RGRe：リベンジゲームリスタート

第140話 約束の武器

―――――――――コロシアム：第2ラウンド デスマッチ

突然の出来事にファムはよく目を凝らし・・・俺の武器を見ると、驚きと興奮の混じった表情でぴょんぴょんと飛び跳ねていた――――――

「すごいすごい！！！どこにあの攻撃が消えたかと思ったら・・・・

まさかフラムを吸収してムクロが再発動しちゃうなんて！！！

本当に驚きっぱなしだよ！！！」

「喜んでくれてありがたいんだが、流石にあの威力だ・・・多少体力は持って行かれたが、何とかモノにはできた。

あと、このスキルは対象とするモノを吸収したら使い切るまで使用できなくなるデメリットが存在する―――――だからファムには悪いんだがさっきのフラムストライク分のお返しをさせてもらうぜ！！！ぜいあッ！！！」

俺はファムに向かって赤く染まり、燃え滾（たぎ）る剣を振るうと・・・ファムの使用していた時と同様に火がファムを襲った――――――

「きゃぁッ！！くッ―――――まさか自分の火に自分が焼かれるなんて・・・・

まさかこんな日が来るなんて想像もしてなかったよ。

だけど、私は最後まで・・・体力がなくなるまで全力でムクロに挑み続ける！！！

―――――――ブレイクランス！！！！！」

「スキルで火を消したか・・・・やるなッ！！！ハァッ！！！

それじゃ、これならどうだ！！！

――――――――――自己流：火焔ブレイブダンス！！！！」

俺はファムに対して火焔と複合させたスキルを発動すると・・・ファムは為す術もなく自慢のランスでガードしていたのだが――――――ブレイブダンスによる連続攻撃で少しずつ傷つき、一瞬のガードの緩みを俺は見逃さずファムのランスを弾き飛ばし、ファムにトドメの一撃を叩き込んだ――――――――

「あははは・・・あぁ～あ・・・やっぱりこうなっちゃったかぁ～

でも、最後の最後まで全力で戦ったから私はすごく満足だよ。

だから、ムクロ・・・私の分まで戦って、優勝して！！」

「あぁ、ファムの覚悟・・・そして託された思いは俺が優勝にまで連れて行ってやる―――――だから、少し休んでるといいぜ。」

俺は倒れたファムと軽く握手を交わすと、ファムは体力バーが消滅した為フィールド外に飛ばされ・・・俺はユリハとアヤカを探しにユリハの進んでいった方向から銃声のようなモノが聞こえ、音のした方に向かって行った。

―――――――闘技場岩場地帯・・・・・

「ハァハァ・・・・ユリハの勘って相手にしたらすごく厄介ね・・・・

罠の位置といい銃弾の防ぎようといい、見切りが良すぎる―――――

くッ・・・見つけるのも早いのよッ！？」

「いたッ！！！ていヤッ！！！！

―――――――ぐッ・・・外したッ！！！」

アヤカとユリハは俺達が戦っている間も戦い続け、互いに体力バーが黄色で・・・アヤカは見切りと勘のいいユリハに対して思ったように攻撃ができず、逃げながらのヒットアンドウェイを基本にして行動していたのだが―――――――

「なッ！？なんで目の前にムクロが出てくるのよッ！？

チッ・・・仕方ないわね―――――

――――――――――隠密！！！」

「お、アヤカか・・・やっと見つけ―――――

のわッ！？・・・・ど、どうして俺を押し倒すんだ！！」

「シッーーーーーー（今、声出すと隠密が解けちゃうわよ！！！）

―――――――――（それとも、アレと相手したいの？）」

アヤカが指さす方向から、細剣を構えながら辺りをきょろきょろと注意深く何かを探すようにユリハがやってきた・・・・

そして、ユリハは小石を手に取って投げるとワイヤートラップが仕掛けてあったのか・・・投げた部分が爆発していた――――――

「はぁはぁ・・・アヤカってば一体いくつのトラップを仕掛けてるのかしら？

闘技場のはずがいつの間にかFPSのような戦場になっちゃってるし・・・・

それに、ブシンとファムのアイコンが消えてるって事は・・・ムクロ君が勝ったって事だよね。

よし、私も頑張らないと！！！おーーーー！！！」

「何だ、あの気合の入ったユリハは――――――」

「し、知らないわよ・・・私と闘技場で出会ってからあの調子よ？

私だけを執拗に狙う辺り・・・私、ユリハに何かしたかな？」

アヤカは額に指をトントンと当てながら色々考えた結果、特に怒らせるような事も何もしていないと結果が出ると・・・俺の上にまたがるアヤカは腰に付けたナイフを手に取り・・・俺の首元に当て――――――

