第10話 雨の火曜日
雨の火曜日は憂鬱だ。火曜日は燃えるごみの日。ごみの量も少ないし、金曜日でいいかな、などと思いながらカーテンの隙間から雨を眺める。
もうひとつの憂鬱の原因は、乾かない洗濯物の問題だ。
雨の日の洗濯は、いつもの洗濯コースに風乾燥の工程を加える。室内干しにして、除湿器を衣類乾燥モードにするのが我が家のやり方だ。老後のためのリフォームの時には浴室乾燥機を設置しようと心に決めている。雨続きの室内干しの憂鬱から我を解放したまえ、という訳である。
当たり前のことだが洗濯物を室内干しにすると、湿度が高くなる。湿度が70%以上になるとカビが生える。気管支炎や気管支喘息、鼻炎などのアレルギー症状を引き起こす原因になりかねない。だから、カビが発生しないように湿度のコントロールをすることは、自分や家族の健康を守るためにとても大切なことなのだ。
だから、室内干しはしたくないところだが、雨が続くと洗濯物は溜まる。すると私のストレスも溜まる。これは何よりも避けたい。
だから、湿度計とにらめっこしながら、せめて風乾燥を加えての室内干しなのだ。
ひと手間加えるだけで、乾燥時間ぐっと短くなる。除湿器の衣類乾燥モードとサーキュレーターのダブル攻撃でさらに乾きやすくなると言うわけだ。除湿器のタンクに水が溜まっていく様子を時々チェックして、ニヤニヤするのが好きだ。効果が目に見えると言うのは分かりやすくていい。
このやり方は職場の主婦仲間に教えてもらったものだ。すぐに自宅で試して、ずっと雨の日の習慣にしている。憂鬱が消えるわけではないけれど随分と軽減される。今の私には最もベターなやり方だと思っている。
さて、今日の雨は如何にも菜種梅雨という風情である。少し肌寒いなと一枚羽織るような、そんな朝だ。
窓から見える公園の桜の樹も雨に濡れて、花咲くその日を待っている。雨はしとしと、猫はヒーターの前でぬくぬく。私は朝の家事を終えて温かいコーヒーを飲んでいる。たまには、憂鬱な雨の日もなかなかいい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます