第63話 再開と進軍
―――――――――20時23分・・・・
俺とユリハはクイックシフトを使用し、全速力でライザーのいる防衛地点に戻っていると、巨大なクレーターや大きく抉れた地面があり、戦闘の激しさを物語っていた―――――
「クーリアにエリエントにミスト・・・皆、大丈夫かな・・・・―――――ていやッ!!」
「そうだな・・・皆、無事でいてくれよ―――――ハァッ!!!」
俺たちはモブを蹴散らしながら仲間たちや他のプレイヤーの無事を祈りながら戻ることしかできなかった。
―――――――街の防衛付近・・・・
「くそ・・・ゴーレムがやはり倒しきれねェ硬さだなッ!!!」
「ライザー!そうじゃない!ちゃんと弱点を狙って攻撃するんだ!!」
「WステータスUP&キュワライト!!!
こんなに忙しいイベントは初めてだよ・・・・私のポーションも尽きちゃうよ・・・まったく・・・ムクロっちたち・・・無事なのかな――――」
――――――クーリア、ありがとうよ・・・バフが効くぜェ~
―――――俺達もまだまだやれるぞ!!!!
――――――ライザーのギルドに負けてられるかよ!!!
―――――俺達、ゴルバスのギルドメンバーも加勢する・・・
―――――ヘルファイヤードラゴンのクエストで世話になった借りを今ここで返そう!!
「よぉ、久しぶりだな・・・・俺達も加勢するぜ・・・」
「ゴルバスか・・・助かる・・・この辺はゴーレムが多いから動きを止めてから戦うと良いぞ。」
「やっと援軍が来てくれたんだね・・・他の見ているプレイヤーももっと加勢してよ!!!」
クーリアやミストの対応を見てゴルバスは大笑いしながら仲間を引き連れゴーレムの多いポイントに向かい討伐を開始した―――――
――――――こりゃ、通常のゴーレムじゃないな!!!
――――そうね、でも・・・ここを守らないと私達の大好きな果実酒のお店も無くなっちゃうのは嫌だし、頑張らないとね!!
―――――ここまで来てもまだ酒の話かよ~勘弁してくれよ、まったく。
―――――それだけ言えてらぁ上等だ!!一気に終わらせちまおうぜ!!!
ゴルバスのギルドメンバーも冗談を言いながら息の合ったコンビネーションで次々とゴーレムを討伐して行く中、最前線の方から凄い勢いでゴーレムを倒す2人組が前進して来た。
「おっと・・・これはプレイヤーだな・・・危うく勢いできるところだった――――」
「もぅ・・・ムクロ君、ちゃんと確認してから攻撃しないと危ないよ!」
「はっはっは・・・・よぉ仲の良いお二人さん・・・久しぶりだな。」
俺たちはゴーレムを討伐しながら移動しているとやっとの事でライザーの防衛地点付近まで戻る事ができ、更にゴルバスと再会を果たした。
「と、色々話したい事はあるが・・・クーリアやミストはこの後ろにいるから合流してきな。」
「あぁ、ありがとうな・・・・ゴルバス、無茶するなよ。」
「ありがとうございます!ゴルバスさん・・・・それでは――――」
ゴルバスが後ろにミストやクーリアがいる事を伝えてくれたのは嬉しいのだが、何か胸がザワザワする不安な気持ちが溢れていた―――――
「ぬぉう!!!くそっ武器が―――――」
「ライザー!!!くそッ・・・間に合わない・・・・」
「ヒェーーーーライザーが潰されちゃう!!」
「ハァッ!!!」
「ていやッ!!」
俺とユリハは後少し遅れればゴーレムの大きな腕に潰されかけていたライザーを助けると同時に俺たちは、ミストとクーリアにただいまと一言、言うと―――――――
「やっと帰ってきたか!!このこの~~」
「ムクロっちにユリハおかえり!!!ずっと待ってたんだよ!!」
「あぁ・・・それはすまなかったな、敵側のプレイヤーと戦ってたんだ。
ところで、エリエントが見当たらないが・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
