第7話 会社員時代(2)
記憶を辿る。神戸支店時代から書き直そう。メインはヨットだろう。営業との同行でお得意先の社長に気に入られ、須磨のヨットハーバーに誘われた。社長はクルーザーを持っている。毎週、日曜日はヨット。終われば船上でパーティー。華麗なる休日の連続。結婚式にも招待された。社長は大金持ちで建て替えた家の中にプールを作り、ヨットの模型を浮かべて遊んでいた。
私は、どんな人生を描いていたのだろう。まるで思い出せない。定年までサラリーマンをするとでも思っていたのだろうか。
仕事は総務課。歳の近い先輩が4人いた。会社の業績は最悪。会社の空気は険悪だった。給料日になると、好き物の先輩に誘われてソープに行った。おい、こんなこと書くか。顰蹙じゃないか。俺のイメージが。
平日も無茶苦茶だった。内勤は管理部門だ。業績が悪いのに、毎日、同僚と寿司屋で一杯やるのが恒例だった。私は新入社員だ。誘われたら断れない。もちろん経費だ。
俺はハチャメチャだった。子会社の運送会社のトラックを運転させてもらって事故った。運送会社の社員は始末書を書かされた。私も書いた。
アルバイトで来た女性と仕事帰りに二人で飲みに行った。今ならセクハラだろう。
ここには書けないこともたくさんあった。
仕事か。俺は総務課で椅子に座ってタバコを吸うのが仕事だった。あとは、電話に出ること。資料を作ること。いや、メインは需給調整だ。西宮の工場から、須磨の配送センターに荷物を引っ張るのだ。実際に引っ張るのではない。伝票を打つのだ。
結婚。書かないといけないかな。実は、先輩に結婚相談所を紹介された。当然、女性を紹介された。ああ、やめよう。相手のプライバシーに関わる。
そうこうしているうちに、2年で私は東京に転勤になった。
東京では最初、墨田区の寮に入り、12月に結婚して、馬込のアパートに移った。新婚旅行はハワイだった。香港にも行った。しかし、結婚は3年で終わった。
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