監獄ゲーム
ラッコ
第1話 監獄ゲーム
「皆さんごきげんよう☆看守長のエンドロールです」
四月の風が吹く。雲一つなく澄みきった快晴の空。すべてが完ぺきな日のことだった。
ある人は笑い、ある人は笑い、ある人は笑い。馬鹿みたいに幸せな日。そんな時が永遠に続くことを誰も不可解に思わなかった。
いや、むしろそんな日が『あいつら』にぶち壊されることが当たり前と考えるほうが必然だったのかもしれない。
渋谷のビルの全画面に映った『そいつ』は馬鹿に明るい声で俺たちを困惑にいざなった。
「これより監獄ゲームを始めました。理由は忘却の彼方。また、私の正体は明かしませんでした☆」
支離滅裂なことをぺらぺらとしゃべり始めたエンドロールは帽子を脱ぐとそこに一つのカギを放り込んだ。
「この映像が終わったところでこのゲームは始まるでしょう。皆さんがこの帽子の中にあるカギを見つけ、このゲームを終わらせれば私は死にました。」
そう言い残すとエンドロールは画面から消えた。
監獄ゲーム ラッコ @Cocoa_Candy
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