第8話 謎の介入者と黄昏戦争・・・

俺たちはクリアまでに必要になる装備の生産とステータスの強化をすることにした――――

そもそも、このグロリアのレベル上げは敵を倒すことにより得られる経験値で自動でレベルアップするシステムではなく、ステータス等にポイントを振りそのステータスが一定値になることによりレベルが上がるというシステムになっている。

ユリハはレベルが16に、クーリアはレベル7になっていた―――

ちなみに俺はステータスを上げ、レベルが14まで上がった。

やはり転生をすることによりポイントが全損していたが、前回のキメラ討伐でポイントが大量に入り現在に至る――――


「ねぇねぇムクロっち、ユリハ・・・公式サイトを見てたらさぁ、あのキメラの騒動はこのゲームの中枢システムがGM権限で変更したクエストらしいよ。」

「あのクエストは運営側で行われたものではなくて、システムが強制したクエストってことね。

でも、何故・・・そんなことをしたんだろ?」

俺はその中枢システムである存在を知っている・・・・そう、女神エステリオンの奴しか考えられなかった。

そして、その女神エステリオンが何故ゲリラクエストを強制して緊急クエストにGM権限を使ってまで変更したのか、意図が読めずにいた。

女神がかかわっている・・・・ならサポート妖精のルミ子に聞いてみるのが早いと思いルミ子を召喚した。

「マスター何でしょうか?変態な事以外の要件でお呼びになられたのであれば協力します。」

「相も変わらず毒舌だな・・・まぁ、いい。

ルミ子は女神エステリオンと連絡取れるか?」

俺は女神エステリオンが緊急クエストに絡んでいるという事をルミ子に話し理由が知りたいと話すと、ルミ子はエステリオンとの会話ができるようにしてくれた。


「よし、ユーリア、ユリハ・・・真実を知るために中枢システムである女神エステリオンと通話できるんだが・・・一緒に話するか?」

「え、本当に中枢システムと話ができるの!?

ムクロっち・・・やはりクリアした人はやることが早いなぁ・・・・

でも、興味あるから私は参加する!」

「ムクロ君、私も中枢システムが何を考えて、緊急クエストにしたのかが気になるからもちろん参加するよ。」

2人は臆することなく、女神エステリオンとの通話に参加すると言うと、俺は女神とのグループ通話を開始した。


「あらあら、お久しぶり・・・今はムクロって名前だったわね。

ごきげんよう、ムクロ。

今日はどうしたのかしら?」

「内容なら全部筒抜けだろ?

中枢システムであり安定システムである女神様なら猶更だ。

というわけで、何故ゲリラクエを緊急クエに変更したか、教えてくれないか?」

エステリオンは俺の発言により少し考えるように沈黙し、ボソボソと何かを唱え始め――――


「そこでは、何者かの介入があるかもしれません・・・一度私のいる場所まで転移させます。

もちろん、貴方のお仲間もご一緒に・・・・」

女神がしゃべり終わると同時くらいに光に包まれ3人は女神のいる、クリア時に飛ばされた神域にいた―――――


「いらっしゃい、ムクロ・・・そして白百合の剣士ユリハにクーリア。

私は女神、女神エステリオン・・・GM・・」

エステリオンが自己紹介をしている最中に俺が話に割り込み話をしようとすると。

エステリオンがため息をつき――――


「ムクロ、話は最後まで聞くモノよ?

全ての事柄には順序があるのよ?

でも、私に最高のAIが入っているから、許してあげるのだけれど。

コホン・・本題に入るわね、ゲリラクエストを何故緊急クエストに変えたのか。

それはね、ムクロを少しでも強くする事と、例のスクロールの経験をして欲しかったからよ。」

――――俺を強くする?何故そんな事をいまさらする必要がある?

