機体設定5

・機体名:ヴィンラード

・分類 :古式

・概略

 ログニスで発掘され、後に操縦者がアルバトロスへと帰参した事で所属の変わった古式魔導機士。古式の中では初期に開発された機体。後発の機体の様な特異な能力は持たず、シンプルにまとめられている。

 その実態は神権機を参考に作られた古式魔導機士第一号機。神の業を最も忠実になぞった擬似神権機とも呼べる機体。それ故にこの機体は二面性を持つ。

 

 単純な古式としては雷の力を扱うバランスのとれた機体。ただ主兵装が鎖分銅付きの大鎌というマイナーにも程がある兵装。現在ヴィンラード以外で大鎌を使う機体は見つかっていない。飛雷刃と呼ぶ機法によって雷を飛ばし、或いは予備兵装の鎖鎌で直接相手に流し込むなどの活用方法がある。その速度から回避は困難。対龍魔法(ドラグニティ)は『|飛雷収円刃(フルムーンライトニング)』。大鎌を巨大な円刃へと変化させ、投擲する飛雷刃を収束させた一撃である。長大な射程から人龍大戦時は対空攻撃に使われていたのではないかと推測される。また、一度だけではあるが対龍魔法(ドラグニティ)の二重起動と言う無茶をやらかした事もある。そんな無茶に答えられるだけの冗長性のある機体とも言えよう。ちなみにその無茶をあっさりとヴィラルド・ウィブルカーンは受け流したという。相変わらず化け物。

 

 古式初号機としてこの機体は槍を主兵装とした物に成る。人の魂――言い換えるとブラッドネスエーテライトを燃料として稼働する狂気の機体。最初期の古式魔導機士はいずれもその様な構造であったらしい。現在の所最初期型と思われる機体はヴィンラードのみで、他の機体は発見されていないため推測である。総合性能としては上記の古式としての艤装を施された後の方が高い。この状態では機法が外部への出力よりも内部への干渉に偏っており、魔力の伝達を雷で行うなどと言う方向での運用を行っている。それによって機体反応速度は大幅に増加している。対龍魔法(ドラグニティ)は『|天墜轟雷(フォールスカイサンダーボルト)』。シンプルに空からの落雷で敵を打ち据える物である。威力的にも射程的にも『|飛雷収円刃(フルムーンライトニング)』の方が高いが、速度という観点では全魔導機士中最速である。

 

 新式魔導機士奪取の際にも使用された機体。その為、新式魔導機士と一番最初に交戦した古式魔導機士と言う事になる。

 

・機体名:デュコトムス強化試作機

・分類 :新式

・概略

 後にデュコトムス・ネイキッドと呼ばれることになる機体。大型機のデュコトムスをウルバールからケルベインへと強化したのと同じ手法で強化した機体。必然、機体は軽量化され、駆動系も高出力、低燃費化している。そのせいで操縦感覚はまたデュコトムスとも違う物となり、乗り手の限られる機体。そうした差異は制式機であるネイキッドになるまで改善はされなかった。総合性能の高さからネイキッドとなるまでにも少数生産され、一部の優秀な操縦者にはこちらが配備されることがあった。

 記録上では初めて古式を撃墜した新式の機体。厳密にはその当時のデュコトムス強化試作機は新式であったかは判断の難しいところではあるが、記録上ではそうなっているのである。


・機体名:機龍

・分類 :?

・概略

 ログニスが極秘裏に開発した龍型兵器。アルバトロスで使用された屍龍に対抗するための切札である。ハルスには内緒で作ったため、実の所色々と問題のある機体。

 その基礎フレームには龍族が生み出した骨格が使われており、他の素材では得られない強度と軽量さを両立させている。その為、完全に龍族の骨格と言う替えの利かない素材を基礎としている事が祟り、量産には一切向かない完全なワンオフ機である。

 各部駆動系等々には魔導機士技術が転用されているが、基礎となっているのは魔導船技術。言うなれば別体系の技術のハイブリッド。当時の先端兵装を詰め込まれており、高い戦闘能力を誇る。

 

 ただしその操作には龍族の搭乗を前提としており、操縦系も龍族専用にチューニングされている。その為、人間が乗る事は出来ないし、乗るスペースも無い。――と思われていたのだが外部から魔導機士との連動機能が用意されており、万一暴走した場合には外部からの介入が出来る。尚、その機能が使用された時の操縦者の感想は『闇に覆われし卑猥なる手管よ……』との事だった。多分褒めてる。

 

 主兵装として頭部を模した武装モジュールに収束衝撃砲と呼ばれる一点に集中された衝撃波を対象にぶつける魔法道具がある。格闘兵装には螺旋爪と名付けられた高速で旋回する三本爪。エフェメロプテラ、クレイフィッシュ等で実用化されたワイヤー技術の集大成とも言えるテイルブレード。と言った物が挙げられる。魔導機士に取り囲まれた時の事も想定して各所に機関銃が仕込まれている。魔導機士での運用が難しい大型銃器を複数搭載している事から制圧能力も非常に高い。これ一機で軍勢を相手にすることも可能である。

 

 また腹部には一発限りの取って置き兵装が用意されている。

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