生き方
放課後。
「さて、ピーマンと茄子はそろそろ収穫時かな」
自宅に帰り、汚れてもいいシャツとズボンに着替え、脇に籠を抱えた舞は、庭の畑を見て言った。
畑には、ピーマンやパプリカ、茄子、胡瓜が植えられていた。どれも野菜が実っていて、そろそろ収穫時という事を示していた。
「そういえば、舞ちゃんって家庭菜園やってたよね」
「農業女子ってやつ?」
縁側に座った心咲と椋が言ったが、舞は、ピーマンを手早く切り取りながら、
「んー、そういう可愛いのじゃなくてさ、何ていうか、自分の食べるモノは出来るだけ自分で作りたいって思ったんだよね。……だから本当は、鶏とかも買いたいんだけど……」
「卵でも取るの?」
椋が首を傾げて言ったが、
「それもあるけど、こう……、シメるって言うの? それも、やるために。……だけどさ、それやると流石に引かれるでしょ?」
舞は振り向いて、軽く苦笑しながら言った。
「し、シメるって……?」
心咲が聞くと、
「え? こう、頭を下にして吊し上げて、頭に血が上った所で首をホリゾンタルギロチンすればいいんだけど」
『ホリゾンタルギロチン』と言いながら、舞は左手で手刀を作って首に水平に走らせる仕草をして、収穫を再会した。
「ああ、うん、そりゃダメだわ、見られたら引かれる」
椋が、得心がいった様子で頷いた。
「まあそれは将来の話だから」
「やるのかいな……」
「だからとりあえずは、今はピーマンと茄子を収穫して、冷蔵庫の中にある豚肉辺り使って炒め物と焼き茄子と茄子の味噌汁でもしようかなと」
舞がそう言うのと、ピーマンの収穫を終えるのは同時だった。
舞は、続けて茄子の収穫を始めた。
「うん、大きく育ったね。……よし、今日はこの位かな。ほら、二人共、勉強再会するよー」
十分程で、今日食べる分を収穫し終えた舞が言った。
「はーい」「はーい」
心咲と椋は、揃って返事をした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます