部活動 八

 翌日、イベントを直前に控えて、竹内君は焦燥に駆られていた。


 場所は渋谷、もしくは表参道から程近い場所に位置するイベント会場の施設前。事前に約束した集合場所でのことだ。同所に定刻通り集まったブレイクダンス同好会の面々。そのうち若干二名の姿を目の当たりとしての狼狽である。


「もしかして、に、西野と向坂なのか?」


 並び立つ二人を見つめる学年ナンバーワンイケメン。


 その視線が向かう先には、ウィッグを被って女物の衣服を着用したフツメンとバリタチの姿がある。共に化粧を済ませており、その出で立ちは昨晩、トーマスの経営するバーで確認した姿と寸分たがわぬ有り様だ。


 ちなみに二人が着用する衣服は、トーマスからのプレゼントである。西野やマーキスの存在が効いたのか、ウィッグの他に化粧道具から衣服、更には鞄や靴といった小道具に至るまで、全てが二人には与えられていた。


「悪い竹内君、もしかして遅れてしまったか?」


「も、申し訳ないっスっ!」


 素直に謝罪の言葉を述べる二人。


 約束した時間の五分前なので、これといって遅れた訳ではない。しかしながら、二人が同所を訪れたとき、既に現場にはローズとガブリエラ、それに竹内君の姿があった。そこへ西野と向坂が合流した形である。


「いや、そ、そういう訳じゃなくてさ……」


 二人から声を掛けられるまで、相手が知り合いだと気付けなかった彼である。まさか、ここまで本格的な女装を見せ付けられるとは、夢にも思わなかった次第だ。精々ウィッグを被る程度だと想定していたイケメンである。


「向坂、お前もしかして化粧道具とか持ってきてるの?」


「あ、は、はいっ、持ってきてますっ!」


「……マジで?」


「あの、や、やっぱりおかしいッスよね? 男なのにこんな……」


「ああいや、悪い。別にそういう意味で言ったんじゃないんだけどさ」


「すみません、竹内先輩に気を遣わせてしまって」


「…………」


 おかげで竹内君は焦り始めていた。


 このままではどう足掻いても、自分一人だけ浮いてしまうと。


 当然、彼もまた用意はしてきた。昨日の内に二十四時間営業で有名な大手ディスカウントストアまで赴き、数多並んだパーティーグッズの中から、比較的質の良い品を手に入れて、本日に臨んだ次第である。これくらいで十分だろうと。


 そんなイケメンの立場を、西野と向坂はぶっちぎっていた。


 一方で竹内君とは対照的に、笑みを深くするのがローズである。


 彼女は予期せず目の当たりとした西野の女装姿に興奮していた。丁寧に毛の剃り上げられた脛と、帰宅部が誇る色白い太もも。これをミニスカート着用の上、ギリギリまで晒す様子は、彼女にとって最高のご褒美であった。


 曰く、西野君がスカートをたくし上げて恥ずかしがる姿が見たいわ。


 曰く、できればバキバキに勃起していて欲しいわ。


 曰く、しゃぶりたいわ。


 とんだマニアックである。


「西野くん、随分と素敵な格好をしているじゃないの」


「マーキスの伝手に頼み込んで、どうにかこうにか用意してもらった」


「ふぅん?」


 あの男、たまにはいい仕事するじゃない。


 ローズの中でマーキスに対する評価が一ポイント上がった。


「昨日は随分と嫌そうな顔をしていたと思うのだけれど?」


「個人の感情と部活動の進退とは別物だ。やるからには全力で挑みたい」


「あら、かっこいい」


 そして、ああだこうだと賑やかにする面々の傍ら、静かに佇むのがゴスロリ姿の少女、ガブリエラである。モノ言いたげな眼差しをローズに向けながら、それでも傍らにフツメンの姿を見つけては、口を出せずに堪えている。


 その表情は甚だ不服そうだ。


「あの、そ、それじゃあ会場に入りませんか? 控室があるそうなんで」


 どうにも落ち着きのない向坂。


 彼の視線が指し示す先には、地上九階建ての真っ白な建物が聳える。地上階はオフィスフロアとなり、その地下一階に設けられたホール施設が、本日の舞台となる。ステージを含むホールの規模は、おおよそ三百平米といったところか。


 収容人数は二百人弱。都内の舞台施設としては比較的小規模なものだが、設備的には必要なものが全て揃っている。今回のようなダンスイベントの他に、駆け出しアイドルのコンサートなどで利用されることもある。


「ところで向坂、着替えはどこで行うんだ?」


 暗にローズとガブリエラの存在を訴えて語る竹内君。


 自らが窮地に陥っているときでも、異性に対する気遣いを忘れない男だ。


「あ、それなんですけど、事前に女の子が一緒だと伝えたところ、女性用に部屋を取ってもらえました。なので先輩おふた方は、このままの格好で向かっていただいて大丈夫ッス。会場の控室で着替えられると思います」


