第138話 デスマッチ開幕

―――――――――コロシアム・・・・・


拍手が止み、ケアを済ませたファムは俺達の所へと戻ってきた―――――


「皆、ただいま。

すっごく楽しかった!!」

「ファム、お疲れ。

それにしてもすごい戦いだったな。

フィールドのあちこちが焦げてすごい事になってるぞ。」

「おかえりなのじゃ~さすがはファムぅ~いい動きじゃったぞ~ヌフフ~」

「ファム、お疲れ様です。

あの巨大カブトムシとの戦い、お見事でした。」

「ファム、おめでとう!!

ファムの戦いを見てて私は何度もヒヤヒヤしたんだから!!

危ない戦い方はどこかの誰かさんに似たのかな?」

ユリハはファムの戦闘中に取った行動に見覚えがあるような顔で俺の方を見ながら言うと、俺は知らんぷりをしながらフィールドを見ていると―――――


「初戦を勝ち進んだ、ユリハ、アヤカ、ムクロ、ブシン、ファム・・・

この5名が次のファイナルラウンドに進む為の舞台はこちらだ!!!

そして2ラウンド目はこの勝ち残った5名で争い、残り2名になるまで戦うデスマッチだぁぁぁぁ!!!」

ゾーンが急に出てきたと思えば、フィールドの下から新たなフィールドが現れ・・・コロシアムに因んで岩場が点在する闘技場フィールドが出て来ていた。


「5人で争う・・・か―――――

俺は基本的に1vs1がいいんだけどな。

でも、進行が決めた事だ・・・やるしかないな。」

「うぅ~羨ましいのじゃ~皆とガンガン戦えるのは羨ましいのじゃ~」

「しかも、生き残れる人数は2人・・・5人のうち3人は敗退するって事だよね。

だけど・・・私はどんな状況になっても全力で優勝を目指すよ!!」

「でも、この状況は私にとってムクロと戦えるいい機会になった。

私の目的はムクロと戦う事であって優勝じゃないから―――――

だから―――――逃げないでよ、ム・ク・ロ?」

「私はどうせなら優勝を目指して尚且つムクロと心行くまで戦いたいな。」

「つまり、今回のデスマッチにはご主人様狙いが多数いると言う事・・・・

あのブシンと言う方もご主人様と同じ言い回しをしているのを考えますと警戒しておくのが吉でございます。」

いきなりのデスマッチ発言に各自、色々な思いを胸に宿しながら・・・ゾーンの合図によって、俺達は闘技場フィールドへ移動すると――――――


「お、噂をすれば・・・これでプレイヤーは全員集まったな!!

それじゃ、再度第2ラウンドの説明をするからしっかり聞いてくれよ。

第2ラウンドのデスマッチは体力バーがプレイヤー2名になるまで戦ってもらう。

のアイテム、スペル(魔法)、は一切の効果を発動しない。

だけど、回復効果系なら問題なく使用可能だから安心して。

そして、デスマッチ中にライバルとして戦う事もOKだからその辺は君達で勝手にやっておくれ。

以上がデスマッチのおおまかなルールだ・・・質問が無ければこのまま始めるけど・・・・何かある?」

「俺はいつでも始めてもらっていいぜ。」

「私も問題ないよ。」

「右に同じ。」

「ん~私も大丈夫かな。

そこの鎧の人は大丈夫?」

「ガハハハハ!!!お主こそ鎧ではないか!

うむ、ワシも問題はないぞ!!」

5人はゾーンの説明を聞き入れると・・・フェアに試合を開始する為に各自、指定されたポイントに立つと・・・・・


「さぁ~選手は開始地点についた所で・・・皆さんお待たせ!!!

これから第2ラウンド、デスマッチを開催するぜ!!!

それじゃ、各選手達の全力のイイ戦いを期待している!!!

――――――第2ラウンド:デスマッチ・・・・

―――――――レディーーーーーーーファイッ!!!!!!」

ゾーンの開始の合図が出ると・・・各自真ん中を目指すように走り出した。


「ガハハハハ!!!遂に始まった!!!

激戦がワシを呼んでいる!!!

