第23話 素数

1と自分自身以外に約数をもたない自然数のうち1でないものを素数という。

つまり、自分以外を受けつけない。

他人の介入を拒む存在ということだ。


誰とも交われない。

僕のような人間。


『個』の確立なんて立派な物じゃない。

ただの拒絶。

大人になるにあたり、柔軟性を欠いた歪な大人。


押されれば凹む、いかような形にでも変化できる。

そんな対応ができる人間が羨ましいとも思う。


それが居心地のいい場所を見つけられるということなのかもしれない。

場所に自分を合わせられること。

僕は、自分に合わせようとしているだけなのかもしれない。

それは摩擦を産むだけだと…自らも、他人も、擦り切れるだけなのに…。

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