 向坂の彼女らを見つめる視線は尊敬からキラキラと輝いている。


 どうやら格上ダンサーとして認定されたらしいマジキチ女二名だった。


「そういうことなら安心だな。さっさと向かうとしよう」


 そして、ここぞとばかりに皆を先導するよう語ってみせる西野。


 なんでお前が仕切ってるんだよ、とは竹内君の喉元まで出掛かった思い。


 皆々、実に様々な思惑を腹の中に抱えながら、その歩みを進めていった。




◇ ◆ ◇




 会場には既に大勢人の姿があった。


 そうしたなかで西野たちが通された先は、フロアの一角に設けられたドレッシングルームの一つだった。他に女性参加者がいない都合、幾つかあるうちでも比較的小さめの一室を津沼高校の面々で貸し切りだった。


 ちなみに同所では西野と向坂も一緒だったりする。


 案内役のスタッフが、二人を男だと気付けなかった為だ。更に言えばスタッフは、やたらと露出の多い西野の、これでもかと膨らんだ胸元に首ったけであった。まさかその膨らみが偽物であるとは夢にも思わない。喋りさえしなければ、完全に女である。


 そして、フツメンの裸体を楽しみたかったローズの意向も手伝い、彼らはこれといって追い出されることもなく、同所でのお着替えとなった。女装した貴方たちが男に混ざって着替えをするのは、他へ要らぬ混乱を招くでしょう、とは彼女の談。


 当然、ガブリエラは忌々しげな眼差しを西野に向けていた。しかしながら、これといって反論の声は上がらなかった。いつぞや廃ビルでの一件が効いているのだろう。依然として彼の前では大人しい彼女である。


 おかげで本件最大の被害者はといえば、竹内君である。


 彼一人だけ、他所へと通される運びとなった。


 そして、他に大勢の男性参加者が居合わせる只中、チアガール然とした衣装を着込むべく、お着替え必至の状況である。スカートを履かなければならない。ウィッグを被らなければならない。スパッツを履かなければならない。


「…………」


 絶体絶命のイケメンだった。


 西野や向坂が一緒だと考えていた手前、そこまで着替えに躊躇することはないだろうと考えていた彼である。内二名はイケメンであり、無様担当のフツメンも同席していれば、そこまで自分に奇異の視線を向けられることもあるまいと。


 しかしながら、二人は女子と共に他へと行ってしまった。


 場所が場所だけあって、連れ戻すことは不可能である。


「…………」


 おかげで竹内君、屈辱のロンリー女装タイムである。


 鞄を開いて、その内側に収まる衣装を確認する。圧倒的にヒラヒラとしており、全力でピンク色だ。露骨なまでに女々しいそれは、傍らに収まったスパッツやウィッグと相まり、今の彼にとっては禁忌の品と映る。


 周囲では他に参加者だろう者たちが、ああだこうだと支度を急いでいる。だが、その大半はシャツを着替えるだとか、帽子を被るだとか、ズボンの下にテーピングを行うだとか、その程度である。


 いきなり スカートを履きだすような輩は皆無だ。


 それでも居合わせた面々が、下層カーストの者たちであったのなら、彼は悠然と着替えを行ったことだろう。サッカー部員として鍛え上げた肉体を、これでもかと披露しながら女装を敢行したことだろう。


 だがしかし、周囲を囲うのは生粋のブレイクダンサーだ。


 顔面偏差値は一定以上。


 肉体に限って言えば、同所では竹内君も並に過ぎない。


 体脂肪率一桁の極めて引き締まった世界である。


「どうするよ……」


 更に言えば、女装のクオリティに関する問題も解決していない。


 如何にクラスのナンバーワンイケメンとは言え、女物の衣装を着用して、ウィッグを被っただけでは、女として成立しない。ただでさえ背丈が高い彼だから、殊更に周囲から浮いてしまうことだろう。


 出来上がるのは髪の長い女物の服を着たイケメンである。もちろん、当初はそれでも構わなかった。少なくとも彼はそのように判断していた。そうしてローズとガブリエラを盛り上げられれば良いのだと。同じ仲間も他にいるからと。


 それがあろうことが、本気で女装をしてきた西野と向坂だ。


 自ずと取り残されたイケメンである。


 このまま行けば事実はどうあれ、女の子四名プラス女装野郎一人の構図は免れない。


「…………」


 おもむろに竹内君は鞄を閉じた。


 そして、控室から廊下に向かい、覚悟を決めた様子で歩き出す。


 竹内君が目指した先は、西野たちが収まる女性用の更衣室である。


 その道中は困窮を極めた。


 大して広くないフロアが故、狭い廊下を人がひっきりなしに行き交うのだ。そして、目当てのドレッシングルームはと言えば、露骨なまでに女性用との看板が掛けられて、男性の行き交いを規制している。


