第14話 高熱にうなされた夜を超えて
ひとり暮らしでの体調不良は不安だ。
昨夜、私は38度越えの高熱でダウンして眠気と倦怠感でもうろうとしていた時に、かすかに揺れを感じた。スマートフォンを見ると、近くで震度4の地震が起きたが津波の心配はないという。
とりあえず、充電だけはしておこう。
暗闇の中でスマートフォンを電源につなぎ、布団の中で足をもぞもぞと動かした。思った通り、愛猫は布団の中に居た。いつもならほんのりとぬくもりを感じる猫の身体が、冷たい。
いや、猫が冷たいじゃなくて、私の体が熱いんだった。
寝返りを打つと左腕が猛烈に痛い。そう、私は昨日、3回目のコロナワクチンの予防接種を受けたのだ。
反対側を向くと右腕も痛い。2月に階段で転んで強打した右腕は寒い日などには疼いて辛い。どうやら高熱でも痛むらしい。いったいどっちを向いて寝たらいいのやら。
実は、引っ越しの荷物の中に体温計を入れようと思いながらもうっかりと入れ忘れた。
買い物ついでに体温計を買おうと何度か思ったが、その都度忘れた。今回も、熱が出ても微熱程度だろうと楽観していて買い忘れた。解熱剤も買えばよかった。まさかこんなことになるなんて。
頭がもうろうとしている中でも、もしも入院するようなことになったらやっぱりペッペットシッターさんにお願いするのがいいのよね、とスマートフォンで検索をした。どうやらお支払いできる範囲内でお願いできそうだと分かり、少し安心した。
そうだ、Amazonで体温計を買おう。明日には配達してくれるかもしれない。
頼れるのは宅配だ、と布団の中で閃いた私は、見慣れた体温計を探した。値段を見ても安いのか高いのか良く分からなかったけれど、とにかく一つ買い物かごへ入れた。そして、せっかくなら一緒に水も買おうと思った。少し在庫が減って来たし、重いモノは運んでもらうに限るからだ。
私は体温計も水も購入できたことにほっとして、眠りに就いた。
翌朝、目が覚めると熱は下がっていた。完全に下がったのかどうかは体温計がないので分からないけれど、とにかく高熱ではなかった。念のためにスマートフォンでAmazonの買い物かごを見た。やっぱり買い物かごに入れただけで、注文し忘れている。朝一番で注文した体温計は、午後4時に配達された。
ひとり暮らしが頼れるサービスは、日頃から使い慣れておく必要があると実感した。
愛猫のためにペットシッターも必要に迫られる前に一度、体験しておこう。そうだ、スーパーの宅配も使ってみよう。何かあったときに会員登録から、なんてことになっても面倒だから。
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