ゴールデンウィークゲーム
共通ルート
*本編時系列とは別物としてお読み下さい。
「ゴールデンウィークだよ!」
テレビを見たり、雑誌を読んだりと団らんしているところに、
「葉介さん、よくゴールデンウィークのことご存じでしたね」
「この前くまの屋さんに行ったとき、
葉介は、サーカスで稼いだ財産で、
「ねぇどこ行く? 何日もお休みあるなら、遠出もできるよね?」
「僕は仕事だよ」
「俺も」
「えっ」
「ゴールデンウィークでも働くの……? 本当に?」
「俳優業が
「そっかぁ……社畜……」
「何だその哀れみの目は」
「辞めたい時はいつでも言ってね……お金ならあるから」
「辞めねぇよ!!」
「ゴールデンウィークといっても、連日休める人ばっかりじゃないんだよ。職種によって事情は異なるからね。働いてくれる人には感謝しないと」
「うん……感謝する」
「というわけで、
蛍は、晴れやかな笑みで問いかけた。
「お前は休みなんだな……蛍」
「ケイ君って僕らを
「身を
「たった今感謝とか言った人のセリフ!?」
「あの……私もバイトですよ?」
「!!!!」
一花が、バイト……? 葉介と蛍は
「
「何で皆そんなに働き者なの……信じられない」
「お前が働かなさすぎなんだよ」
「まぁ僕ら大人が休みなしなのは良いとして、一花ちゃんは大変だね。一日もヒマないの?」
「4日はお休みなんですけど、
「レッスン……」
音大を目指す一花にとって、それが大事なものであることは、葉介にも何となく分かる。休んで欲しいとは、口が裂けても言えない。落ち込む彼を、千晃が
「ケイ君とヨウ君、2人で出かけたら? 君たち仲いいんだし」
「ダメだよ……蛍、一花がいる時といない時じゃ、態度とテンションに差がありすぎるから」
「そんなにあからさまかな」
「自覚がないなら録画しててやろうか」
「…………」
一花は残念がる葉介たちを見て、反省する。店長が困っていたから、つい頼まれるままバイトを入れてしまったけれど、4人の予定を聞いてからにすべきだった。
「5日と7日は15時までなので、そのあとなら遊べます。遠くに行くのは難しいけど、電車で行ける範囲なら大丈夫です」
「あ、7日なら僕オフだよ」
「俺もその日は何とか休める」
「じゃあ7日、皆で――」
「2手に分かれようか」
葉介の言葉を
「2手? 何で?」
「バランスがいいからだよ。5日はケイ君とヨウ君、7日はハル君と僕が一花ちゃんと遊ぶ」
「5日は蛍と俺、7日は全員でいいと思うなぁ」
「それは何か不公平だろ」
冬陽も、千晃の案に乗る。
「別にそれでもいいけど。ちゃんと千晃を
「酷い言い草だな……。ほら、ハル君。親友を犬扱いされてるよ、抗議して!」
「よし。ヴァフの首輪とリードを借りるか」
「借りないよ!」
大人たちの
「そうだ! ねぇ、勝負しようよ」
「勝負?」
「どっちのチームが一花を楽しませられるか
「しょ、勝負って、そんなことしなくても――」
「お、いいな。それ」
「何を
「そうだなぁ……」
何だか妙なことになってしまった。
ただのお出かけなんだから、楽しむだけで十分なのに……。
こういう時だけはぴったり
いつもと違うゴールデンウィークのはじまり。
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