 人目を盗むにしても難易度が高い。


 そこでイケメンは正面からの強行突破を試みた。


「おーい、向坂、ちょっといいか?」


 ドアをノックして、室内で着替えをしているだろう相手を呼び出す。


 イケメンだからこそできる芸道だ。その傍らを通り過ぎるスタッフも、竹内君のイケメン具合を確認して、なるほど、同じチームの人間なのだろうと、これといって危惧することもなく過ぎ去ってゆく。


 そうこうしているとドアが開かれた。


「どうした? 竹内君」


「…………」


 姿を現したのはギャル西野だ。


 どうやら既に着替えを終えていたようで、ピンク色のフリフリの舞台衣装を着用している。これでもかと差し込まれたパッドによって膨らんだ胸元が、竹内君としては苛立たしいにも程がある光景だろうか。


 しかも絶妙に似合っているのが、これまた腹立たしい。


「悪いけど、向坂を呼んでくれないか?」


「向坂なら事務局に用があるからと出かけていったぞ」


「っ……」


 尽く不運に見舞われる竹内君だった。


「そ、それなら西野でもいい、悪いけどローズちゃんから化粧道具を借りたいんだけど、話を通してもらえないか? なんなら呼んできてくれるだけでもいい。っていうか、呼んできてくれるだけで十分なんだけど」


「あの女は化粧をしないから、たぶん道具は持っていないだろう」


「え……」


 なんでそんなことをお前が知っているんだよ、竹内君の脳裏には疑問が浮かんだ。しかしながら、今の彼は如何せん切羽詰まった状況にあった。そして、続けざま西野が口にした言葉は地獄に仏。


「俺のでも構わないようなら持ってくるが……」


「あ、あぁ、それでいい。悪いけど少しの間だけ貸してくれ」


「皆既に着替え終わっている。竹内君も更衣室の中で着替えたらどうだ?」


「いや、俺は便所で着替えるわ。化粧道具だけ貸してくれ」


「そうか? 分かった」


 素直に頷いて、西野はドレッシングルームに引っ込んでいった。


 出来ることなら竹内君もまた、彼らと同様に落ち着いて着替えたかった。しかしながら、ローズやガブリエラの手前、化粧をしたりスカートを履いたりといった行いは、彼のプライドが許さなかった。


 故にトイレの個室以外、イケメンに取り得る選択肢は存在しなかった。


「持ってきたぞ。このポーチの中に全部入っている」


 すぐに西野が戻ってきた。


 差し出されたのはキラキラとラメの煌めくポーチ。これでもかとギャルギャルしている。しかも地味に値の張るブランド品。竹内君の好みからすると、対極に位置する代物だろうか。だがしかし、今の彼にとってはそれこそが命綱にも等しい。


「悪いけど、ちょっと借りるぞ」


「ああ、持っていくといい」


 ギャル西野に見送られて、竹内君は早々に踵を返す。


 イケメンは女物のポーチと共に、男子便所へ消えていった。




◇ ◆ ◇




 紆余曲折の末、イベントは開場を迎えた。


 舞台の前には二百近い客席が並んでおり、その全てが人によって埋まっていた。後方には立ち見と思しき者たちの姿もちらほら窺える。同イベントが大会の地方予選である点を鑑みれば、なかなか悪くない客の入りだった。


 参加チームは合計で四十二チーム。各々のチームが三分以上、五分以内の制限でショーケースを披露する運びとなっている。そして、これより選出された上位四チームが、最後にダンスバトルを行い順位を決める、といった流れが本日の予定だ。


「今回はなかなかレベルが高いッスね……」


 舞台袖からステージを眺める向阪が呟いた。


 その眼差しは非常に真剣なものだ。


「いよいよ次だな」


 これに答えるよう、西野が偉そうに語ってみせる


 既に参加チームの半分がショーケースを終えており、イベントは折り返し地点だ。そして、次に出番を控えているのが、他の誰でもない、向坂率いる津沼高校のブレイクダンス同好会一同である。


「…………」


 どうしてお前が仕切っているんだよ、普段なら竹内君から西野に突っ込みの一つでも飛んだことだろう。しかし、本日の竹内君は妙に静かだ。それもこれも全ては今この瞬間、彼が他の面々に晒す姿格好に由来している。


 元々男性的な魅力に溢れたイケメンの竹内君だ。


 おかげで如何にウィッグを被り女物の衣服を来たところで、内側から溢れ出す雄らしさを隠すことができていない。トーマスの手に掛かったのなら、それでも良いように料理されたことだろう。しかしながら、本人の化粧の腕前はそう大したものではなかった。


 焦りから自ずと化粧は濃くなった。地毛とは異なるウィッグの感覚を掴みきれず、ワックスの量が合わなくて妙に毛先がツンツンと立っている。更に背が高く肩幅が広いことも手伝って、傍目完全にヴィジュアル系である。


