第80話 荒野での戦い

―――――――――――15時45分・・・薔薇の迷宮


レイの膝枕をされてから数分・・・・そろそろ本題の探索をする為にレイと話をする事に・・・・


「ご主人様~可愛い私のご主人様~」

「その変な歌の途中で悪いんだが・・・・そろそろ探索かモブ狩りに行こうかなと思っているんだが・・・・ダメか?」

「そうですね、いつまでも私のワガママでこうしている訳にもいきませんね。」

レイが俺の提案を聞き入れ、薔薇の迷宮の事をユリハたちには秘密にして・・・・俺達は違うフィールドに向かう事にした。


――――――――荒野フィールド:名も無き砂漠


「ご主人様、この辺りからモブの反応があります・・・・」

「ここは荒野フィールドで何も見当たらないんだが・・・・レイ、どこにいるかわかるか?」

俺の目にはモブの影すら視認できなかったが、レイのセンサー的なモノは何かを捕え・・・・モブの潜んでいる場所を指差した――――――


「ご主人様、あのもこっとなっている地面の下にモブが潜んでいます。

それも中々の大きさのモブがいます―――――――」

「そうか・・・・アレだな?・・・・イケッ!!!!」

俺はレイの指さす場所に小石を投げると、地面の中から巨大なサソリのモブが現れた。


―――――――GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!


「ご主人様、これは見事なサソリですね、大きなツメ、大きな毒のありそうな尾・・・・」

「冷静に分析してないで行くぞッ!!ハァッ!!」

目の前に現れた巨大なサソリ・・・バトルスコーピオンは中ボスくらいの性能だが、尾の毒は毒と麻痺の状態が両方入る危ない能力を持っている珍しい種でもある。

俺はまず尾を切り落とす為にサソリの攻撃範囲外に回り込み尾に攻撃をかました。


――――――――GYAAAAAAAA!!!


「見事です!ご主人様!!それでは私もお手伝いいたしましょう・・・・

剛腕装甲!!・・・・メイド服が汚れてはいけませんので程々に致します―――――」

「レイは装甲でサソリのツメを何とかしてくれ!その間に俺は全身に攻撃を入れてダメージを入れる!!!」

「了解です、ご主人様。」

俺の指示を聞くとレイはサソリの目の前に飛び出し、剛腕でサソリの両爪を掴み上げ・・・メシメシとツメが砕ける音が聞こえていた―――――


「あの装甲はいつ見ても容赦のない威力だな・・・・・

それじゃ、俺は俺の仕事をするか!ハァッ!ハッ!!ハァァァ!!!」

レイがサソリのツメを掴み上げ、固定している間に俺はソードでサソリの体力をガンガンと減らしトドメの一撃を入れた――――――


――――――――GYAAAA・・・・・・


「討伐完了ですね、ご主人様。」

「そうだな、でもアレを見てもそう言う事言えるか?」


――――――――GYAAAAAAAAAAAA!!!!!


「アレは・・・・ムカデ?・・・・でしょうか―――――」

「あぁ・・・このサソリが仲間を呼んだんだろうな・・・・しかも辺りの地面からも数体現われて来てるな―――――気合入れろよ。」

「了解です、ご主人様。

私も久方ぶりに頑張らせていただきます・・・私のメイドの雄姿をその目に焼き付けてくださいませ―――――」

レイは頭をペコリと下げると、装甲を巨大な剣と槍に変化させ・・・・巨大なムカデに向かって行った―――――


――――――――GYAAAAA!!!

―――――――GYAAAAAAAA!!!


俺はレイの反対方向にいるムカデの群に向かい、戦闘を開始した―――――――


「これでどうでしょうか?戦神の大剣アレスクブレード戦神の極槍ロンギアヌス!!!」


―――――――――GYAAAAA!?!?!?

―――――――GYAAAAAAAA・・・・・


レイの巨大な大剣は炎に包まれ、槍は紫色の毒々しいオーラに包まれ・・・2匹の巨大なムカデを瞬殺すると、他のムカデを追撃しに行動を開始していた。


「流石だな!!俺も負けてられないな!!――――――クイックシフト!!!

――――――ブレイブダンス!!!!」


―――――――GYAAAAAA!!!

――――――GYAAAA!!


