第7話 表裏

「本当にコレでいいの?」

風俗嬢である彼女と映画を観た後、彼女はそんなことを言った。

(本当は、私を抱きたいんじゃないの…)

そういう意味だ。

複雑な思いがある…。


彼女が風俗嬢でなければ、映画の後でそうなるのかもしれない。

でも…彼女は僕と恋人として逢っているわけでもない。

この後、彼女は店に行くのだ。


彼女は僕に裂く時間は送迎だけ…今日はその時間が2時間ほど長いだけ…。


僕は、その2時間をSEXではなく、映画にあてた…。


店で呼んでもSEXすることは無い…。


彼女を風俗嬢として扱いたくない…から…僕は彼女に触れられない…。

「本当にコレでいいの?」

普通に愛し合う…そんなことすら僕には過ぎた想いなのかもしれない。

(抱きたいよ…)

「普通に接してくれてありがとう…」

そんなメールが、僕を苦しめる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る