 衣装がピンク色のチアガールもどきである以外、バッチリ決まっている。


 それでも西野と向坂が同じレベルにあれば、竹内君としては許容できる女装の筈だった。美少女二人と女装した野郎三人。更に内二人イケメン。そんな美女と野獣を思わせるスタイルで攻める算段であったのだ。


 だが、全ては過去の機略である。


「竹内君、どうした? 心なしか顔色が芳しくないが……」


「気にするなよ。少し身体が冷えただけだから」


 ヒラヒラとした可愛らしい衣装が、もっぱら彼の憂いの原因だった。


 どうして西野と向坂は、こんなにも似合っているのだと。


 今日この瞬間、舞台の上に限って、カースト序列は類稀なる逆転を見せていた。


「たしかにこの衣装は少し体が冷える。もしも辛いようなら、下に何か着てきたらどうだ? 別段、身体を痛めてまで振る舞う必要もあるまい。竹内君は助っ人で来てくれているのだ。無理をして身体を壊されたら、こちらも申し訳が立たない」


「っ……」


 まさか西野に気遣われる日が来るとは思わなかった竹内君である。しかも彼自身の判断として、今の立場はフツメンが上、イケメンが下というまさかの下克上。改めて女という性の優位と、そこに被せられた化粧の威力を思い知った彼だろうか。


「そろそろ終わりそうよ?」


 ああだこうだと喋っている間にも、舞台は着実に進んでゆく。ローズの指摘を受けて皆々の視線が舞台に向かうと、そこでは今まさに〆のポーズを決めるダンサーたちの姿があった。間髪を容れず、開場からは拍手が届けられる。


 ややあって、司会進行のMCからアナウンスが為された。


 曰く、次は津沼高校、ブレイクダンス同好会。


「い、行きましょうっ!」


 竹内君の焦りなど露知らず、向坂から声が掛かる。


 なんだかんだでイベント慣れしている彼は、四の五の言わずに舞台の中央に向かって飛び出していく。観衆の面前、女装姿を晒すも構った様子は見られない。これに西野やローズ、ガブリエラが当初の打ち合わせ通り続いた。


 まさか一人だけ逃げる訳には行かない。


 竹内君もまた彼らの背を追い掛けて、舞台脇から中央に向かい駆け足だ。


 すると会場からは、間髪を容れずに声が上がった。


「え、なにあれ超かわいい」「っていうか、外人さんじゃない?」「もしかして小学生?」「いや違うでしょ、今高校って行ってたし」「津沼高校ってどこの高校だよ?」「なんか変なの混じってない?」「一人だけ大きいやつ、あれ絶対に女装だよな?」


 主だって視線を集めているのはローズとガブリエラ。次点で竹内君。これに続く形で向坂と西野といった塩梅だ。なんだかよく分からない幕の内弁当のようなチーム編成を受けて、観客もまた困惑している。本当にダンスを踊れるのかと。


 ちなみに皆々の配置はといえば、向坂を中央に据えて、半歩ばかり後ろに下がって左右にローズとガブリエラ。その外郭へ更に半歩ばかり後ろに下がって、西野と竹内君が並ぶ。上からみたら鏃のような形になっていることだろう。


「…………」


 皆が配置についたことを確認して、向坂からMCに視線が向けられる。


 これを受けてホールには指定の曲が響き始めた。


 津沼高校、ブレイクダンス同好会のお披露目が始まった。




◇ ◆ ◇




 結論から言うと、西野たちは本人たちが想像した以上に上手く踊り始めた。


 事前に向坂から指示があった通り、決められた順番で様々な技を繋いでいく。それも最初に向阪が踊り、これに習ってローズとガブリエラ。そして、最後に西野と竹内君といった具合に、ワンテンポ遅れて中央から外側に向けて演技が流れてゆく。


 おかげでブレイクダンス初心者の彼ら彼女らであっても、僅か数日の練習期間ながら、辛うじてショーケースとしての体を保つことができていた。それもこれも取り分け練度の低い西野と竹内君の為を思った、後輩の温かな気心が所以である。


 そして、これが存外のこと受けた。


 技は徐々に難易度を上げるよう展開されていく。すると観客からは、果たしてこのキワモノたちは、どこまで踊り続けられるのだろうという期待から、好奇の視線が向けられる。対してブレイクダンス同好会の面々は、会場からの期待に着実に応えていった。


 これにはダンサーが女性である点もまた、少なからず影響していた。いくらか紛い物も紛れてはいるが、少なくとも現時点において、西野や向坂の女装に気づいた参加者はいない。スカート姿の少女たちがどこまで踊るのか、ドキドキでワクワクだ。


