圧倒的に深く創り込まれたストーリー性を感じました。恋愛というジャンルを軸とした、『心』と『記憶』の物語。
語彙力の無さが今この時に酷く恥ずかしく思いました。この作品は、きっと読む人の心にも響くと思います。
主人公の、最初から最後まで崩れない性格・・・・・それだけで無く、全ての登場する人物の確立されたユニーク性は素晴らしいと思います。浴に言う≪キャラ崩壊≫を起こすことも無く、一定性を保った中にある〝独自性〟。
所謂ユニーク性とも言うそれがしっかりと成されています。
各キャラに設定されたユニークな性格が違和感なく自然に書かれていて、思わず本当にありそうでクスリと笑みが零れてしまいます。
何といっても、主人公のジョークが面白いです。途切れることなく次から次へと出てくるその言葉の数々に、「ああ、やっぱりこうじゃなきゃ」と≪思わされます≫。
つまり、≪ジョークが途切れる場面が在る≫、ということ。だからこそその場面に私達読者は惹かれて、魅せられてしまうのです。
彼女の【心】は序盤、中盤、終盤の三つにかけて大きく動いていきます。その移り変わりや、時たまに現れる【片方】の存在が物語の軸となっていることが分かります。
―――『彼女は1人であり、3人である』。
ラストの部分でその意味が分かるでしょう。そして、序盤から読まないと分からない【彼】の存在意義が分かってきます。
全ての場面に措いて読者を魅了し、そして心に語り掛けてくる物語は、中毒性を以って私を襲いました。
まるで魔法のように私の心を引き留めて、彼女は優しく笑った気がします。彼のジョークと一緒に紡がれる彼女の【心】。
貴方も、この物語に導かれる結論を見てみませんか?