「ムクロ、ここで遇ったが何かの縁ね！！

つまり、私とこれから本気の勝負をしなさい！！！

Noと言えば即断、ムクロの綺麗な首を断つわ！！！」

「どっちにしても俺は戦うかリタイアしかないってことか。

仕方ない、アヤカと1vs1で戦ってやるから・・・俺の上からどいてくれないか？

コレ、観客席側に見られてる可能性があると思うんだが――――――」

俺がそう言うと、アヤカは顔を赤くしながら涙目で俺を顔を叩（はた）き・・・俺の上からそっとアヤカが離れると・・・俺達はユリハが進んで行った方向とは逆の方向へ進み・・・遮蔽物が無く、圧倒的にアヤカの戦闘スタイルでは不利な場所にやってくると――――――

「さぁ、ココでやろっか。」

「俺はいいんだが・・・アヤカが不利じゃないか？

隠れる所も何もない所で銃（ガンナー）はキツイだろ？

俺の事は気にせず、場所を変えても―――――――」

俺がそう言うと、アヤカがハンドガンを空に撃ち・・・ニコっと笑いながら「ココでいいよね♪」と俺に異論を認めないと言うような態度で、感じ的にもつべこべ言わずに戦えと言っているようにも見えた。

「アヤカがそこまで言うんだ・・・ココで思う存分やるか。」

「そうこなくっちゃ！！！

でも、早くやらないとさっきの銃声でユリハが気付いたかもしれないわよ？

――――フフフ、楽しくなってきた！！」

アヤカは下をぺろりと舐めると、両手にハンドガンを構えると・・・俺に向かって連射して向かってきた。

「はぁッ！！はッ！！！

――――――遅いぜ！！！」

「くッ！！！

―――――まだまだ、これからよ！！！

―――――近接射撃術：速！！！」

アヤカはスキルを使用すると、動きが急激に早くなり剣をハンドガンでガードしながら射撃を行い・・・離れる際にリロードを行う流れが流麗で、俺は見た事のない行動にアヤカから目が離せなかった。

そのアヤカの表情は俺が弾をガードし、攻撃がヒットしていない時でも楽しそうに笑顔であった――――――

「アヤカ、楽しいか？

くッ！・・・・ハァッ！！！」

「そりゃ・・・メチャクチャ楽しいに決まってる！！！

こんなに撃ち合えたのはムクロだけだから―――――――

だから、どんどん撃ち込んであげるわ！！！」

アヤカはハンドガンの弾が無くなるのを確認すると・・・ナイフを投げて俺が撃ち落とす事を計算していたのか、そのスキにライフル銃に持ち替え・・・さらに激しい乱射を行い始めた。

「ぐッ・・・ぐぁ・・・ガハッ―――――――

ガードが間に合わねぇ・・・くッ・・・・

―――――――ファム、力を貸してくれ！！！

――――――――――――因果解放（スキルバースト）！！！！」

「こ、この炎はッ！？

―――――――って、熱いッ！！！あつつつ・・・・・ちょっと、ソレ！！！

ファムのヤツじゃなかったの！？」

俺は残っていたファムのフラムを発動し・・・飛び道具には飛び道具と言う考えでアヤカに対してフラムを放ち、アヤカに多少ダメージを入れると同時にライフル銃を使い物にならなくすると――――――

「フフフ・・・あはははは！！！

やっぱりムクロとの戦いは楽しい、楽し過ぎるわ！！！

本当に、このコロシアムに参加して良かった・・・

でも、これで決着を付けるわ！！！」

「アヤカ、ソレって・・・・・」

アヤカが取り出した武器は、約束を果たした時に受け取るはずの剣らしき見覚えのあるシルエットの銃であった―――――――

――――――――――コロシアム：第2ラウンド デスマッチ