 際しては露骨なまでに女装感を出している竹内くんが、良い具合に作用していた。まず間違いなく女装だろうと思われる彼が一緒だからこそ、他に女装している西野や向坂を隠すのに一役かっていた。ヤツ以外はきっと女性なのだろうと。


 しかしながら、それでも全てが順風満帆とはいかない。


 異変が起こったのは技がウィンドミルに差し掛かった辺りだ。


「お、おいっ! なんか股間がモッコリしてないかっ!?」


 最前列に腰掛けていた客の一人が声を挙げた。


 その視線は漏れなく向坂の股間を見つめている。今まさにピンと伸ばされた両足が、ブォンブォンと回っている。応じてはスカートが翻って、その内側にスパッツが顕となった。当然、そこには男の象徴が控えている。


「マジだっ! なんか膨らんでる!」「もしかして真ん中のやつも男なのかっ!?」「っていうか、左隅のやつも膨らんでないか!?」「いやいや、膨らんでないだろ?」「膨らんでなくね?」「いや、よく見ると膨らんでいるような、膨らんでいないような」


「ちょっと待てよ、もしかしてコイツら、全員女装なのか?」「いやでも、外人の子たちは膨らんでなくね?」「だ、だよな? これで膨らんでたら詐欺だろ!?」「俺は別にそれでもイケる」「っていうか、真ん中のヤツ、少し勃ってない?」


 ああだこうだと好き勝手に言葉が交わされ始める。


 如何にスパッツで押さえつけているとはいえ、男と女が並んで踊っていれば、その違いは一目瞭然だ。サポーターで矯正するにしても限界がある。向坂に至っては伊達にタチを自称していない。平時でもエビフライ級の代物である。


 おかげで今までつまらなそうに舞台を眺めていた一部の観客からもまた、これを機会に注目が集まり始める。果たしてどこからどこまでが男なのか。顕となった股間を舐めるように見つめ始める。


「両端と真ん中が男じゃないか?」「マジかよっ!? あのコギャルっぽい子、割と好みだったのに……」「っていうか、外人の子たち、女の子なのに凄すぎじゃん」「だよな? 肩とか普通に浮いてるし」「逆に右端のデカいヤツの仲間外れ感がヤバい」


 そうこうする間にウィンドミルが終えられる。


 西野と竹内君にとっては、こちらが脱落ポイントとなる。ウィンドミルからチェアーを決めて以降は、後ろに半歩下がり、背景に徹するのが事前の打ち合わせであった。以降は向坂と金と銀のロリータで、高難易度の技を行う算段となっている。


 際して西野と竹内君は、舞台を後ろに下がりながら、他三名がステージを広く使えるよう、中央に寄って行く。対してローズとガブリエラは、互いに向坂から距離を取るよう、外側に向かい移動していく。少し潰れた五角形のような位置取りだろうか。


 そうした最中に事故は起こった。


 ぴょんぴょんとラビットをしながら移動の最中、ガブリエラの足が西野の顎を直撃したのだ。背丈の小さな彼女だから、跳ねるに応じて伸びた足の位置が、上手い具合いにフツメンの普通な部分を踵でアッパーカットキック。


「っ!?」


 予期せぬ一撃を受けて吹っ飛ぶフツメン。


 伊達に不思議パワーで身体を支えていない。彼女からの一撃は、随分と勢いの乗った代物であったらしく、その身体は放物線を描くように、舞台の中央で踊る向坂を越えて反対側に吹っ飛んでいった。


 すると、そこには運のないことに竹内君の姿があった。


「ちょっ……」


 最後の大技、本人も決死の覚悟で挑んだウィンドミルからのチェアー。これを決めてホット一息をついたイケメン。後はスポットライトの外側で適当にステップを踏んでいるだけだと、気を抜いた彼の下にフツメンが体当たり。


 二人まとめて舞台の袖まで転がる羽目となった。


「ぁ……」


 体勢をそのままに、顔色を真っ青にするガブリエラ。


 どうやら意図してのことではないらしい。偶然から西野の顔を蹴り上げてしまったようだった。これには他に舞台で踊る面々もまた驚いた。踊る姿勢こそ崩さずとも、その意識は舞台袖に向かっていた。


「竹内君、大丈夫か?」


「西野、お、お前、なにやってんだよっ」


「舞台へ戻るぞ。ステージを止められたら不味い」


「くそっ……」


 随分なアクションを見せたフツメンとイケメン。それでも前者が咄嗟に力を振るった為か、共に怪我はしていない。どうやら不思議パワーで衝撃を殺したようだった。そうでなければ、十中八九で首の骨を折っていたことだろう。


 おかげでワイヤーアクションのような吹っ飛び具合となっていたが致し方なし。


 一方で会場はと言えば、殊更に喧騒を大きくする。あまりにも見事な放物線を披露したフツメンに対して、その身を気遣う声がちらほらと。その身が消えていった舞台袖に注目が集まった。あの女装野郎は大丈夫なのかと。


