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第1話d

子供の頃の記憶には、嘘が多い。

だから信じない。

君も信じないでよ。

ちょっとした怖い話だから。

怖い話かな？

面白い話でいいかな？

どう受け取るかは、君次第だよ。

小学五年生って大抵騒動起こすよね。

これはその騒動に巻き込まれた話しさ。

その騒動っていうのは

幽霊屋敷に連れてかれて忘れられたって感じのやつなんだ。

その屋敷はね、入ったものを逃がさないって言われてるんだ。

なのに仲間だけはにげれた。

おかしいよね無理やり連れって置いていくってさ。

そこに7日間いたんだけど、やっと仲間が来たんだ。

少しは恨んだけど凄く来てくれたことが嬉しかったんだ。

残り少ない力で駆け寄ったよ。

仲間は抱きしめてくれたんだ。

一緒に帰ろうって。

そのときつい笑っちゃったよ。

嬉しかったんだっけ？

悲しかったんだっけ？

やっぱり子供の記憶は曖昧だ。

ごめんね

あれ？どうしたの？

何を怖がっているんだい？

こんなに近くにいてくれたのに…

あの子達は逃がしてあげたけど

君は逃がさないよ

君は何に気づいたの？

座っていた箱の中にあった白い石？

紅く染まった白い布？

この屋敷の7日間について？

何に気づいたの？

僕が、亀から人になってそして呪いになったこと？

それとも仲間達が僕を人にしようと、

穢れなき手を黒に染めて

この屋敷の生贄を捧げて

そのまま一緒に喰われたこと？

どうしたのねえ？

呪うよ？

まぁ、ここに来たら嫌でも呪われるかな？

でも君が来たから仲間達の魂は逃がしてあげた君は救世主。

できるだけ大切にしてあげるから

ね？

ね？

あれ？泡吹いちゃった？

まあいいや。

ここからは逃がさないし逃せない

だって僕は亀だから。

そう亀だから