第139話 本気の戦い
―――――――――コロシアム:第2ラウンド デスマッチ
ブシンとファムの激しい戦闘が続く中、アヤカの射撃が止んだ事とユリハが未だに姿を見せない事から2人が直面し戦っているか話している事を考えると安易に近寄らない方が良いと俺の全神経が警告を出し、ファム達の戦いに集中すると―――――
「ふんぬぁ!!!!ガハハハ!!!いいぞ、いいぞ!!!
ランス使いと初めて戦うが、実に見事な槍捌きよな!!!」
「うん、ありがと――――でもそっちのかたな?とか言う武器だっけ――――すごい綺麗な剣技の数々・・・
この戦いも私すっごく楽しいよ!!!」
ファムはランスを構えるとさらにブシンに対して猛襲をかけ・・・互いに一歩も譲らない超近接戦で戦っていた。
――――――その頃アヤカは・・・・
「まさか・・・あの短時間でここまでフィールドに仕掛けてたなんて・・・
アヤカはやっぱりすごいね。」
「お世辞はいいの、コレはムクロ用に仕掛けてたんだけど・・・ユリハになら使っても後悔はないわ。
さぁ、激しく行くわよッ!!!」
アヤカはハンドガンからライフル銃に持ち替え、ユリハに向かって乱射すると・・・・ユリハは動かずに攻撃の当たる瞬間に何かを取り出したのかヒットすると同時に煙が上がり何がどうなったのか分からなかったが、煙が晴れるとユリハの取り出したモノの正体がわかった――――――
「ユリハも装備は十分ってことか・・・これは、本当に気合入れないといけないわね。」
「籠手型のシールドを持って来てて正解だった―――――
まさかこんなにも早く使う事になるとは思っても無かったけど――――
私もアヤカ相手になら|シールドコレを使ってでも勝ちたい!
だから、私も全力で行くよ!!!ハァッ!!!」
ユリハはクイックシフトを使い、アヤカの弾丸と罠の爆発をシールドで守りながら突撃し・・・アヤカの持つライフルを切り裂き、アヤカに一閃を決めると・・・アヤカはスモークボムを使い煙に乗じてユリハから距離をとった――――――
「ぐぁッーーー軽く入ったと思ってたけど・・・割と深いかも―――――
はぁはぁ・・・まずは回復して、新たなトラップポイントの作成を―――――なッ!?」
「やっぱりアヤカは強い――――見失うとどこから狙われるかわからないから早く見つけないと・・・そこまで離れていないはずだけど・・・」
岩陰に隠れるアヤカの真横をユリハが走り去っていく姿を見ると、アヤカは急いで回復ポーションをごくごくと飲み干し、新たなポイント作成をする為に移動を開始した・・・
――――――――そしてその頃・・・・
「はぁはぁ・・・ぐッ・・・・やはり鎧を付けている分ダメージが薄い・・・」
「私の鎧は特製だからね!!ハァッ!!!!」
ファムの強烈なランスの一撃に押され、ブシンは支えきれず後方へと弾かれると・・・ファムはさらに追い込みをかけ、ランスで攻撃するとブシンは刀で防ぎきれずに体力バーをどんどん削っていき――――――
「致命傷だな―――――
―――――勝負アリ・・・か。」
「ぬぅ・・・ぬかった―――――――
だが、ワシ以上にお主が強かった・・・ただそれだけであったが・・・ワシは楽しかったぞ。」
「はぁはぁ・・・うん、私もブシンと戦えてとても楽しかった!」
ファムは息を切らしながらブシンに近づき、握手をすると・・・ブシンは体力バーが無くなった為強制的にフィールド外に飛ばされていた。
「それじゃ、次は俺とだな・・・ファム。」
「そうだね、ムクロとの戦いはもっともっと楽しそう!!!」
俺はフェアプレイをする為にランスを構えたファムに対して回復ポーションを投げ渡すと・・・ファムはニコッと笑いごくごくとポーションを飲み干し、互いに戦う準備が完了した―――――その時・・・・
「んん―――――――アヤカは一体どこに行ったんだろ・・・・って!
ムクロ君ッ!それにファムも!!