 すると次の瞬間には、自らの足で登場するギャル西野。


 これに続いてヴィジュアル系竹内君。


 前者に至ってはブロンクスなどキメながら、ドヤ顔での再登場だ。おかげで後続の竹内君も併せて、どうにかダンスステージの体裁を保つよう演出だろうか。二人の元気な姿を確認して、司会進行もまた音楽を継続、演技を見守ることとなった。


 これにキレたのがローズだ。


「…………」


 どうにかこうにか戻ってきた竹内君。当初の予定どおり、ステージの後方へ向かい移動してゆく。その動きは西野を意識してだろうか、これに負けじとブロンクス。額に汗を粒と浮かべながらの最後の一踏ん張り。


 そんな彼のお尻を金髪ロリータの足が蹴り飛ばした。


 勢い付いたトーマスによる一撃だ。


「っ!?」


 間髪を容れずに吹っ飛ぶイケメン。一瞬その身体が浮いたかと思えば、前のめりに数歩ばかりを進んで、頭から前方へ突っ込む形である。すると、その先には狙ったようにガブリエラの姿があった。


 どうやら愛しの彼を足蹴にされたのが我慢ならなかったようだ。報復の人間弾頭である。他方、まさか彼女から蹴飛ばされるとは思わなかった竹内君は、爆風にでも煽られたよう、踏み留まることも叶わずに前へ進む。


 誰の目にも両者は衝突必至。


 しかしながら、ガブリエラはこれを見事に弾き飛ばした。同じくトーマスの最中にあった彼女は、ローズの行いに同じく、飛んできた竹内君のお尻を回転する足で蹴飛ばして、イケメンを舞台の後方に跳ね飛ばした。


 するとどうしたことか、そこには西野の姿がある。


「っ!?」


 再びぶつかりあう羽目となるフツメンとイケメンだ。まるでパチンコの玉にでもなった気分の竹内君だろうか。それでも西野が咄嗟に不思議パワーを用いて受け止めたおかげで、床への激突は避けられた。九死に一生である。


「竹内君、大丈夫か?」


「わ、悪いっ……」


 誰が見ても悪いはローズだろう。


 しかしながら、それを素直に語ろうとしない彼はイケメン。ローズを庇い、相手が西野であるにも関わらず、素直に謝罪してみせる。ただ、二度に渡り蹴飛ばされて痛むお尻は、如何に加減されていたとは言え、すぐには立ち上がれない。


 おかげで舞台の後方、寄り添うように身を寄せる羽目となった二人。


 壇上はそれほど広くないのだ。


 他方、これを契機として勢いを増すのが、金と銀のロリータである。


「このっ……」


 気づけばローズがガブリエラに迫っていた。


 ステージの中央、最も観客に近い場所で踊る向坂。その背後で彼女たちの争いは始まった。既に同好会長の踊りなど見ていない。好き勝手に身体を動かしながら、ダンスの体を保ちつつの攻防である。


 挑まれる側も、満更でもない表情でこれを迎え入れる。


 おかげで当初は事故かと思われた一連の騒動も、会場には演出として受け入れられた様子だった。練度の低い西野と竹内君が退場するに応じて、ダンスに熱の入り始めたロリータ二名。その様子に会場はわっと沸き立った。


「女装二人は途中退場か」「ギャルの子、めっちゃ飛んだよな?」「飛んだ飛んだ。ワイヤーアクションみたいだった」「大丈夫なのかな?」「流石に演技だろ?」「見た感じ平然としてるしな」「そうなるとギャル子が一番凄くない?」「たしかに」「受け止めたノッポも大したもんだろう」「ぶっちゃけレベル高いよな」


「っていうか、あの子たち揃ってエアーとか始めたぞ。普通に凄くね?」「ミニスカエアー最高だな。スパッツ丸見えじゃん」「スパッツ脱がしてぇ」「ノーパンだったらもっと良かった」「そうなると女装野郎のモッコリも一緒に付いてくるぞ?」「断然ありだな」「え?」「分かる。ギャルの子がノッポを大切にしてる感じ、なんか悪くないよな」


 段々と会場が沸き立ち始める。


 観客席の皆々はステージの様子に釘付けだった。


「どう足掻いても、お姉さまは私に勝てませんわ」


「上等よ」


 片手で逆立ちをした姿勢のまま、股を大きく開いて足を回すローズ。その切っ先が矢継ぎ早にガブリエラを捉える。まともに受けたのなら、路上に立つ電柱くらいは簡単に圧し折ってしまう強打だ。


 だが、それもゴスロリ少女の力を前としては有効打とならない。西野が放つものと同様、身体へ接する直前で受け止められて、服にシワを作ることすらままならない。傍目には寸止めとして映る光景だろうか。


