第84話 情報からの答え

――――――――17時12分ブリザードケイブ・・・ユキシロの寝床


煙が立ち上る中、ユキシロのボリュームある肉体が俺に押し当てられていた―――――


「じゃじゃ~ん!!コレが私のユニークスキル・・・獣から人へ人から獣へ姿を変える能力だ・・・・・このスキルもに来てから使えるようになったスキルで、やっと自由に使えるようになったものなんだが・・・・主殿、どうした?

顔が少し赤くないか?」

「それはユキシロが裸で・・・・いいから服着ろ服ッ!!!」

俺は手探りで布上のモノをベッドの上に手探りで探すと何かを掴みユキシロに叩きつけ反対方向に体を向けた――――――


「主殿は恥ずかしがり屋なんだな~アタイの頭や体をあれだけサワサワしておいて今さら人になったら触りもしないなんて・・・・私は主殿のモノなのだから・・・好きにしていいんだぞ?」

「それでも俺はユキシロを奴隷とも思っていない・・・仲間だと言っただろ?

だから狼の時のユキシロ以外は不用意にサワサワしないの!わかったか?」

と、ユキシロに答えると・・・ユキシロの着替えが終わったらしく振り返ると・・・・・


「主殿・・・これで着方はあっておるかのぉ?

羽織るものと言う事はわかったのだが・・・・」

「俺が投げた手前・・・文句の付けようがないが・・・バスローブだったか・・・・

こんな状態をが見たらなんて言うやら――――――」

俺のフラグを回収するかのようにレイがマッピングから帰って来た――――――


「・・・・・・・・・・・・」

「えぇっと・・・レイ・・・・これはその―――――」

「主殿ぉ~この格好はスースーするのぉ、他に服とやらはないのか?」

ユキシロはベッドに座りローブをぱさぱさとしていたが、その光景をレイに見られ・・・・説明を聞き入れてくれるまで俺は謝り続け、レイはやっとこの状況の理解をしてくれた。


「それで、このすごい格好の女性がユキシロという事は理解しましたが・・・・

ご主人様たちはベッドで何をされていたのでしょう?