クイックシフトでムカデの足元まで高速で移動し・・・スキルでムカデをばらばらにして、レイの方向にいるムカデの残りの討伐を開始した。


「レイ、加勢するぜ!!ハァッ!!!」

「助かります、ご主人様。」

レイと息を合わせ、ムカデの攻撃をレイが受け流し・・・・その攻撃の切れ目に俺が攻撃を繰り出し、トドメにレイの装甲で一気に決めると言う流れるようなコンビネーションで4体の巨大ムカデを倒しきった―――――


「お疲れ様でした、ご主人様。

今回のレアドロップは・・・蟲殻の宝玉と猛毒の尾になります。」

「レイもお疲れ、ん~このレアドロップはすでに持ってるからレイにやるよ。」

「それでは・・・・ご主人様・・・・アレ?・・・体が・・・・動かな―――――」

「レイッ!!!!――――――」

レイが急にバタッと倒れステータスを見ると毒と麻痺の状態になっていた。

レイの体を調べると手にかすかな傷があり、ムカデの毒針がかすったのだろうか・・・そこから全体に毒が回っているようであった―――――


「ご主人様・・・・私・・・体が・・・・」

「大丈夫だ・・・・だが、少し待ってくれよ・・・俺達は返してくれないらしい――――」


――――――GYAAAAA!!!!

―――――――GYAAAAAA!!!


地鳴りがしたと思えば再び巨大なムカデが2匹現れ・・・・その内の1匹は王冠マーク・・・すなわちこの辺りの主モンスターが現われていた―――――


「こんな時に・・・主モンスターかよ・・・・何が来てもレイを見殺しになんて絶対にできない!

――――――さぁ、来いよ!!!」

「ご主人様・・・私を置いて・・・逃げて―――――」

レイが最後に自分を見捨てて逃げるように言うと気を失ったのか目を閉じて動かなくなった。


「置いて行けるわけないだろ・・・・絶対にレイは助けるから少し待っててくれ・・・・」

俺は武器を握りしめ、主モンスターに突撃し戦闘が始まった。


―――――――――GYAAAAA!!!!!!!


主モンスターの体は普通の巨大ムカデと違い、より黒くより禍々しいフォルムで貫録があったが、今は悠長にどういう行動を取るのか探る時間が無く・・・俺はまず隣にいる普通の巨大ムカデを倒す事にして飛びかかった―――――――


―――――――GYAAAAA!!!

―――――――GAAAAAAAAAAA!!!


「ブレイブダンスッ!!!!ハァ!!ハッ!!!」

スキルを使用し、巨大ムカデを3頭分に斬り落とすと主モンスターから少し距離を取り攻撃する機会をうかがっていた―――――


―――――何とか巨大ムカデは倒したが・・・問題はこの主の方だな・・・さて、どうするか・・・・・


――――――――GYAAAAAAAAA!!!!

先に動いたのは主モンスターで地面を巨体が這いまわり俺に突っ込んできた―――――


「コイツ!!!早いッ!!!ぐはッ――――――――」

俺はムカデのタックルをガードしたのだが、体格とスピードで威力がケタ違いで俺は弾き飛ばされた。


「くッ・・・・ダメージはそこそこか・・・・ガードして良かった。

だが、あのスピードにあの突撃攻撃は面倒だ―――――

早急にケリを付けるか・・・・

ユニークスキル・・・起動ッ!!」

俺はユニークスキルの忌魔眼ラプラスのひとみを発動し、ゆっくり歩きながら主モンスターに向かって行く・・・・


――――――GYAAAAAAA!!!!


「お前の攻撃は俺を捉えることはできない・・・・今度はこちらの番だ。」

主モンスターの消化液攻撃を避け、毒針攻撃を剣で弾きながら主モンスターの目の前までやってきた・・・・・


――――――――――GYAAAAAAAAAA!!!!!!!!

主モンスターは全身を使って俺を叩き潰そうと鞭のようにしならせ攻撃して来たのだが、俺はその攻撃の際にクイックシフトを使用し主モンスターの体にソードを突き立てながら全身を切り刻み主モンスターの体力バーが無くなり消滅が始まった――――――


―――――――――GYAA・・・・・・・A・・・・AAAA・・・・・


「はぁはぁ・・・・レイッ!!・・・・早く安全な場所に連れていかないと―――――」

俺はレイを抱えるとモブの入れない安全地帯まで移動し、レイが目を覚ますまで看病する事にした――――――――――


―――――――――――16時7分・・・・荒野の安全地帯:オアシス

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る