冒頭の描写が綺麗で、すぐ物語の世界に引きこまれました。
全編を通して、主人公の気持ちが丁寧に描写され、あっという間に感情移入できました。
その後はもう、主人公と一緒にドキドキハラハラ、そして照れ照れで恥ずかったです(〃ω〃)
以前読ませていただいた改稿前と比較して、エピソードが重ねられることにより、好きになる理由に説得力を感じました。
オチはわかっていたけれど、以前のものに一捻り加えられていて、新作を読むのと同じような感覚で読み終えました。
爽やかな読後感と、ちょっぴり残るドキドキ感が心地よい作品ですね。
楽しくて、学生時代を思い出させてもらえました。
ネタバレを含みます。作品を先に読まれてからお読みください。
主人公は最初アイツの目的に気付いているはずだと思ったら、全く気付いていなかったのですね。少し抜けている。整合性を考えていくならば、きっと、自分のことで手いっぱいの人なんでしょう。恋愛に興味がないか、年下に興味がないか。絵に集中しているのかもしれません。見栄を張るのは、自信のないことの現れでしょう。いつもあたふたしていて、きっと自分を省みる時間がない人なのかもしれません。
対して、アイツは、純粋で素直ではっきり物事を言います。指摘が出来るということは、よく周りを見ている証拠でもあるでしょう(あたしに対してだけかもしれませんが)。俺様的(?)な振る舞いは、余裕のないあたしに取って、余裕を持った存在に見えるでしょう。
この二人が逢ったとき、あたしは、アイツの弱さが見えて、アイツはあたしの弱さを見てくれる。そんなお互いがお互いを支えあうような関係になったのかもしれません。男性目線でいくと、アイツがあたしの弱さをきちんととらえながら、あたしのそれを隠そうとする振る舞いに付き合ってあげて欲しいな、と思ってしまいます。しかし、あたしはきっとプライドが高く、自信もなさそうなので、アイツはあたしをなんで必要と思っているか分からない、とか言い始めそうです。時折、アイツが弱さ(少し子どもっぽいかな)を見せたり、あたしを頼ってあげたり、そんな関係になれたらいいのかな、と思いました。絵を通じて(それがなくても)お互いの心が分かり合え、助け合える関係になると良いな、と先の展開について考えてしまいます。