第7話

 正月を迎えた時、家族と過ごすから初詣にはいけないと言われた時、あたしは泣いた。

「なんか、最近そういうの多くないですか? 車のデートの時、すぐに帰っちゃうし……」

「俺、考えたんだけど、今の距離、俺には無理。別れようかどうしようか、悩んでる、正直」

 なに!? どういうこと!? 今の距離無理なの? 車で一時間半の距離は遠かったの?

 あたしは何も言えなくなった。なんて言えばいいのかわからなくなった。もうこれで終わり?

 あまりにもひどい結末であたしは泣いた。涙が枯れないことってあるんだなと思った。あとからあとから涙が出た。

 遠距離ってもっと遠い距離のこと差すと思ったけど、心の距離も遠距離に入るんだと思った。

 どうしたらいいんだろう。一反電話を切って、あたしは真剣に考えた。ものすごく執着してると思われてもよかった。

 蒼太君と別れたくない。離れたくない。話がしたいし、顔も見たい。

 あたしは自分から電話した。

「あたし、頑張って家を出る。そんで、蒼太君の近くで暮らして働く」

 これはあたしの人生の転機になった。

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