第51話 作戦会議?

――――――――12時56分・・・商店街:ベンチ


俺は由里と考えた結果、さらに追加されるであろう情報の対応をスムーズに行うためにグロリアで合流する事となり家路を急いだ。


「それじゃ悠一君、私こっちだから。

グロリアにインしたらプライベートルームに向かうね。」

「あぁ・・・今日は由里と一緒にいれて楽しかった。

あと、この上着もありがとう・・・・」

「うん・・・それじゃ・・・また、あとで。」

「あぁ・・・また、後で―――――」


別れを言うと、俺たちは別々の家路を歩き始めた―――――――


「ただいま。」

「おかえり~悠ちゃ~ん。」

俺が帰ってくるや否や、姉さんは台所から飛び出してやってきた。


「ずいぶんと早かったのね。

それ、何持ってるの?」

「ちょっと、戦争イベントの情報が公開されたから早めに帰って来たんだ。

それと、コレは俺の新しい上着なんだ・・・・

自分で選んだコレを由里がプレゼントしてくれたんだ―――」

グロリアの話にはあまり興味を示さず、由里からのプレゼントというワードに姉さんが過剰に反応を見せた。


「悠ちゃん・・・今回の由里さんとの経緯を詳しく――――」

「えぇっと・・・その前にシャワーを浴びたいのと・・・部屋にあげてくれないかな・・・・」

姉さんは俺の肩を両手で強く握りしめ今回の事を聞き出そうとしていたが、俺の発言にハッとして我に返り姉さんは笑いながら台所に消えて行った。


姉さんはたまに俺の事に対して気になりすぎると、こうやって聞き出そうとする時がある。

その時の姉さんの対応は簡単で姉さんをまず我に返す事が必須である。

姉さんを無事、台所に移動させると俺は荷物を部屋に置き、シャワーを浴びに向かった。


「さてと、シャワーでも浴びてからグロリアで由里たちと合流するか。」

「待って、悠ちゃん・・・本当に由里さんと今日は・・・その・・・本当に何も無かった?」

台所に移動したと思えば姉さんが風呂場に入った俺を追ってやって来た。


「うん、姉さん・・・大丈夫だよ。

あと、何も危ない事はしてないよ。

シャワーを浴びてからグロリアで集まる事になってるんだけど・・・姉さんも参加してくれる?」

「参加って・・・シャワーに!?」

「違うよ・・・グロリアにだよ・・・姉さん――――」

「冗談よ、悠ちゃん・・・そんな悲しい目でお姉ちゃんを見ないで、グロリアにでしょ?

大丈夫、ちゃんと参加するわ。

だって悠ちゃんのお願いなら無視なんてできないから・・・・

それじゃ、シャワー浴びてらっしゃい。」

姉さんがそう言って風呂場から退出すると、俺はシャワーを浴びて自分の部屋に戻った。


――――俺はシャワーを浴びた終わった事を姉さんにブロッサムで伝えると、先にグロリアで待っていると返事が帰ってきた。


「早いな・・・いつもこうだったらいいんだけどな・・・・」

俺はブツブツ言いながらグロリアにログインし、プライベートルームに向かった。


「ご主人様、おかえりなさいませ・・・・はすでにお掛けになってまだ来ないのか?と言いながらお待ちしております。」

「あぁ・・ただいま・・・俺、すごい待たせてたのかな・・・」

レイの話を聞いて俺は顔を曇らせながら奥に向かうと―――――――


「あ、ムクロっち~~遅いよ~ユリハとイチャイチャするのもいいけどね、今日は大きなイベントあるんだからしっかりしてよ!」

「そうです、ムクロはもう少し緊張感というものをですね―――――」

「そうだぞ!私にはまた今度とばかり言ってユリハとならどこでも行くその態度・・・許せん!!!」

「ごめん・・・皆に迫られて全部話しちゃった―――」

「どうやらそのようだな・・・・この荒れ具合を見ると・・・・な。」

これは戦争イベントの話し風景ではなく、違う戦争イベントが勃発していた――――


「つまりだね・・・戦争イベントが来てるのに――――

ちょっと、そこっ!!何イチャイチャしてるのッ!!

私が久々に力説しているって言うのに!!!」

「これは・・・ムクロには個人的に説教しないとだめなようですね・・・・

覚えてますかムクロ・・・あの調教の日々を――――」

「調教だと!?・・・一体エリエントと昔にどんなプレイをしていたと言うのだ!?」

「私も・・・その辺きっちり聞きたいところかな・・・ねぇ~ムクロ君?」

うわぁ・・・エリの一言でユリハも目が死んだ魚のような目になってしまっている・・・・

どうしたものか―――――

すると、俺が悩んでいる様子を見ていたレイがそっと俺をギュっとハグをした。


「皆さんがご主人様を困らせるような事ばかりしているので、私がご主人様を独り占めしてもよろしいのですよね?」

「むぐぐぐ・・・・この・・・わかったよ・・・言いすぎだった、あと・・・この事は忘れようにも忘れられない事実だから・・・その辺ヨロシク!!」

「ムクロ・・・水には流せませんが・・・ですが、リアルで・・・清算よろしくお願いしますね。」

「私も少し頭を冷やそう・・・・だから、レイ・・・私にそのハグの権利を交代してくれないか?」

「私は、またムクロ君とデート計画練らなくちゃ!」

「「「「クッ・・・・・」」」」

ユリハの一言にミストやクーリア達3名はすごい表情でリアクションを取っていた。

そのリアクションを見ていないのか気づいていないのか、ユリハが俺に小さく手を振っていた。


「それではご主人様・・・私はこのままでいたいのですが、ご主人様達のお茶を淹れてきますのでしばし離れることをお許しください・・・それでは後ほど。」

レイが俺から離れると、皆もホっと一呼吸し・・・・今回追加された公式情報の話し合いが始まった―――――


―――――――13時20分・・・・プライベートルーム

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