 そして一連の攻勢は同時に、打撃を受ける側にとっては絶好の機会であった。銀髪ロリータはこれ幸いと、大きく開かれた金髪ロリータの股ぐらに、その顔を突っ込んだ。激しく動き回る両足を両手で掴んで、それはもうガッツリと突っ込んだ。


「あふぅん」


「っ!?」


 股間にショーツ越し、舌の這いずり回る気配を感じて、ローズは咄嗟に距離を取る。ガブリエラの変態的な挙動を受けて、観客席からは殊更に声が上がった。当初の打ち合わせなどどこ吹く風、好き勝手にやりたい放題である。


 ただ、それでも彼女たちのやり取りは、危ういところで演技の体を保っていた。


 それもこれも舞台の中央、客席に最も近い位置で、事前に予定したとおり踊る向坂の努力のおかげである。


 当初こそ皆で揃って仲良くダンスを踊っていたチームが、しかし、ちょっとしたミスから段々と崩壊してゆき、やがては喧嘩を始める。その様子は、どこかコミカルなストーリーとして観客の目には写っていた。


 実際には喧嘩も本物で、舞台の奥に引っ込んだ初心者は紛うことなき初心者なのだが、実情を知る観客は同所に皆無である。更にローズとガブリエラの人間離れした動きを目の当たりとしては、誰もが瞬きすら忘れたようにステージを見つめていた。


 だがしかし、そうした賑わいも長くは続かない。


 大会ルールに規定されたダンス時間は三分以上、五分以内。西野と竹内君が退場した次点で、既に三分が過ぎていた。そうこうするうちに音楽は山場を向けて、残すところ数十秒。いよいよ終りが近づいてきた。


「竹内君、そろそろ最後のシーンだ」


「言われなくても分かってるよ。強引にでも混じるぞ」


「承知した」


 耳喧しいほどの音量で鳴る音楽のおかげで、ステージ上での会話が観客にまで伝わることはない。これ幸いと二人は最後のシーンに向けて打ち合わせである。こればかりは絶対に逃すことのできない締めの瞬間だ。


 最後は皆で中央に集まり、ポーズを取る段取りとなっていた。


 どこまで打ち合わせ通りに進むかは知れない。けれど彼らもまた、最後くらいはスポットライトの下に戻りたかった。まさか最後の最後まで、舞台の奥まった場所で身を寄せ合い忍んでいる訳にはいかない。


 やがて、終焉を思わせるドラムロールにも似た音楽がフロアに響く。


「今だ、いくぞ竹内君」


「だからいちいち命令するなっつーのっ」


 二人揃ってステージの中央に向かい駆け出す。


 目指す先ではステージの中央、片手倒立の姿勢に移った向坂の姿がある。当初から予定していたとおりの決めポーズだ。このままナインティに移行した彼の足を、竹内君の手がピタリと止めて、フィニッシュへと至る手筈となっていた。


 唯一、彼らの間で打ち合わされた演技らしい演技がそれである。


「っ……」


 迫る西野に気づいたローズが動いた。


 彼女も流石に最後くらいはちゃんとしなければ不味いと考えたのだろう。目の前まで迫ったガブリエラの首根っこをその手に掴む。そして、床を蹴りつけると共に、強引にも向坂の下へと向かった。


 これに失敗しては、あとで西野から何を言われるか分かったものでない。


「あぁん、お姉様ぁ」


「少し黙ってなさいっ」


 決して外せない決めの瞬間、最後に一際大きく、ホールに音が鳴り響く。


 危うくもチームの面々は向坂の下に集った。


 そして、竹内君は無事に向坂の足首を掴むと共に、その片手逆立ち回転を綺麗に止めた。残る面々もまた、両腕を大きく動かして、舞台の中央で静止した向坂を盛り上げるよう、これを囲い上げる。昨日、教室で練習したとおりの決めポーズ。


 無事、舞台には花が咲いた。


 これと時を同じくしての出来事である。


 パァンパァンと乾いた音が、立て続け会場に響いた。


 それはダンスの最後に放たれる大音響に合わせて放たれた、拳銃の発泡音であった。放たれた弾丸は二発。共にステージの上、ローズの隣に立ったガブリエラの眉間を目掛けて迫っていた。


「っ……」


 反応できたのは西野一人だった。彼は向坂に向かい腕を掲げる最中、フロアの隅、暗がりに銃を構える者の姿を見つけた。だが、それは発砲と僅差の出来事である。次の瞬間にはトリガーが引かれていた。


 迫る弾丸を前にフツメンは力を振るった。


 それは今まさに舞台を同じくする同級生を守るために。


「っ!?」


 次の瞬間、ガブリエラの瞳が見開かれる。


 自身の目前、目と鼻の先まで迫った弾丸を目撃しての驚愕だ。それは彼女の眉間へ到達する直前、手前数センチの位置で静止していた。まるで目に見えない壁にでも受け止められたよう、何もない空間にピタリと止まっていた。


