べて後なら襲われることなく写真を撮れるのじゃ!!

――――――――さぁ・・・どんどんと写真を撮るのじゃ!!!」

「ユキシロ・・・その、何だ・・・・今度はジャカルゥたちはお昼寝のようだぞ?」

ユキシロは真横にいたはずのジャカルゥを見ると・・・体を丸くしてスヤスヤと眠りについていた――――――


「ぬぐぅ~~今度はお昼寝タイムとな~~~

アタイたちよりもフリーな生活なのじゃ~~」

「と、言っても動物だからな・・・それは仕方ないぞ。

さ、ムクロたちの所に行くとしよう。」

ミストはユキシロをズルズルと引きずりながら俺たちの方へとやってきた。


「エサを食べたら大体のジャカルゥたちは寝ちゃったね。

こんなに天気が良かったら、そりゃ誰でも寝ちゃうよね~」

「だね~私も少し・・・ふわわ~~眠たくなってきちゃったかな~」

「クーリア、寝るのならログアウトをオススメするわ。

―――――ここで寝られるとジャカルゥの迷惑になる。」

「本音は、風邪をひくとかだろ?

エリってそういうのハッキリ言わないよな――――――いたッ!!」

「ムクロ・・・自業自得だ・・・わざわざエリが言わなかったことを言えばそりゃそうなると気付かぬのか・・・・」

「あはは・・・ムクロ君の悪い癖が出ちゃったね。」

俺たちが話していると・・・施設の方で騒がしい声が聞こえてきた―――――


「な、勝手に許可なく入らないで!!!」

「いいじゃん、あいつらだって入ってるしさ?」

「いっぱいいるじゃん、どれを連れ帰って金と交換するか迷うぜ!!」

「バーカ全部いただくに決まってるだろ?

――――さて、お前ら起きろ起きろ~~ハッハッハ!!!」

ヒルミは3人の男たちに必死に抵抗するも、言うことを聞かずに牧場にいるジャカルゥを無理に起こし始めると・・・・


――――――――クエクエクエ!!!!


「バカ、あいつ・・・・なんで自分からッ!

―――――くそッ!!!」

「ムクロ君!!!私も行くよ!!!」

「ふにゃ?何々あいつら!?酷いことする・・・こうしちゃいられないね。」

「あぁ・・・ムクロとユリハは白いジャカルゥを追って行った、すぐに私たちも追おう。」

「そうね、礼儀というモノを教えてあげないと。」

「力仕事ならお任せなのじゃ!!!」

白いジャカルゥは男たちの前に駆けつけ、威嚇すると・・・


「おいおい、こりゃ・・・たまげたぜ!!!

1番金になる白いジャカルゥじゃねぇかよ!!!」

「だな、これで俺たちも装備も何でも集め放題だな!!!」

「それじゃ、まずは・・・眠ってもらおうかなッ!!!!!」

「―――――誰かッ!!!ジャカルゥを助けてッ!!!!」

男の1人がハンマーで気絶させようと殴りかかろうとした瞬間、ギリギリのところで間に合い・・・攻撃を剣で防ぐことができた。


「ぐ・・ぐぐぅ・・・お前、いつの間に・・・さっきまであそこに!!!」

「お前らが遅すぎるんじゃないのか!!!!ハァッ!!!

―――――ヒルミ、すまないがジャカルゥと一緒に離れていてくれ。」

「あ、ありがとう・・・・さ、ジャカルゥこっちだよ!!!

――――――こっちに・・・って!!早くッ!!なんで動かないの~~」

ヒルミが必死にジャカルゥを動かそうと手綱たづなを引っ張っても微動だにせず・・・ジャカルゥはその場から動こうとはしなかった。


「はぁ・・・仕方ない・・・それじゃ、ジャカルゥより先にお前からノックダウンだ!!!!」

「させないッ!!!テイヤッ!!!」

「ユリハ、この戦いはPVPでもコロシアムでもない野戦状態だ・・・

つまり、コイツたちをキルすればペナルティが入る・・・だからはするなよ!!」

「そうそう、イイ子ちゃんには俺たちをキルできないからこういう仕事は止められないんだよなぁ~オラァ!!!

――――――別に俺たちはキルしてもどうでもいいしなぁ!!!」

「こっちはキルされないと分かっていればやりたい放題だぜ!!!」

ユリハは男の攻撃を防ぎ、攻撃をするが・・・俺の注意によって攻撃を躊躇し男の攻撃を受け、吹っ飛ばされていた。


「―――――ぐッ・・・・このままじゃ・・・一体どうすれば・・・」

「――――――ユリハ、数日間ホームをよろしく頼む。」

俺はユリハに一言そう告げると、男の1人に高速で近づき・・・強烈なブレイブダンスを見舞って体力を消滅させた・・・・


「――――ぐがッ・・ぐ、はぁはぁ・・・まさか、マジでキルしやがったのか・・・コイツ・・・ペナルティが怖くないのか!?

―――――く・・・クソが!!!」

「おい、アイツ・・・キルしやがったぞ?どうする?」

「そう慌てるな・・・それにしても、お前・・・なかなかいい腕をしているじゃねぇか・・・どうだ?俺たちの仲間にならないか?

このジャカルゥを全部流せば取り分なんてクソみてぇにあるが・・・どうする?」

「金で俺を釣ろうって事か・・・安く見られたもんだな・・・・

俺に勝てたら一生お前たちの奴隷でも何でもやってやるよ・・・ホラ、かかって来いよ・・・コソ泥!!!」

1人をキルしたことにより、俺の名前は青色から少し黄色になっていることに、さっきの言葉と現状をユリハが把握するとする頃には男の1名が攻撃を仕掛けていた。


「その言葉、しっかり聞いたからな!!!

――――――お前を倒して、奴隷1号にしてやるよォ!!!」

「残念だぜ、そんな攻撃じゃ目を閉じててもかわせる―――――

それに、攻撃の際にスキが大きすぎる・・・攻撃っていうのはこうするんだ!!!

――――――――ハァッ!!!!」

男の大味な大剣攻撃を軽い身のこなしで回避し、背や腕と各部位に連続して攻撃をすると・・・その男の体力バーが消滅し、俺の名前が赤色近くに変色していた―――――――――


―――――――――――ジャカルゥ牧場

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