しかも2人が戦おうとしてるの!?」
「お、ユリハが来たか・・・つまり乱戦か?」
「そうはさせない・・・・ごめんだけどユリハ、これは私とムクロの1vs1の対決だから・・・そこで待っていてくれると嬉しいな――――――」
ファムの願いが通じたのかユリハは武器を下げ、この2人の戦いには手を出さないと告げると・・・戦いを見る事をせずに何かを追うようにその場から立ち去った。
「何だったんだ?
でも、おかげで本気の1vs1ができるな!!!
さぁ、本気でかかってこいよ!!!」
「言われなくたって・・・最初からMAXでいっちゃうんだから!!!!
―――――――――
ファムはニコニコしながらランスに手を当てながらスキルを発動すると・・・ランスが燃え上がるように赤くなり、ファムの鎧に文字の様な紅い線が浮かび上がっており・・・今までファムが使ったエンチャントの中で最大級の出力であると俺は察すると、クイックシフトを最大まで使いファムに強烈な一撃を叩き込んだ。
「ぐッ―――――――さすがムクロ・・・今まで戦ってきたプレイヤーやモブの中で一番強いッ!!!
でも、私だってフルパワーだって事を忘れないでよッ!!!ハァッ!!!!
――――――燃え散らせ!!!
「炎を操れるのかッ!!!
―――――――はぁッ!!!!
あちちち・・・・燃える燃えるッ!?」
ファムのランスから溢れ出ている火を手に集め、俺に放つと・・・俺は剣で切り捨てるが飛散した炎を浴び、少しダメージを負った――――――
「本当にムクロはすごい!!私のフラムを立ち切ったのはムクロが初めてだよ!!!
それじゃどんどん・・・やっちゃうよ!!!!
―――――――
「なッ!?それは反則だろ!!!
くそッ!!!撃つ気満々かよ!!!」
ファムは相当嬉しかったのか、先程は手に持った火を放っていたが・・・今度は宙に数十発もの火を作り出し・・・俺に向かって連続射出してきた――――――
「ぐッ・・・ハァッ!!!あちち―――――
ゼイァッ!!!!ふんッ!!!はッ!!!
――――――――ブレイブダンス!!!!!」
剣で幾つも火の連弾を断ち切り、撃ち落としながらスキルを使用し・・・全てを撃ち落としたとファムの方を見ると・・・巨大な火の弾を作り始めていた。
「ファムッ!!!それはさすがに反則中の反則だろッ!!!」
「えへへ・・・ムクロだから特別サーーービスしちゃうよ。
だって、こんなにも楽しいんだもん!!!
やりたいこと、やりたいだけやらないと損しちゃうでしょ!!!
―――――――――それじゃ、いっくよッ!!!!!!!
――――――――緋炎の大火ゥ《フラムストライク》!!!!」
ファムの作りだした巨大な火の塊はもはや神竜クラスの極地スペルと言っても問題が無いくらいのモノで、これを受ければ間違いなく焦げ散って体力バーは無くなると知りつつ・・・あの楽しそうなファムを見ていると、逃げずにこの攻撃をどうにかしてやりたいと感じ――――――――
「一か八か・・・このスキルを使うしかないなッ!!!
―――――――――
「なになにッ!?!?
――――私の攻撃が・・・ムクロに吸収されてるッ!?」
俺は左腕に許容量を超えながらも展開した魔方陣を通してファムの最大級の攻撃を吸収し切ると・・・ファムが驚いた顔で俺を見ていた。
「どうして、逃げなかったの?
ムクロならあれくらいの攻撃なら避けられたのに・・・どうして?」
「あちち・・・そうだな、ファムが楽しそうにしてたから避けたりじゃなくて真っ向から立ち向かいたかったんだ。
―――――――ただそれだけだ。」
俺の真顔での返答にファムは吹き出して大笑いすると・・・すっかり鎮火してしまったランスを構えて俺に再度、戦いを挑んできた。
「火はアレで出し切っちゃったけど・・・ムクロは私と最後まで戦ってくれる?」
「あぁ、そうこないとな!!!
せっかくファムから貰ったこの火を使いたかったからな。
―――――――
俺の左腕からファムの放った火が現れ、俺の体を火が包むように伸びて行き・・・武器を赤く灯し、先程までのファムと同じ状態となっていた―――――
――――――――――コロシアム:第2ラウンド デスマッチ
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