第30話 新たな装い
―――――――20時35分・・・・平原フィールド:34層・・・永遠の花畑
ユリハたちはかれこれ数十体のモブを倒しながら武器の特性や俺の教えた戦い方を併せながらユリハ達は新しい戦闘スタイルを編み出していた―――――
「くっ・・・さすがムクロ君の特訓メニュー・・・ソード系で戦う相手にしては相手が斬撃系有利の岩石系のゴーレム・・・でも、これくらいじゃないと強くなれないよね!」
「くははは・・・いいぞいいぞ!硬くて硬くて切り甲斐が・・・ある!」
「ムクロっち!ちょいと苦しいんだけどぉ!?」
ユリハやミストは俺の指示に従って上手くコツを掴みつつあったが、少しクーリアが辛そうにゴーレムと苦戦しながら戦っていた―――――
「クーリア・・・・苦戦しているな。」
「ムクロっち!こんなの私向きの練習方法じゃないよ!」
俺はクーリアのもとに向かい耳元で少し助言を与えると――――
「にゅふふ・・・そんなやり方があるなんて~
ムクロっち、ありがとう!
まだまだこの岩とヤリ合えそうだよ!」
助言を与えてからクーリアの戦闘スタイルががらりと変わっていた。
モブは基本的に駆動部分がありその部分を的確に魔法で固定すると楽にモンスターを倒すことが可能になる。
「フリーズボム!からの・・・格闘杖術!」
その動きは遠近対応の真の魔法使いの風貌であった―――――
――――これでクーリアも何とかクリアだな。
俺はクーリアからユリハとミストの方を見るとバラバラになったゴーレムが大量に消滅していった―――――
「くはははは!!いいぞいいぞ!この硬さ・・・もっとだ、もっとぉッ!」
「はぁはぁ――――いい感じに仕上がってきた・・かな?」
二人はお互いに背中を任せるように戦っていた―――
――――さすがの二人だな、教えた通りに上手くやってるやってる。
ユリハは一度教えただけあって飲み込みがいいな。
ミストは見切りがいいのか攻撃の避け方や攻撃の仕掛けるタイミングが非常にキレがあった――――
「お疲れ、二人ともゴーレムをこうも簡単に切り崩すなんて。
二人とも見違えたな。」
「うむ、ムクロの指南のおかげで新たな戦闘スタイルを掴むことができた・・・あ、ありがとう。」
「私も、剣術はムクロ君程じゃないけど・・・回避や弱点の見切りに磨きがかかったよ!」
――――よし、これなら多少クエストの難易度が上がっても何とかなるな。
ユリハとミストも言うだけあって動きが上級層プレイヤーにも負けないくらいの腕になってきていた。
「よ~し皆、ルームに戻るぞ。
これで訓練も一通り完了だ。
一度戻って武具の調整をしてから時間があればまた何かクエスト行こうか。」
「「「了解」」」
俺たちはルームに戻り一度解散し各自装備の調整に入った――――
俺は特にやることもなくいつもの椅子に座りながら自分のステータスを見てため息をつくと、クーリアが装備の調整を終え帰ってきた。
「ムクロっちどうどう?この新しい杖!
格闘と魔法の上がるアビリティの武器を作ってきたんだぁ~」
「いいじゃないか、前の杖よりも少しゴツイ感じがするが・・・」
クーリアが使っていた杖は魔法特化で見た目が可愛い感じの杖であったが今回の杖はクーリアが言っているように格闘や魔法の両方が上がるアビリティを持ち、可愛いという形はどこにもなく何方かというとカッコイイとでも言うべきカタチであった。
「でさでさ、ムクロっち~ユリハやミストはまだなの?」
「クーリア、近い近い。
そうだな・・・まだ2人は帰ってきてないな。」
質問と同時にクーリアがぐいぐいと俺に近づいてくるが俺はそっぽを向きステータスを見直し始めた――――
「もぅ~恥ずかしがり屋なんだから~
でさ、何を見てるの・・・自分のステータス・・?」
「あぁ・・・そろそろステータスでも上げようかと思ってな。」
クーリアが俺のステータスを覗き見しつつ俺の膝にごろんと頭をつけて構ってほしそうにしていた――――
「ムクロっちは・・・まだ強くなろうとしているんだね。
私ももっと強くならないと・・・ね。」
「だな、俺もまだまだ強くなる。
まだまだ楽しくなりそうだな!」
俺とクーリアは笑いながら握手を交わすとミストが続くように帰ってきた。
「ただいまだ、どうだムクロ?
この見事な作りの
わざわざ武器を和風テイストにしてもらうのに手間取ってしまった。」
ミストは2本のカタナを俺たちに自慢するように見せつけ腰につけた和風の鞘にしまった。
――――姉さんは少しビジュアルを意識して作成する癖があって、和テイストがお気に入りらしい・・・・洋風な武器だとすぐに和風デザインに変えようとする姿勢はもはや癖ではなく病気なのでは?と思う程に・・・・武器屋泣かせもいいとこである。
でも、ここは穏便に――――
「アビリティもいいし、ユリハの作った服と武器が相まっていて完璧だな!」
「そうだろそうだろ!ほほぅ、見たところクーリアの武器も新調して性能が飛躍的に上がっているな!」
「でしょでしょ~素材とかリムドとかすごく消費したけどあの武器屋のおっちゃんはなかなかいい仕事をしてくれたよ、うんうん。」
2人が新調した武器の自慢大会をしている間に、俺は新しい武器の制作依頼を武器屋に出して再度自分のステータスを見た。
俺のアバター専用のユニークスキルは前回の黒騎士アバターと少し違い、基本的にアバターにはランダムで1つユニークスキルが付くのだが俺のアバターはレアなケースなのか誰かに仕組まれているのかわからないが、2つのユニークスキルを所持している特にレアでイレギュラーなアバターでその1つのスキルはラプラスの
そして、もう1つのユニークスキルは黒く塗りつぶれ読むこともカーソルを当てても効果が不明という謎のスキルで毎回クエスト終了や特定の行動で解放されると思い色々な方法を試してみたが未だに文字すら読めずに難儀していた――――
――――この2つ目のスキル・・・・一体どんなスキルなんだ?
1人に1つのユニークスキルのはずなのだがこんな稀なケースは長くプレイしてきた俺でさえも聞いたこともない超レアなケースで毎回ステータスを見るたびにため息とワクワクが止まらずにいた――――
すると、俺がステータスを閉じると同時にユリハがルームに戻ってきた。
「おかえり、ユリハ。
装備は結局レイピアとソードのどっちにしたんだ?」
「まだ、装備はしていないみたいだけど、どんなの?どんなの?」
「私もユリハの武器が少し興味がある。」
「皆ただいま、その・・・えへへ・・・私の新しい武器はこれだよ!」
ユリハが自信満々に装備して見せてくれた装備はレイピアとソードが混ざったような武器で、細長く鋭利であり両刃がついている珍しい武器で、武器の項目的にはソードと記されてあった。
「武器屋の人に色々特徴を伝えて注文していたらこの武器ができていたの。」
「あはは・・・でも、すごいカッコいいね!」
「あぁ・・・しなやかでよく切れそうで何より、よく貫けそうないい武器だな!」
「ユリハの新たな戦闘スタイルから見るとレイピアのようなモーションもあったりしたからいいチョイスなんじゃないか?」
これで一通りの武具の調整と戦闘スタイルの改善は無事に完了し、俺たちは新たにクエストを選び始めるのであった―――――――
――――――――21時32分・・・プライベートルーム
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