もしかしてご主人様の秘蔵の本のア――――――――むぐぐ・・・・」

「レイ、それ以上はダメだ・・・・それに、俺とユキシロは何も無かったしは手を出していない―――――」

俺はユキシロの口から俺の秘密を漏れだすことを懸念し・・・口を塞ぎ口止めをすると、さらにこの状況の説明をしていたのだが・・・俺の一言でさらに疑問点が・・・・


「主殿の説明は概ね正解じゃ・・・主殿はアタイに指一本触れてはおらぬ。

―――――アタイは頭を撫でてもらうために飛びついても無視する始末でのぉ~困ったものじゃよ・・・・」

「・・・・・・・・ご主人様?ユキシロはこう申しておりますが・・・本当に何も無かったのでしょうか?」

「本当に何も無かったから!!で・・・マッピングはどうだった?何か道とか何か情報はあったのか?」

俺は無理矢理話を逸らし、腑に落ちない顔をしながらレイはマッピングと得れた情報を話し始めた。


「この問題は後ほどゆっくりとお話をしましょう・・・・では、今回のマッピングで得た情報をお伝え致します。

まず、この地形はこの上部にある雪原フィールドとは異なる地形、異なった空間にある可能性が高い事と言う事―――――

そして、ここにのない下層から一部に限り上中層にしかいないモブ、エネミーの存在・・・・

これらの結果からこの地下施設はグロリアの上中下層とリンクした並行空間と言う特殊で奇怪な場所と推測されます。」

レイの説明を聞きながらユキシロは自分も違う次元?から来たと言うとレイが顔を傾け?を浮かべていた。


「ユキシロが別次元からの現われた元モブの可能性は戦闘面や現在の異様なスキルの使用を見れば納得です・・・・

ですが、ご主人様と契約をなされた以上・・・危害を加えることはないと存じ上げておりますが・・・その辺りはどうでしょうか?」

「ニシシ・・・大丈夫、アタイは主殿にくびったけでじゃい。

危害を加えるどころかもっとこちらに構って欲しいくらいじゃぞ?」

ユキシロが俺に絡みだすとレイが睨みつけながらコホンと、咳をして話を戻した。


「それではくびったけなユキシロに窺います・・・ここからさらに続くに何があるか御存じですか?」

「レイレイ・・・・を見つけるとはのぉ~

そうじゃなぁ~地下はアタイは行った事はないが・・・きっと地下に何か秘密があるのだろうよ・・・・何せレイレイも見たと思うが――――――」

「えぇ・・・上層部のエネミーがぞろぞろしていました・・・・

何か大きな門を守って・・・・アレはユリハ達と合流を待つか別の機会にするのが得策かと――――」

俺はその上層部のモブの特徴を聞くと、大体どのモンスターがいるのか把握すると・・・・・


「この上層部のモブなら大丈夫だ・・・エネミーって言う程の奴でもない。

の上層部の雑魚だ、アレくらいのなら俺はソロで見切り慣れてるから俺だけでも突撃して突破できるがどうする?」

「カッカッカ!愉快!愉快愉快!!アタイの主殿は相当な武人だったのか~

見てもおらぬのにアレを1人で刈りとると言うのかえ?

アタイが見ても分かる・・・主殿は・・・アレらと戦うと間違いなく死ぬぞ?

それでも行くと言うのかの?」

「あぁ・・・任せとけ。

俺はやると言ったらやる・・・・俺には戦う事でしか自分を表現できないからな・・・・」

「ご主人様、ユキシロの行っている事は正しいのですが・・・私はご主人様のメイド・・・・メイドは意見するモノではなくご主人様につき従う事が務め・・・地獄の果てまでもお供いたします。」

ユキシロは笑いながらベッドの上でゴロゴロと転がりながら俺に揺さぶりをかけていたのだが、俺の揺るぎのない心と目に嘘はないと感じ―――――――


「主殿のその目とレイレイの主殿について行くのであれば・・・アタイも参戦しないと寝覚めが悪いというか・・・・主殿とならアタイもどこまでもお供しよう!」

「ユキシロならそう言うと思った・・・・さすが俺の仲間だ!」

「それでは、準備の完了次第・・・その目的地まで移動し一斉攻撃で制圧し地下に下りましょう――――――」

レイの合図でアイテムの整理を行いながら・・・レイは部屋を見て回り、綺麗なカーテンや布地でユキシロ用の衣装を仕立てると・・・ユキシロにぴったり合い良く似合っていた。


「レイレイこれすごくいいぞ!

動きやすくてサイズもぴったり!

でも少しだけ・・・胸がきついかも?」

「そうですか・・・・まさか・・・この場で胸が成長していると言う事は・・・・」

「よし、俺はアイテムの整理と準備ができたがそっちはどうだ?」

俺が2人に準備ができたか尋ねると、2人は完了と言い・・・・俺達は上位層のモブがいる場所を目指してさらに移動を開始した――――――――


―――――――街外れの巨大門前・・・・・


「ご主人様・・・あそこです・・・・あの先に地下へ続く階段が伸びているのですが・・・・中級から上級層のモブ、エネミーが多く迂闊に飛び込めば、即・・・死が与えられるでしょう・・・それでもまだご主人様は突撃しようとお考えですか?

今ならまだ引き返す事が出来ますが――――――」

「レイ・・・・レイなら分かるはずだ・・・・俺が戦いの中でしかダメなやつだってこと。

だからココは俺の・・・俺の為のステージだ!!」

「主殿、言う事だけはいっちょまえやね~それなら・・・・その実力みせてかのぉ~」

俺はユキシロの発言に答えるようにクイックシフトを使用し・・・・アースゴブリン2匹を瞬殺し消滅させると、他のモブが俺に向かって突撃してきた―――――――


――――――――GYAAAAAAAAAA!!!!

―――――GYAGYAGYAAAAAAAAAA!!!

――――GAOOOOOOOOOOOOO!!!


「ご主人様ッ!!下がって!!ここは私が!!!」

「大丈夫だ、こいつらの動きは覚えている・・・・主モンスターほど希少でもない限り・・・俺は相手の動きを忘れはしない!!!ハァッ!!!!ハッ!!!!ハァッ!!!」

襲いかかるハンマーと槍の攻撃を剣で受け流し、さらに2匹のアースゴブリンとアースドワーフを消滅させた―――――――


「主殿はアタイが見てきた威張る事や口だけしかない男と一緒かと思ってたけど・・・・

アタイの眼に狂いはなかった!!!アタイが求めた強くて信じられる人はやっぱりこの主殿だけやのぉ!!!」

「そうですね・・・・あのようなイキイキした戦いをするのはご主人様だけでしょう・・・・

だから私もご主人様に救われた日からどこまでもご主人様の事だけを信じて戦うだけです・・・・・それでは私達も参りましょうか―――――」

レイがユキシロにそう言うとユキシロはニヤリと笑みを浮かべ2人が慕う者の元へ駆け出していった――――――――


―――――――17時39分・・・街外れの巨大門前:戦闘中

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