ヌ?・・・・フンッ―――――――」

「チッ・・・感はいい方か・・・・

それとも威力が低かったか―――――

まぁ、どちらにせよ・・・デスマッチの開始っと―――――」

「発砲音!?・・・アヤカが攻撃を開始した・・・となると、遮蔽物に隠れながら移動しないとマズイ――――――――」

「えっと、この状況は・・・戦った方が良いのかな?」

「いきなりファムと出会うとは俺も思わなかったな―――――」

辺りにアヤカのモノと思われる銃声が響く中、俺とファムが鉢合わせ・・・互いに武器を構えていると・・・・・


「お主たち・・・ココから逃げた方がよいぞ!!!

―――――――――ガハハハハ!!!」

俺達の間を通り過ぎて行ったのは・・・ブシンで、何故かブシンはアヤカのターゲットとされていたのだが――――――


「ファム、一旦ここから離れるぞ!!!」

「え、あ・・・うん、一時休戦って奴だね!!」

「お主たち巻き込んですまなかったな!!

ちょうどいい所に逃げ場があったと思ったのだが・・・まさかお主たちが対峙していたとは思いもせなかったわ!!!

―――――して、この状況をどうする?」

ファムと俺はブシンに巻き込まれ・・・アヤカの攻撃の標的にされながら逃げていたのだが、この状況では何か対抗できる事もなく3人で攻撃を回避できる場所まで移動するか攻撃判定外にまで移動する必要があった。


「くッ・・・ムクロだけで良かったのに、他は要らないのよ―――――」

「そ、そこまでだよ!!!アヤカ!!!」

ユリハは感を頼りに銃声と岩場の高い位置を調べると、予想が的中し・・・そこには長距離ライフルで狙撃していたアヤカの姿があった。


「ヌ?―――――銃声が止んだ・・・ヌシたち以外のプレイヤーと出くわしたか、それとも攻撃判定外に出たかはたまた移動を開始したか・・・と言う事ならば、都合がいい!!

ワシはお主ら2人のどちらかに決闘を申し込みたい!!!」

「おいおい、バトルロワイヤル形式でさらにデスマッチのこの状況で1vs1の提案・・・俺は嫌いじゃないぜ、そう言うの!!!」

「ダメ、ムクロは私と戦うんだから!!!

怪我されちゃ、それを理由にされるのは嫌だから・・・うん、私が代りに戦うよ!!!

いいウォーミングアップになるから!!!」

ファムがそう答えると、ブシンが大きく笑いだし・・・俺に対して引っ込むように合図を取ると・・・ファムも頷き、俺はしぶしぶ後方に下がり2人の戦闘を見守ることとなった。


「はぁ~見つかっちゃったか・・・・しかもユリハに見つかるとは―――――

――――私もツイてないなぁ~

でも、相手がユリハだからって私は手加減しないよ!!」

「それはお互い様だね!!

私も相手がアヤカだからって、手加減はしないよ!

――――――レイスティンガー!!!!」

ユリハが先制でスキルを使用すると、アヤカはハンドガンに武器を持ちかえて迎撃しながら岩場を降りて行った――――――


「逃がさないよッ!!!ハァッ!!!」

「くッ―――――――

やっぱりユリハは早い・・・ムクロと違ってやり辛い―――――

でも、私も色々とおいたから楽しみましょ―――――」

アヤカは数発ユリハの攻撃を受けながらとあるポイントまで移動すると・・・・

ユリハは何かに気付いたのか目を凝らして見て見ると、辺りからワイヤーらしきモノが引っ張っており・・・どのような物かは不明だが罠が多数配置された、に誘い込まれていた―――――――


――――――――その頃・・・ファム達の方でも戦闘が開始され・・・


「ではでは、こちらも始めようかのォ!!!

―――――剣技、乱斬みだれぎり!!!」

「ふん、はぁ、とぉ、これくらい!!お返しだよ!!!

――――――ブレイクランス!!!」

ブシンのスキル攻撃をランスを巧みに扱い、攻撃を凌ぐと・・・ブシンに強烈なスキルを放つと、ブシンは刀で華麗にスキルを受け流し攻撃を回避した―――――


―――――――――コロシアム:第2ラウンド デスマッチ

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