ユリハが俺の袖をギュッと握りしめるとかなしい表情を浮かべ、クーリアが話そうとするとミストが顔を振りクーリアの代りに現在の状況を話し始めた―――――
「そうか・・・報告ありがとう・・・クーリア、お前だけでも無事で良かった・・・・
だから、ユリハにクーリアもそんなに泣かないでくれ・・・」
「だってぇ・・・エリちゃんが・・・エリちゃんがぁ――――」
「私のせいでごめんなさい・・・・ごめんなさい―――――」
「・・・・・・・・」
ミストはかける言葉もなくただ腕を握りしめながら2人を見つめることしかできずにいたが、俺はクーリアとユリハを抱き寄せると泣き止むまで頭をそっと撫でながら落ち着かせながら、ミストも辛い表情を浮かべていたのを察し、ミストも抱き寄せると・・・吐き出せなかった感情にミストも涙を浮かべ泣き出していた―――――
「皆、辛いだろうがやるしかない・・・・エリが命がけで勝ち取ったんだ・・・本当に負けられない・・・この戦いだけは。
だから、この先に進むぞ・・・・あの塔に、女神を停止させに―――――」
「うん、まだまだ泣き足りないけど・・・エリちゃんの為にもここにいる皆の為にも・・・行こう!
塔に!!」
「そうだな、このイベントの元凶を停止させイベントを終結させよう――――」
「私、エリや皆に助けてもらってばっかりだったけど・・・今度は私が皆を助けるから!!
エリの意思は私が受け継ぐ!!」
それぞれが泣き止むと、俺たちは降ってきた敵の塔の部分に攻め入る事を決めライザー達に話すと―――――
「そうだな、なら・・・早く行った行った――――
ここはこれ以上長くは持たないだろう・・・・何せ、ゴーレムが強くなってるのとアイテムが切れ始めてる。」
―――――コラァ!!団長、何休んでるんですか!?ちゃんと戦って下さいよ!!
人数不足にアイテムの枯渇・・・・いろいろ問題しかないけど私たちが戦って死守しないといけない所はここなんですよ!!
―――――そうですよ、俺達にはあの塔へ向かう二へ実力がなさすぎる・・・・
その上、まだ1人プレイヤーも残っているようだしな・・・・
――――――ここでひたすら狩り合いする方が俺達には性にあってるからな。
―――――ゴルバスからの伝言です!これからチャームを使い道を開くそうで・・・・
道が開けたら突撃しろと言うことらしいです!
「ゴルバスの奴、話が早くて助かるな・・・・帰ってこられたら皆で宴会だって伝えておいてくれ。」
―――――――――――りょ、了解しました!!!
「ムクロ君ったら・・・もぅ勝利宣言出しちゃっていいの?
まだまだこれからなんだよ?」
「そうだぞ、あのロネッサに女神まで控えてる・・・これは一筋縄ではいかないぞ?
何か策でもあると言うのか?」
「ムクロっちなら大丈夫だよ・・・きっと・・・だってあの目を見たらわかる・・・エリと同じ何者にも退かない何かを確信した時の目だよ―――――
だから、私はムクロっちについて行くよ!どこまでもね!」
クーリアが俺に抱きつくと、ミストとユリハは安心したかのように笑みを浮かべるとゴルバスのギルドメンバーがゴーレムの群を引き剥がす作戦を開始するまで待機することに。
「ムクロ、この戦いが終わったら俺と真剣勝負をしてくれないか?」
「あぁ・・・いいぜ、売られたケンカは買わないとな!」
俺はライザーと再び対戦をする事を約束すると、互いに気合を入れるとゴルバスのギルドメンバーに動きがあった―――――
――――――それじゃやるぞ!!!!
―――――チャーーーーム!!!
―――――チャーム!!
―――――チャーーーム!!
複数人の女性プレイヤーが魅了スキルを使用し、ゴーレムの群の分断に成功し大きく道が切り開かれると、俺たちは振り返る事無く塔に向かって前進を開始した―――――
―――――――――21時34分・・・・
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