第3話

 二カ月で三回しか会わなかった。これって付き合ってるの?


 実際は最初のデートも入ってるので二回。蒼太君は本当にあたしのこといいと思って付き合ってくれてるの!?


 そのことを考えるとものすごく悲しくなってくる。彼女いないから何かのキープであたしは付き合ってもらってるんじゃないかって感じてしまう。


 そこまでもてないんじゃないかって? わかんないですよ! 意外にもててるかもしれないじゃないですか! などと自分に訴えてみる。


「今日は何で来なかったの?」

 思わず責め口調。でも仕方ない。ほんとのことだもん。


「忙しくて、眠かったから」

「でも、電話くらいくれてもよかったと思う……」

「ごめん」

「今度いつ会えますか?」

「……今は分からない」


 泣いていいですか? これって振られフラグですか? きらわれてるって思っていいんですか?

「もしかして、もう、嫌いですか?」


「え!? なにが?」

「あたしのこと」

「そ、そんなことない、けど?」


「だって、お付き合いしてるんじゃないんですか? あたしたち」

 あたしは我慢できなくなって泣き声で言いつのった。うるさいって思われるの覚悟で言った。


「嫌いじゃない、泣くことないじゃないか……」

 ぶっきらぼうな声。落ち込む……


「わかった……今週の土曜日、会おう」

「ほんと、ですか……?」

「ほんとほんと」

「はい……!」


 一気にうれしくなって元気になるあたし。ゲンキンだなぁ……

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