第6話 咆哮

叫びたくなるときがある。

心に、身体に溜まっていくナニカを吐き出したくなるときが…。


僕は、それすらできない。


なぜだろう…車の中でも、誰もいない場所でも、何処だっていいように思う。

でも…なぜか叫べない。


息を吸い込み…声に出そうとしても、声が出ない…。

深いため息に変わるだけ。


情けないと思う。


僕は、自分にすら遠慮してしまうのだろうか…。

それとも…まだ、僕の心には余裕があるのだろうか…。


悲しみも、怒りも、まだまだ溜めこめるのだろうか。


ならば、どうして…僕は泣くのだろう…。

なぜ…毎分『死』を願うのだろう…。

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