 気づいたのはこれを止めた西野と、狙われた本人のみである。


 ガブリエラの真っ赤な目玉がギョロリと動いて、傍らに西野の姿を伺う。しかしながら、当のフツメンはと言えば、まるで気にした様子もない。素知らぬ様子で、会場に向かいキメ顔でドヤついていた。


 会場からは溢れんばかりの拍手が与えられた。


 ガブリエラの目前、静止した弾丸が床に落ちる音は、観客の手が叩かれる音にかき消されて、誰の耳に届くこともなかった。然る後、ステージから退場するに際しては、それとなく伸ばされた西野の指先に拾われて、鉛の固まりはスカートのポケットに収まった。


 最後は皆仲良くハッピーエンドである。


 少なくとも観客からは、誰の目にもそのように見えていた。




◇ ◆ ◇




 同日の夕方、同好会の面々は会場近くのファミレスに集まっていた。


 本日のイベントの反省会を行う為である。同所には向坂を筆頭として、西野、ローズ、ガブリエラ、竹内君と全員の姿がある。三人掛けの向い合せ、計六人が座れるボックス席を陣取ってのことだ。


 折角だし晩御飯でも食べてから解散しよう、といった流れである。


「あの、せ、先輩たちに、今のうちに伝えておきたいことがあるんスけど」


 料理も八割方が片付いたところで、向坂が口を開いた。


「なんだ? 言ってみるといい、向坂」


 守るべき後輩のどこか神妙な面持ちを目の当たりとしては、即座に西野が反応を見せた。手元には食べかけのスパゲティー。お皿の上でフォークなどクルクルとやりつつの語り草は、最高に勿体ぶったものだ。


 そんな先輩風を吹かせながらの物言いを受けて、少なからずイラッとするのが竹内君。しかも妙に手付きが熟れており、上手いこと食べている点が、殊更にイケメンの心を苛立たせる。生パスタでもないのに、どうしてそんな綺麗に巻き取れるんだよ、云々。


「会場からの帰り際、イベントの運営元から声を掛けられたんスよ」


「ほぅ?」


「先輩方もご存知のとおり、イベントでは残念ながら入賞を逃したッス」


 向坂の言葉通り、ダンス大会では残念ながら、上位四チームに入れなかった津沼高校のブレイクダンス同好会である。僅か数日の付け焼き刃である点を鑑みれば、それもまた仕方がないとは、居合わせた誰もが理解している。


 他の誰でもない、向坂自身もまた、当初そのように語っていた。


「でもまあ、俺らはそれでも良かったんじゃないの?」


 これ以上、西野に喋らせては堪らない。


 ほぅ? を耳にして、もはや我慢ならぬと憤る竹内君が声を上げた。


「前に向坂も、部室でそんなこと言ってたじゃん」


「それなんスけど、俺たち、本当なら予選トップだったらしいんですよ」


「え、マジ?」


「なんでも関係者席にイベントのスポンサーが混じってたらしいんですよ。それで、取り扱っている商品イメージの問題もあるから、あまり危険な行為は認められないっていう話になって、残念ながら取り下げられたらしいッス」


「そりゃまあ、そう言われたら仕方がないよな」


 実家が病院などやっている都合、その手の話題には竹内君も理解がある。


 一方で西野としては、些か不満の残る結果だろうか。


 それもこれも原因はロリータ二名。


 当初の打ち合わせとは一変、本番で喧嘩を始めたローズとガブリエラに対して、思わないところがないではない。しかしながら、彼女たちがいなければ大会に出場することも出来なかった手前、珍しくもステージを降りてから今まで言葉を控えている。


「だから先輩方、色々と想定外のことはあったかもしれないですけど、今回のことは良い思い出として持ち帰っていいと思うんですよ。俺、後ろが気になってめっちゃハラハラしましたけど、それでも最後まで楽しく踊れました」


「そうか?」


「はいっ!」


 竹内君の何気ない相槌を受けて、深々と頷いてみせる向坂。


 大人びた先輩と、どこか幼さを感じさせる後輩。


 女装姿は過去のもの。


 とても絵になる光景であった。


 もしも西野が問答を続けていたら、こうはならなかっただろう。


「だから先輩方、俺なんかの為に協力してくれて、ありがとうございました!」


 テーブルに額を押し付けるほどの勢いで頭を下げてみる向坂。


 少しばかり上ずった声色からは、その言葉が決して偽りや社交辞令ではないことが窺えた。こう見えて感受性の高い性格の持ち主なのかもしれない。この後輩は心底から満足していると、誰の目にも映る感謝の言葉であった。


 だからだろうか、なかなか悪くない気分のフツメンだ。


 これはこれでまた、青春の匂いを感じた童貞野郎である。

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