第110話 変化薬
―――――――――21時58分・・・外壁近く・・・
レイたちが戦い始めている中俺はクーリアの意識を確認すると、少しだけ意識があり・・・衝撃と威力により朦朧としていた―――――
「ムクロッち・・・・あたし・・・痛ッ・・・・」
「無理はするな、今回復ポーション使ってやるから。」
俺はクーリアにポーションを飲ませると・・・体力は回復したのだが、意識が未だにはっきりしないままであったのだが・・・・
「ムクロッち・・・あたしのことはいいから・・・後で必ず合流するから・・・だから・・・一刻も早く行って・・・」
「こんな状態の仲間を置いていけるかよ・・・
よし、仕方ないおんぶしていくから・・・んしょ――――
クーリアが軽くて助かった。」
俺はクーリアをおんぶすると、ユリハ達の戦っている場所に向かって移動を開始した――――――
「ハァッ!!!ていやッ!!!!」
「ぬらぁ!!!!砕けるのじゃ!!!」
「オラオラオラオラオラ!!!クソッ・・・前よりかてぇじゃねぇかよ・・・・」
3人の攻撃を防御せずにデロンは受けていると・・・バキバキと少しずつ鎧が砕けているのだが・・・・
「何コレ・・・黒い何かが装甲のような形に・・・」
「気持ち悪いのじゃ~アタイの毛に入るとすごくとるのが面倒な奴なのじゃ~」
「私だってあんなの素手でやりたくはないけど・・・今はそんなこと言ってる場合でもないだろ・・・・・ほら、あちらさんも動き始めたぞ―――――」
スルトの掛け声に3人は動き出したデロンの動きを凝視しいつでも対応できるように構えていると――――――
「ゴアアアアアアアア!!!」
「ぐッ・・・・重いけど・・・この程度ならぁッ!!!ていやァ!!!」
「おぉ~ユリハもなかなかやるな!!!
その空いた腹にとっておきの一撃を叩き込んでやんよ!!!
―――――――
「ぬぬッ!!!何という破壊力・・・・アタイも負けてられんのぉ!!!
――――――――
スルトは前から強烈な一撃を繰り出し・・・反動で動けないデロンのスキを逃さずにユキシロは背から強烈な一撃を叩き込むと、さらにバラバラと鎧が砕けて飛び散った。
「ゴ・・・ガアアアア・・・・ゴ・・・」
「やったのじゃ!!!」
「おっしゃ!!!アレで倒れなかったらどうしようかと思ってたが・・・何とかなったな!!」
「そうだね、デロンもこれで解放されるはず―――――ッ!?」
ユリハは何かを感じデロンを見ると鎧が殆どが崩れ落ち・・・その中身の黒いモノがデロンにの体全体を覆うと、鎧のように形を変化させていた―――――
「アレが鎧を操ってた黒い奴・・・気色悪いったらありゃしねぇ・・・」
「そうじゃな、しかも
厄介なヤツじゃな―――――――」
「みんな!あの体に浮き出ている
ユリハはデロンの体に表れた弱点だろうという部分を見つけると、それに狙いを定めクイックシフトを使い・・・攻撃したのだが――――――
「ゴアアアア・・・・」
「くッ・・・この黒いヤツが邪魔をして攻撃が通らない・・・・」
「ユリハ!危ないッ!!!」
「ぐッ・・・間に合えぇぇぇぇ!!!!ふんッ!!!」
ユリハの攻撃を防ぎ、攻撃を繰り出すデロンに対してスルトは攻撃にカウンターを入れ巨大な腕を上へと軌道を反らし、2人はユキシロのいるあたりまで移動すると、あのコアにダメージが入るような攻撃方法を考えなければ二の舞になると感じ、迂闊に飛び込むことができなかったのだが・・・
「よし、その攻撃方法を考えている間・・・私とこの犬っころとでヤツの注目を惹くからよろしく頼むぜ?」
「ぐぬ・・・仕方ない・・・主殿の指示もある故・・・仕方なくやってやるのじゃ!!!」
「わかった、2人とも無茶しない程度で時間稼ぎよろしくね!
全力で策を考えるから―――――」
スルトとユキシロは頷くと、デロンに飛び掛かり強烈な一撃を叩き込んだ――――
「ゴアアアアア・・・・・」
「やっぱダメか・・・あの黒いのさえ何とか動きを止められたら何とかなりそうなんだがな・・・・」
「アタイも負けじとパーーーーンチなのじゃ!!!」
スルトの攻撃を防いだ前からではなく、今度も背後からの一撃を狙ったのだが・・・・
「ぐぐぐぅ・・・・今度は背後にも対応できるのか・・・・これはこまったのぅ。」
「こうなりゃ、ヤケだ!乱打乱打・・・数撃って当たるまで撃つ!!!!!
おりゃあああああああ!!!!」
「仕方ない、アタイも乱打を手伝ってやるのじゃ!!!!
りゃああああああああ!!!」
「ゴアアアアアアアアアア・・・・・」
「2人のあの乱打攻撃も黒い何かにダメージが入らない・・・
一体どうすれば・・・でも、アレは――――――」
ユリハが見たものは・・・・2人の乱打攻撃に対してデロンの体から目のようなものが複数出ており、その目が認識している範囲の中にいる2人の攻撃が防がれているという仮説ができると・・・ユリハは
「ゴアアアア・・・・」
「攻撃が当たった・・・・・ユリハ、それはどうやったんだ!?」
「アタイたちがいくら攻撃してもダメだったのにのぉ~
一体どんなからくりがあったのじゃ?」
「2人とも!攻撃をその目のような物体から見えない位置からすると攻撃がヒットするよ!!!」
ユリハの助言でスルトとユキシロは何かをひらめいたかのように高速で移動しながら攻撃を開始すると―――――
「ゴオオオオオオ―――――」
「2人の攻撃が効いてる・・・・あの黒い目は動体視力が高くない・・・・そうか!つまり、早ければ早いほど認知が遅くなるからスピードを上げて黒い目が追えなくなるまで加速できれば――――――――」
「「攻撃は、当たるッ!!!!」」
2人はユリハの助言からここまで答えを出すと・・・ユリハもこれならと、クイックシフトを使い攻撃の輪の中に混ざりながら変質した鎧のようなものを再度砕き始めた。
「ぐ・・・ぐあああ・・・・このアイテムは非常時用と聞いていたが・・・・まさかこんなにも早く使うとは――――――」
「非常も何もあなたがややこしい事をしなければこういう事にはなっていなかった・・・いいえ違いますね、ご主人様に私たちに目を付けられた時点であなたは終わっていたのです。」
レイはバルトルの変化に注意しながら、話していると・・・バルトルは少しずつモブのような姿に変わっていった―――――
「これは・・・・あの薬品を投与してプレイヤーがモブに変化するなどというアイテムがあったとは・・・ここであなたを本当に倒しておかなければならなくなりました・・・いざ、参ります。」
「これが変化薬の効果か・・・実に面白い・・・」
バルトルの変化は異常で、プレイヤーがアイテムやスキルで変化はすることはあってもモブになるという話は聞いたことがなかったのだが・・・こうして目の前で起こっている事実を重く受け止めると、レイとバルトルとの戦いが再び始まった。
「くっ・・・ちょこまかと――――――」
「これはいい、宙に浮ける能力付とは―――――
ふむ、この姿はカースドリッチーか・・・魔術に長けたモブと聞くが・・・・」
バルトルは剛腕装甲を空中でひょいひょいと避けながらスキルを確認すると・・・スペルを発動してきた――――――――
――――――――――22時14分・・・バルトルとの戦闘再び
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