ゲームはクリアされ強くなる必要性が・・・・

だが、この無理矢理なクエスト変更をする点を見ても嘘をついている風には聞こえない。

ユリハもクーリアも強くする必要性やスクロールの経験をしなければならないという事に不思議な顔をしてエステリオンの話を聞いていた。


「何故強くするのか・・・の真の意味はこれから話すわよ・・・・しっかり聞いてね。

――――外部の会社のゲームコンソールがこのグロリアの世界と並行するようにゲーム世界構成しバイパスを繋げてきたの。

私はこのグロリアの世界の安定性を守る義務があり、その並行する世界を監視していた。

すると、最近そのコンソールを介して私の存在を知り得た側の中枢システムがこう言ってきた・・・・「戦争ゲームをしましょう、貴女の世界と私の世界で、どちらが勝り、どちらがを得るのか・・・・黄昏戦争トワイライト・ウォーズを!」――――と。

私はこの宣戦布告をしたゲームの首謀者である者を特定した・・・・それは・・・・

―――――私の後継AI、第二世代型・・・女神スヴェルト・・・・そう・・・私の妹よ――――」

首謀者は女神スヴァルトといい、他会社のMMOオンラインゲーム「エンド・オブ・カオスⅡ」に登場する中枢システムであり、このグロリアの世界のエステリオンと同じゲームバランスを維持するシステムであったが、手によりデータ改ざんされ、中枢システムの使命を忘れ、他の女神の持つGM権限とメインシステムデータを奪いスヴァルトの世界の拡大を考えている彼女をどうにかして止めようとしたエステリオンは彼女と「黄昏戦争トワイライト・ウォーズ」で勝利し、計画の阻止と女神スヴァルトのメインデータの書き換えを考えていた――――


「疑問点がいくつかあるのだが、問題を起こしているゲーム会社自体はどうなっているんだ?

普通こんな事はゲーム会社が黙って見過ごすはずがないと思うんだが・・・・」

「その辺の問題点はこれから説明するわ・・・そう、なら会社自体に攻撃行為の停止の措置を取らせるのだけれど・・・・そのゲーム会社自体がされていたらどうする?

会社は閉鎖され――――

このゲーム会社はゲームのよ、社員は一切いない、いつの間にか会社自体がゴースト化され、ゲームの筐体のみが暴走している状態なのよ。


「誰かが実験か他の目的で改ざんした女神を使い、何かをしようとしているってことなのか?」

「そこまではわからないけど多分普通じゃないわね・・・・ゲーム会社のトップや社員数名が軒並み行方不明で、グロリアの社員に連絡したのだけれど現状維持という返答で話しにならないのよ。

そこで、危険だけどあちら側の望む形で挑戦を受け入れ、このグロリアの世界があちらを吸収することにしようと考えたの。

つまり、勝てばグロリアの大型アップデートをする形であちらのメインデータをグロリアこちらのメインデータにコンバート作業を行い、コンバートする事であちらのゲームのジョブや様々な情報を得ることでグロリアは更に大きなMMOオンラインゲームになるのと、計画の全容もわかるという考えよ・・・でも負けるとグロリア自体がなくなる可能性がある――――

だから、負けないためにもこのゲームをクリアしたムクロの力が必要になったと言う訳よ。」

エステリオンの話を要約すると、会社には頼れずこの信頼できるメンバーで戦争ゲームを勝利し、このグロリアの世界を守れということか・・・・


「ムクロ君、凄い話聞いちゃったね、私もこの戦争に参加するよ!

だってムクロ君たちと一緒にゲームクリアするまでは終われないよ!」

「私も、少し不安だけど・・・ムクロっちやユリハが一緒なら私は何処までも一緒に戦いに行くよ!

勝利時のコンバートで追加される新機能も気になるしね♪」

2人には残ってもらおうとしたが、こんな真剣な顔をされては断ることもできず――――


「エステリオン、この戦争ゲームの事をどうするつもりだ?」

「フフフ、それには考えがあって・・・ゲーム会社合同企画と言うことにして、コラボイベントとして参加してもらおうと思うのよ。

内容を知る者は私たちだけ・・・・でも、戦力は多い方が良いでしょ?

だから世界規模で参加者を募るわ。

でも、私たちの希望はやはり・・・ムクロ・・・貴方よ。」

俺は希望になれるかわからないが頼ってくれている女神に対してと、この世界でユリハやクーリアとまだまだやり足りない事が多く残っている事もあり、グロリアの世界を救う事を決め、やろうと返事をした―――――


――――――19時35分・・・


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